2004AIGオープン観戦ツアー

メルボルン合宿に味をしめた我々「バカ4人組」は、東京有明で行われる日本テニス界最大のイベント「AIGジャパンオープン」を観戦することにしました。
しかも昨年この大会で優勝したシャラポワが、今年のウィンブルドンで優勝して大ブレークしての再来日。
これは見に行かなくては、ということで、うみりんがチケットを早々に予約してくれ、 ATCのメンバーにも声をかけて、いよいよまたあのメンバーで旅立ちとなりました。


今回の日程


10/8


8:53 名古屋駅

AIGジャパンオープンの開場は9時、試合開始は10時。しかし、第一試合から見に行く根性はない。と言うことで、第二試合に間に合うようにのんびり名古屋を出発することにした。 と言っても、この時間でも栗田には早起きの限界。眠い目をこすって新幹線のホームへ行くと、すでにエドちゃんと“リーダー”タカは待っていた。 エドちゃんは頼んでおいたうようよさんへのお土産の赤福もしっかり買っている。
「このお土産は僕と栗田さんからですからね。川上さんは関係ないですから」
そういう世間の付き合いに疎い川上くんを早速エドちゃんがいじめている。相変わらずの風景だ。

新幹線は定刻どおり出発。外は雨。東京は曇りという話だが、果たしてAIGオープンは予定どおり行われているだろうか? ハードコートの有明では雨が降ったら外ではできない。台風22号も近づいてきているという。実に心配な空模様だ。

本当は3人だけではなく、もう一人、あかちゃんも我々と一緒に行くはずで、そのために座席もボックスで予約したのだが、そのあかちゃんは木曜日から一足先に東京へ出かけてしまった。 おかげで栗田・工藤は隣の座席だが、川上くんの隣は知らないオジサン。エドちゃんは後ろの川上くんが気になるのか、何回も振り返る。
「もう寝てますよ、どこが不眠症なんだか。川上さんの寝顔しか見てないですよ」
と毒づく。まあまあ、いつものことじゃないか。

眠そうな川上くんに
「どうして今回ブルガリの時計をしてこなかったの?」
と聞くと、
「いや、出してる時間がなかったんで」
との答え。時計ひとつ取り出すのにそんなに時間がかかるのか?

「ブルガリも出す時間がなかったって、何をしてたの?」
と重ねて聞くと、
「双眼鏡を探していました」
だって。なるほど、メルボルンでも大活躍したあの双眼鏡ね。確かに必需品だとは思うけど、そんなに探さないと見つからないわけ?
「2時間くらい探しちゃいましたよ」
ふーん、でもメルボルンに持っていったんだから、その時のバッグの中になかったの?
「そうなんですよ、そこにあったんですよ。よくわかりますね」
って、誰でも想像つくって。さすが川上くん、最初から飛ばしてくれる。

10:33 東京駅着

東京に着いた。当初、有明までどういうルートで行くかいろいろ考えたのだが、結局第2試合から見るなら時間に余裕があるということで、先にホテルに寄って荷物を預けてから有明に向かうということにした。

ホテルは日本橋小伝馬町にある「ホテルギンモンド東京」。シングルルーム3部屋を確保してある。ただし栗田の会社の福利厚生関係を使って安く泊まるために、二人は栗田の実弟と義弟ということになっている。一応事前に名前は教えてあるが、予想通りフロントで川上くんがとまどっている。
「栗田さん、住所はどう書けばいいですか?」
って、君は僕の実弟なんだから「栗田さん」と呼ぶな!住所は自分の住所を書いておけ!すでにフロントマンが笑っている。ホントにもう。

後で聞いたら
「いやぁ、どういう設定かと思って。もしかしたら一緒に住んでいるなら栗田さんの住所を聞かないといけないし」
って、40歳前後の兄弟が未だに一緒に住んでるわけないだろうが。そんなことを思うのは独身39歳秋のリーダー川上だけだよ。

なんとか笑われながらもチェックインをして荷物を預けた3人。栗田は最初から預けるためのリュックと持ち歩くためのウエストバッグを分けてあるので簡単。エドちゃんはリュックから着替えの入った袋だけ取り出してフロントへ。問題はリーダー川上だ。新幹線の中ではメルボルンで購入した全豪オープン公式リュックを背負っていたが?ん?あれ?川上くん、また違うリュックを出している!?どういうこと?
「いや、あの全豪オープンのリュックはフロントに預けましたよ」
で、そのリュックは?
「ああ、これはあのリュックの中に入れてきたんです」
って、ほとんどリュックの大きさが変わってないんだけど。
「いや、こちらのリュックの方が少し小さいです」
うーん、リュックの中に一回り小さいリュックを入れて持ってきて大きいリュックを預けたということ?リュック・イン・リュック。君のリュックはロシアの人形マトリョーシカか? そのリュックからまた一回り小さいリュックは出てこないですか? メルボルンでもいろいろなモノが出てきて感動した川上くんの別名「四次元リュック」だが、とうとうリュックからリュックを出したか。すごいぞ、川上。意味がわかんないけど。

