cinema eye
鑑賞日02/02/03(ビデオ)
1962年に実際に起きたケネディ大統領による「キューバ封鎖」を、オドネル大統領補佐官(ケビン・コスナー)の目を通して描いた社会派サスペンスドラマ。一歩間違っていれば、今の世界はなかったかも知れないという恐怖感を実話ならはのリアルさで語りかけてきます。
東西冷戦時代の核戦争の恐怖というのは、日本に住んでいた我々にはどこか遠い世界の話でした。しかし、まさに核のボタンを押す立場にあった指導者は、自分の決断がそのまま世界の破滅を招くかも知れないと言う強いプレッシャーの中にいたわけです。この映画ではアメリカン・ヒーローでもあるジョン・F・ケネディが、開戦を迫る軍部の圧力に屈せず、弟であるロバート・ケネディ司法長官とオドネル補佐官の3人で危機を回避していきます。
この作品は映画の文法としてはパニックもののサスペンス映画ですが、なによりも実話をベースにしているという部分での強さが際立っています。ケネディ兄弟に俳優が似ていないことなど、ちょっと気にはなりますが、だからと言ってそっくりさんを出しても仕方ありません。なにせ映画自体、どこまで本当でどこから創作した部分かわからないのですから。本当は映画としても描けないもっと複雑なあれやこれやもあったかも知れません。そういう点も含めて、なかなか興味深く、そして面白い作品でした。
今回の木戸銭…1300円