cinema eye

『マジェスティック』

鑑賞日03/7/6(ビデオ)

 『ショーシャンクの空に』『グリーンマイル』の監督フランク・ダラボンが、ジム・キャリーと組んで作ったヒューマンドラマ。

 1950年代、赤狩りで失業した脚本家が、酔ってクルマごと川へ転落。記憶喪失になって流れ着いた町で、出兵したまま行方不明になっていた青年と間違われて住み続けることになります。戦争によって元気を失った町に活気を取り戻すために活躍を始めますが、記憶が戻るとともに、彼の立場は一変していきます。

 と言うことで、ジム・キャリーが『トゥルーマン・ショー』を彷彿とさせるシリアス演技で、精神的に成長していく青年を好演しています。また町の老人たちを演じる俳優陣がまた人間味あふれる良い演技を見せてくれます。

 ストーリーは途中からだいたい予測がつきます。脚本としてはベタなので、『ショーシャンクの空に』のような感動はありません。当時のハリウッドに吹き荒れた赤狩りの背景を理解していないと、ストーリー全体の意味もわかりにくくなるかも知れません。それでも、人生にとって大事なことは何か、生きる幸せというものはどこにあるのかを示そうとするこの映画のテーマは感じ取れることでしょう。

 もちろんこれから社会に出ていく若者に見てもらいたい作品ですが、つい理想を見失いがちな中高年も、改めて何か感じるところがあるかもしれない作品だと思います。

  今回の木戸銭…1000円