cinema eye
鑑賞日93/5/8(ビデオ)
ひさしぶりにビデオを借りてきて、以前から見たかった『フライド・グリーン・トマト』を見ました。去年の作品なのでご存知の方も多いと思いますが、1910年代のアメリカ南部で生きる二人の女性の友情を縦糸に、その想い出を語る老婦人と、それに感化されて生きがいを見いだす中年女性との友情を横糸に据えた素敵な女性の物語です。
ストーリーの破綻のなさ、的確で抑えた演出もいいですが、なにより役者が素晴らしい。特にメアリー・スチュアート・マスターソンとジェシカ・タンディ(この二人が主人公の女性の若い頃と老年を演じています)。型にとらわれず自由に自分の意志を貫いて生きようとする、典型的なアメリカ女性を見事に演じきって見る者に共感を与えてくれます。『恋しくて』『ドライビング・ミス・デイジー』が面白かった人には絶対お勧めです。
よく女性の友情は長続きしないだのなんだのという、男同士の友情を美化するあまりに言われのない差別的な意見を聞く事がありますが、友情というのは性別の問題ではなく、その個人がどれだけ主体的に生きているかということが大事であることが、よくわかる映画でした。
今回の木戸銭…1300円