ところで、今回は色紙は何枚持ってきたの?
「いや、きっと近づけなくてもらえないですよ」
ありゃ、諦めがいいね、今回は。せっかく大好きな小畑も出るのになぁ。シャラポワとどっちがいいの?
「そりゃあシャラポワに決まってるじゃないですか」
・・・この浮気者が。

11:50 有明コロシアム

 

ホテルを出て小伝馬町から日比谷線、八丁堀で乗り換えて京葉線、新木場で乗り換えてりんかい線。距離は近いが意外に乗り換えは面倒。ようやく国際展示場駅に着いて、有明コロシアムを目指して歩く。
雨が降っていて風もある。外のコートは案の定濡れていてとてもテニスできる状況にない。 予定されている試合はどうなるのか?全て屋根付きのコロシアムに組み込まれるのか?

実は栗田は事前に「プロのサービスにリターンでチャレンジ」というイベントに申し込んでおいたら見事に当たったのだ。今日センターコートに出場する選手の勝者がサービスを打って、それをリターンできる、というイベント。つまり、もしかしたらシャラポワのサービスをリターンできるのかも知れないのだ。
ただし、試合の進行状況いかんでは中止になることもある、と言われている。 この雨は危うい。外で行われるはずの試合が中に組み込まれたら、イベントなんか中止だと言われかねない。
せっかく名古屋からテニスウェアを持ってきて、テニスシューズを履いてきたのに。
ラケットはさすがに大変だったから、うみりんに持ってきてもらうように頼んだが。

で、会場入り口付近で偶然そのうみりんに出会う。しかも何とあかちゃんも一緒だ。二人は仲良く相合傘で歩いてくるではないか。付き合っているのか?
「違う、違うてぇ、ほんとに偶然そこで会ったんだわぁ、もうびっくりしてまったでかんわぁ」
相変わらず名古屋弁クイーンのあかちゃん。昨晩から東京に泊まってハイテンションだ。しかも昨晩から泊まっていたにも関わらず有明に着いたのは10時半過ぎと我々とあまり変わらない時間だし。

ともあれ、みんな集まったので、コロシアムの中に入ることにした。




12:00 試合観戦

中に入ってとりあえずお腹を満たすためにサンドイッチを購入。あまり大した食料は売ってなさそうなのでまあ腹が膨れれば良いやって感じ。

席はSS席。まあまあコートに近いが、間近で迫力満点というほどでもない。4人組は最初にまとめて取ったので一列横並びだが、あかちゃんの席だけ少し離れている。 金曜日だと言うのに結構席は埋まっている。 これもシャラポワ効果か?

コートでシャラポワが練習を始めたらすごいフラッシュ。アシスタントディレクターの松岡修造が出てきて何かしゃべっている。ご苦労様なことだ。 彼ほどテニスの普及に懸命に頑張っている人も少ない。大したものだと思う。

試合は第2試合男子シングルス準々決勝はイリ・ノバクvsパラドン・スリチャパン。なかなか渋い対戦だ。 タイの英雄スリチャパンが、試合巧者ノバクをどう打ち砕くかと思って見ていたら、逆にノバクがスリチャパンの強打をかわして勝ってしまった。あらあら。

そしてその後、第3試合で女子シングルス準決勝でシャラポワが登場。 会場は一気にヒートアップする。すごい数のカメラマンがコートサイドに張り付く。 相手はタマリネ・タナスガーン。シャラポワ以外の上位シードが総崩れの今、多分一番の強敵だろう。 しかし、シャラポワは強かった。まったくタナスガーンを相手にせず圧勝。こりゃもう明日も勝って優勝間違いなしだろう。そもそも女子はトップテンの選手が出るようなグレードの大会じゃないからなぁ。

そして第4試合にヒューイット登場。かつての世界ナンバー1、先日の全米オープン準優勝、今大会ナンバー1シード。
なのに報道陣は一気に消えてしまった。シャラポワよりヒューイットの方がビッグネームだけど、一般メディアには関係ないんだなぁ。

で、ヒューイットが勝った後で、いきなりイベントが始まった。ヒューイットのサービスを子どもたちがリターンするって!おおっ、イベントは中止ではなかったのか。よしよし。

今回出てきたのはみなジュニア。 結構上手な子どもばかりだ。ヒューイットが軽くサービスを打って、そのままラリーを続けている。なんて羨ましいんだ。有明コロシアム1万人の大観衆の前でヒューイットとラリーできるなんて。 終わってから一緒に記念写真を撮ってサインボールまでもらっている。 いいなぁ、あれ。ぜひ僕もシャラポワと一緒にテニスして写真撮りたいぞぉ!


