幹事クリタのコーカイ日誌2003

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4月14日 ● 子供に個室は必要か。

 昔の日本の家屋では、子供部屋というものがなかったか、あってもせいぜい兄弟で1部屋を使うというような環境が当たり前でした。家は狭かったし子供は多かったし、何よりみんな貧しかったからです。子供は独立して家を出るまで、常に家族の中でごちゃごちゃと育ったものですし、だからこそ早く独立して家から出たいと願ったものでした。

 ところがこの20年くらい、1980年代くらいから、子供も一人一部屋というのが何となく常識になりつつあります。そのために狭い家をさらに細かく区切って部屋を無理矢理に独立させ、その結果子供は自分の部屋に引きこもって好き勝手しています。「パラサイトシングル」や「引きこもり」が増えたのも、子供に個室を与えた結果です。個室がなければ引きこもりようもありません。

 そんなこと言ったって欧米では子供に個室を与えるのが当然ではないか、個室を与えるからこそ欧米型の「個人主義」が育つんじゃないのか、と思う人も多いことでしょう。しかし、欧米における子供の個室はあくまでも「寝室」です。欧米の映画を見ていてもよくわかるように、基本的には起きている間、彼らは居間で家族と過ごしています。日本のようにテレビを見るのも電話をするのも、下手をすれば食事すら自分の個室で済ませて家族と顔を合わせないなんてことはありません。

 家族は最小単位の社会集団です。そこで子供は他者との付き合い方、自分勝手言っているだけでは集団生活は成り立たないということ、自分の権利を主張するには自己責任が伴うのだということを身に沁みて学ばなければなりません。

 今の日本にはびこっている「子供部屋」社会。それは身勝手な「自己中心主義」であって決して「個人主義」ではありません。自分たちがやりたいことはやる、やりたくないことはやらないで済ます、他人から強制されたくないし、他人の都合に付き合いたくもない。それで世の中がわたっていけると思っているのは「子供部屋」から未だに外に出てきていないからです。

 我が家は4LDKのマンションですが、1部屋は物置、1部屋は僕の寝室、残りの部屋は全てごっちゃで家族がゴロゴロと転がっています。中学生の息子に個室はないし、小学生の娘は自分の机すらありません。お互いに何をしているのか丸見えです。いけるところまでこのまま昔ながらの長屋風住まい方を続けていきたいと思っています。ま、単に大きな家が買えない甲斐性ナシの言い訳でもありますけど。


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