cinema eye

『福沢諭吉』

鑑賞日91/9/6(劇場)
 東映の大作『福沢諭吉』。まあ普段ならまず見に行くことはないんだけれど、招待券を貰ったので見に行ってきました。

 監督は澤井信一郎、出演は柴田恭兵、仲村トオル、南野陽子ら。映画のポイントは戊辰戦争をしている最中に慶応義塾の授業を始める諭吉と、友のために塾を捨て戦いに赴く仲村トオル演ずる篠原、この二人の生き方を通して、平和とは、学問とは、愛とは何かを問い掛ける、ということでしょうかね、企画書的に言うと。

 で、多分作られた時期のせいもあるのでしょうが、湾岸戦争へのメッセージぽく仕上がっていて、時代劇とはとても思えない現代的なスピード感と臭さがあるドラマです。ですから、戊辰戦争になるまでは、とにかくどんどんと話が展開します。まあ説明しているだけ、と言ってもいいでしょう。で、突然クライマックスになると思いっきり臭くなる、というまさに良くも悪くも日本映画のノリ。役者は面子を見ればわかる通り下手ばかり。まるでTVの2時間ドラマ並みの仕上がりと言っていいでしょう。

 良かった所は、少しは歴史のお勉強になるかな、というのとナンノちゃんはもうアイドルという年ではない、と確認させられたこと。悪かった点は、全体の作りの浅さと、時代考証のあやふやさ。まあこの手の映画が好きなら、止めはしない、というレベルですね。

今回の木戸銭…400円