18:00 東口ぬいぐるみコーナー前

栗田は18時に東口ぬいぐるみコーナー前に集合となっている。持参した全豪オープン公式Tシャツとショートパンツに着替え、うみりんのバボラのラケットを抱えて集合場所に向かう。なんだか周囲の人たちから浮いている。 いくらテニス大会の会場だからとは言え、この涼しい中でTシャツ短パンではねぇ。

ぬいぐるみコーナー前にはすでにそれらしき人たちが5人。60歳前後の男性2人、30歳くらいの男性1人、30代とおぼしき女性1人、それに栗田。今回は大人特集か。みんなそれなりにテニス経験は豊富そう。 そして何よりテニスの熱狂的ファンと見受けられる。応募のハガキには一言メッセージを書くところがあったから、そこに熱い思いを書き込んだ人たちが選ばれたのだろう。

しかし、集まってはみたものの、肝心のイベント担当者がつかまらない。集合場所は会場入り口なので寒い。そこでじっと30分くらい待たされる。どうやら試合の予定が詰まっているので、イベントをどうするか検討しているらしい。 ようやく現れた担当者いわく「申し訳ありませんがイベントは中止させていただきます。予定していた男子ダブルス準々決勝をどうしても今日消化しなくてはいけないので時間がありません。ただし、この次の次の試合の勝者と記念撮影とサインボールだけはもらえるようにしますので、それでご了承ください」とのこと。

ガックリ。5人とも肩を落とす。そりゃそうだ。子どもたちはあんなに楽しそうにラリーまでして、なんで我々はナシ?しかも、この次の次の試合って、いったいいつになるんだろう?今夜はうようよさんと一緒に食事するためにお店も予約してあるんだけどなぁ。

19:20 再び集合

 

再集合は「次の次の試合」の1セット目終了後と言われて、いったん席に戻る。Tシャツ短パンラケットを抱えた栗田の姿を笑う川上・海野・工藤・赤堀。君たちは鬼か。可哀想な人を笑いモノにするんじゃない。

で、仕方なくTシャツ短パンの上からポールスミスのシャツを着てカーゴパンツをはいてスタンバイ。あかちゃんに「よく履けるね」と感心されたが、なーに、かなり痩せたからね。

試合は着々と進み、「次の次の試合」にテーラー・デント登場。アンディ・ロディックと並び世界最速サーバーの異名をとる男だ。今夜も最速222km/hをマークして場内の観客をどよめかせていた。

第1セットをデントがとったところで再び集合。すでに時間は19時を回っている。店の予約時間に間に合うだろうか? 一応、もし20時を回って試合が終わらなかったら、エドちゃんとあかちゃんには先に店に行ってもらうように頼んである。

ぬいぐるみコーナー前に集まった5人は、コートサイド最前列で観戦しながら待機。こちらからATCの4人がよく見えるが彼らは栗田がコートサイドにいることに気づいているだろうか。 さすがに最前列から見ると迫力が違う。デントの豪速サービスも、浮き上がってから滑るスライスもすごい。

20時直前、ここで終われば間に合うと思ったところが、なんとデントがサービスダウン、第2セットを落としてしまった。 ダメだこりゃ。エドちゃんとあかちゃんが席を立って出て行くのが見える。頼むよ、君たち。

第3セットも接戦だったが、なんとかデントが取って勝利。早速我々はコートを横切り選手の出入り口脇に移動して待機。 デントがやってきて、ひとりずつ流れ作業で記念写真を撮影。サインボールを貰ってデントは風のように去っていった。 シャラポワではなくても、せめてデントの世界最速サービスをリターンしてみたかったなぁ。残念。台風22号斬り!


