cinema eye

『あの、夏の日〜とんでろじいちゃん〜』

鑑賞日04/11/4(DVD)
 夏休みの尾道を舞台に、おじいちゃんと孫の少年が繰り広げる冒険ファンタジー映画。もちろん尾道と言えば大林宣彦監督。「新・尾道三部作」最終作。原作はこれまた「転校生」の山中恒でまさに大林ワールドなのですが、恋愛色が薄いのが過去の尾道シリーズとの大きな違い。そのせいか、人気も薄いような気がします。

 由太はボケ気味のじいちゃんを監視するため、夏休みを利用して尾道に。しかし、おじいちゃんは元気いっぱいで、監視どころか不思議な呪文であちらこちらに飛び回る毎日。それも本当に空を飛び、タイムスリップまでするんものだからいつしか由太とおじいちゃんは過去の世界で大活躍することに。

 祖父と孫の交流を軸に、祖父の子ども時代のエピソードを上手に絡めたファンタジックで心温まる作品です。せつなさが特徴の尾道シリーズにしては、ちょっと路線が違う気はしますが、これはこれで悪くありません。尾道の魅力も相変わらずたっぷり描かれていて、見て損はしないと思います。

 個人的には父を亡くしたばかりで見てしまったので、ついついそれを重ね合わせて見てしまい余計にじーんときてしまいました。

今回の木戸銭…1000円