cinema eye
鑑賞日93/8/27(ビデオ)
ジム・ジャームッシュのオムニバス映画『ナイト・オン・ザ・プラネット』をビデオで見ました。公開当時から見たかった映画だったので、期待して見たのですが、まあ期待に見事に応えてくれましたね。
ストーリーと言うほどのものはなく、ある日の同じ時刻、世界の5つの都市(ロス・N.Y.・パリ・ローマ・ヘルシンキ)のタクシーをめぐるショートストーリーが5本。最初はロスの夕暮れから始まって、最後はヘルシンキの夜明けまで、まさにこれぞスライス・オブ・ライフ、というやつでした。
それにしても着想が素晴らしいですよね。地球上の同時刻にタクシーという閉じた空間で起こる短いドラマ。それぞれのストーリーに見事にその土地の空気が息づいていて、そのローカル性がまた人間に共通したグローバルさも表している。またタバコが全部同じように小道具になっているところもしゃれた演出でした。
有名な俳優はロスのタクシー運転手を演じたウィノナ・ライダーくらいでしたが、逆に知らないことが、それぞれの雰囲気を納得させてくれる要素でありました。個人的にはN.Y.の話が好きでした。人生を感じさせてくれるような映画が好きなら、見て損はない映画です。まだの方、一度お試しあれ。
今回の木戸銭…1400円