20:50 お台場「権八」

イベント終了後、栗田・海野・川上の3人はすぐに有明コロシアムを出てタクシーでお台場のメディアージュへ向かう。 雨の中、アクアシティの前で降りた3人はメディアージュをうろうろ。目的の居酒屋「権八」が見つからない。 あれあれと思って予約をしてくれたうようよさんに電話したら、隣のアクアシティの中だとか。わざわざ違うビルに入ってしまったわけだ。ちゃんと確認しないと。「うろうろさん」になってしまった。

結局店に着いたのは9時前。先に出たエドちゃん、あかちゃんと店で合流したうようよさん、そしてオカジ。総勢7人。窓の外には雨に煙るレインボーブリッジ。あそこで「青島刑事」が橋を封鎖しているわけだ。

うようよさんとは今回初対面。以前からweb日記を読んでテニス好きなことは知っていたので、今回行けなくなった瀧上ちゃん夫婦の土曜日のチケットを譲ることにしたのだ。で、どうせチケットを渡すために会うなら一緒にご飯を食べましょうということになった。

オカジを呼んだのは、折角東京に来て、しかも泊まっているホテルがオカジの家のすぐそばということなのでだったら会わないわけにも行くまいと言う事で呼び出した。本当は八千代に住む横井さんにも声をかけたのだが、さすがに生後2ヶ月の乳飲み子を抱えて雨の中、お台場まで出てくるのは無理だったようだ。

 

あかちゃんの名古屋弁炸裂トークが笑えた。「でらうま」は名古屋弁だとは思っていなかった、 「けったマシーン」も標準語だと思っていた、というあかちゃん。彼女にとっては名古屋弁こそ日本の標準語なのだから仕方ないかも知れない。 名古屋人は特別エビフライが好きだとは思わずに普通に食べているけど、他県人から見るとかなり食べているという話も、うようよさんには受けていたようだ。うようよさんも実は名古屋とは浅からぬ因縁があって、意外に名古屋に詳しいのには驚く。初対面とは思えないほどリラックスして盛り上がれたのは、やはり名古屋つながりのテニス好きだからかな。

名古屋弁で喋り捲るだけ喋って、あかちゃんは10時過ぎに退席。池袋の友達の家に4泊していると言う話に、みんなで「それは男に違いない」と決め付ける。 ダンナを放り出して「池袋の男」と4泊かよ、と突っ込まれて「ちゃうって、勘違いしとってかんよ、そんな男おれせんてぇ」と言いながら去っていった。

それからさらに座は盛り上がり11時過ぎ。さすがに風雨も強まってきた感じだったので、そろそろ危険を感じて帰ることに。 うようよさんはこの後また飲み会のはしご(といっても彼女はずっとソフトドリンクだったのだが)をすると言っていたが、電話で聞いたらその会も解散したとか。

外に出たらかなり強い雨。なのに川上くんは店を出る時に「雨やんでるかな」なんてのんびりしたことを言っていた。窓から見てたってそんな天気じゃなかったでしょ?

雨脚が強いので東京テレポート駅まで歩く気になれずタクシーに分乗して新木場駅まで。 うようよさんは有楽町線なので「明日また会場で」と言いながらここでお別れして、栗田・工藤・川上・オカジは小伝馬町に向かう。 聞けばオカジの家は本当にホテルのすぐそば。こんな偶然もあるんだなぁと思って別れる。 外は相変わらず強い雨。ホテルの隣のコンビニで買い物をして12時半頃にホテルに戻った。

10/9

9:00 ホテル出発

9時にホテルをチェックアウトして出発。不眠症の川上くんは夜遅くまでAIGオープンの録画中継を見ていたらしい。 昼間あんなにテニス見たのに、よくそんなに見るよな。 台風22号が今夜にも関東地方に上陸するということで、かなり不穏な天気。最初から泊まる予定の栗田はいいが、今夜名古屋に帰る予定のエド&川上コンビは無事に名古屋に辿り着けるのだろうか?

10:00 有明コロシアム

とりあえず午前中は雨が降っているものの風はなく比較的平穏。有明コロシアムではまず初戦に女子ダブルス準決勝。浅越が登場した。試合は大熱戦。なんと2時間を越えてしまい、ようやく浅越組が勝利をもぎ取る。 純粋なテニスファンは大喜びだったが、次のシャラポワ目当ての客や報道陣は「早く終われよ」と思っていたことだろう。

で、第2試合が女子シングルス決勝シャラポワvsワシントン。ワシントンは全米オープン前にシャラポワに勝ったということで、少しは期待されたのだが、試合は一方的なシャラポワペース。瞬く間に6-0、5-0となってしまい、こりゃ「ダブルベーグル」(6-0、6-0の試合のこと)かなと思われたが、12ゲーム目にしてようやくワシントンが初キープ。観客も拍手を送る。

結局そのままシャラポワが押し切って完勝。まあランキングからしても敵はいないこの大会、順当なところだ。優勝インタビューで「来年も出たい」と行っていたが本当に来るかどうかは神のみぞ知るところだ。

さて、シャラポワの試合が終わるとともに、報道陣も潮が引くようにいなくなり、有明コロシアムは平穏を取り戻した。 次の男子シングルス準決勝にデント登場。相変わらず荒っぽい試合ながら、何とか勝ち上がり決勝へ。この試合途中でうようよさんからメールがあり「そろそろ出ます」とのこと。この台風の中をこれから伊香保まで行くそうだ。結局今日は会場で会うことはできなかった。

4試合目はヒューイットとノバク。ヒューイット有利は変わらないが、ノバクも好調だけにわからない。実際、試合はかなりもつれて第3セット。 ここで異変が起きる。なんと屋根がついている有明コロシアムなのに、コートに雨が降ってきたのだ。

最初はノバクのサイドに水滴が落ちてきていただけなのだが、どんどんひどくなってきて、遂には観客席で傘をさし出す始末。

インドアで傘?試合は当然中断。こんな事態は想定されていなかったようで、大会運営側も困惑しているようだ。場つなぎに出てきた松岡修造がいろいろ話をして観客を飽きさせないように努力をしている。コートにはかき集められたタオルがいたるところに広げられて異様な光景。

この頃、台風の風雨が一番関東地方でひどかったようだ。中断している間に外を見に行ったが、まさに滝のように雨が降っていた。外に出るよりも中にいた方が安全だ。

結局小一時間待ったところで試合再開。この中断はノバクに有利に働いたようで、そのままノバクがヒューイットを押し切って決勝に進出。屋内での雨に泣いたヒューイット。珍しい体験だろう。

次の試合は川上くんの「メルボルンでの恋人」小畑沙織が藤原里香とペアを組んだ女子ダブルス。これに勝てば明日は浅越と日本人同士で決勝戦。しかし、試合はずっと日本ペアが押されっぱなし。藤原の背の低さをロブで狙われてしまう。小畑が後ろでつないで藤原がポーチに出るというパターンは強いんだけど、それだけでは勝てない。
ストレートで日本ペアが敗退。残念。川上くんがシャラポワに浮気しているから負けてしまったんじゃないの?
「そんなことはないですよ」当たり前だっつーの。

この試合が終わったところで観客も一斉に帰りだした。台風もかなり収まり、止まっていた電車も少しずつ動き出したようだ。 試合も残るは男子ダブルス準決勝2試合だけなので、そりゃ観客も帰るわな。我々は新幹線と京葉線が動き出したことを確認してからでないと外に出ても仕方ないと、しばらく有明コロシアムに残る。

エドちゃんは諦めて宿を探し始め、木場のカプセルホテルをうみりんに取ってもらった。川上くんはあくまでも名古屋に帰ると主張。エドちゃんと一緒に泊まればいいじゃん、という我々の忠告に耳を貸さない。 こういうところが昔から頑固なんだよなぁ。

8時過ぎになって我々も有明を出る。外はすっかり嵐の後。打ち捨てられた折れた傘の残骸の山を横目に見つつ新木場駅まで戻る。まずは空腹を満たそうと駅の周りを見渡すが、どこの店もみなシャッターが下りている。 台風で営業中止したのか。唯一駅前であいているラーメン屋には行列ができていたので諦めて、くるっと駅を回ってみたらカレー屋が見つかった。4人で侘しくカレーを食べる。なかなかしみじみする風景だった。

新木場駅からエドちゃんはタクシーでカプセルホテルに向かうというので、お別れ。しかし、見ていたらタクシー乗り場ではない方向に歩き出していった。時間はまだ9時。これからカプセルホテルに向かっても仕方ない。 きっと風俗情報誌でも買って繰り出すのだろうと、3人はまたしみじみエドちゃんの後姿を見送った。

川上くんは東京駅へ。新幹線は動き出したそうだが、ダイヤ通りにはいかない。大丈夫かな? うみりんと栗田は京葉線で千葉方面。うみりんは新浦安、栗田は幕張。2日間お疲れ様でした。

24:00 幕張プリンスホテル

栗田が幕張プリンスホテルでテレビを見ていたら「東海道新幹線が新横浜で立ち往生」というニュースが流れる。 ありゃりゃ。川上くんはきっとこの新幹線の中だなぁ。新横浜では今更都内にも戻れずかといって名古屋ははるかに遠く、絶望的な気持ちで車内にいるんだろうなぁ。だからあれほど泊まっていけば、って言ったのに。 きっとエドちゃんも木場のカプセルホテルでこのニュースを見て笑っていることだろう。

後で川上くんに聞いたところ、このあたりで携帯のバッテリーも切れてしまい、連絡の取りようもなかったとか。ご愁傷様。今回も最初から最後まで川上くんネタで終わった有明観戦記だった。



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