ぱちもそ 創美研究所
◆ゲーム概要 01/01/26 WIN95/98 〇〇えもんADV
 主人公である門司もじ太は幼なじみである宗本みるかの下僕としてこき使われる冴えない毎日を送る高校生。せめて想像の世界だけでは優位でありたいと、憎きみるかをネタに自室で自家発電を行っていると突然机の引き出しが開き中からパチ公と名乗る奇妙な犬型ロボットが現れた。そいつの話によるともじ太はこれからもみるかの下僕としてこき使われ、童貞のまま老後を迎えるという。そんな将来を阻止するために未来のもじ太がパチ公を送り込んだというのだ。
 ちょうどその時、もじ太の家をクラス委員長の利根川珠緒がプリント配布のために訪れた。物は試しとパチ公が股間の3次元ハッチから取り出した道具を彼女に使い、見事脱童貞を果たすもじ太だが……

 未来の世界のアイテムを使ってどんなHも思いのままの〇〇えもんアドベンチャーゲーム。煩悩の赴くままにエッチを追求するのもそれぞれのヒロインとの仲を深めていくのもプレイヤーの選択次第。登場ヒロインは気の強い幼なじみのみるか、男嫌いな眼鏡っ娘の珠緒、金髪ニンジャ転校生のベネット・スミス、パチ公の中身でお莫迦なポンコツロボット「ぱち」の全4名。

創美研究所HP
・5段階評価

ゲーム性
★★☆☆☆

ストーリー性
★★★★★

キャラクター性
★★★★★

快適性
★★★★★


お気に入り度
★★★★★


・やりこみ度
 完全クリア。
◆コメント
●ゲームの構造
 このゲームはそれぞれのキャラクター毎にストーリーラインが用意されており、毎日の放課後にどのキャラクターを選ぶかによってそのキャラのストーリーが進行する作りになっています。エンディングは10個用意されているのですが、そのキャラクターのストーリーを進めるだけで見られる難易度の低い物から他のキャラクターのストーリーを進めてフラグを立てておかないと見られない難易度の高いものまで幅広く用意されており、それによってプレイヤーがエンディングを見る順番がシナリオライター側に操作されています。エンディングを見る度に追加される「戯言(Ver.1.1のみ)」にはシナリオライターによるそのエンディングの解説と次のエンディングを見るためのヒントが書かれているので、攻略に詰まる事はあまり無いでしょう。

 ゲームシステムはメッセージの巻き戻しモードや未読・既読を判別する高速スキップ、CG閲覧モードにシーン回想モード(Ver.1.1のみ)が完備されており、機能的に不満に感じる点はありませんでした。ゲームをプレイするための推奨条件はセレロン400MHz以上とかなり厳しめなのですが、これはパチ公がアイテムを取り出した時にその背景に表示される旭日を回転させるアニメーション(このゲームでアニメを使ってるのはここだけ(苦笑))にマシンパワーが必要なためでして、オプションでアニメーションをOFFにしたらPentium2-266MHzのうちのマシンでも快適にプレイ出来ました。

●ストーリーについて
 概要に書いたあらすじを読んで本作を「未来の道具でお気楽にエッチが楽しめるバカゲー」だと思った方も多いと思います。私もそのつもりで購入したのですが……その予想は裏切られました。調子に乗って委員長をレイプしたのはいいのですが、当然のことながら後味が非常に悪いんです。委員長に対して真摯に接して許しを請うか後味の悪さを無視して女の子達をアイテムで洗脳して奴隷にするかで表モードと裏モードに分岐するのですが、何も考えないでサクサク進む裏モードよりもそれぞれのヒロインの隠された心情に迫る表モードの方がどう見ても力が入ってるんですよね。

 みるかがもじ太を下僕扱いする訳、珠緒が男嫌いな訳、ぱちがもじ太に絶対服従する訳、ベニーが怪しい行動を取っている訳、このゲームには謎が多いのですがそれぞれの謎にはちゃんと納得出来る理由が設定されており、プレイを進める事で徐々にその理由がプレイヤーに明らかにされます。一つのエンディングはそのキャラクターの謎を明らかにするのですが、それと同時に別のキャラクターの謎を提示して次のプレイへの引きにしているので、全ての謎が解決されるトゥルーエンドに到達するまで一気にプレイする事ができました。

●まとめ
 結局このゲーム、バカゲーの皮をかぶったキャラ萌えゲーでした。4人いるヒロインはそれぞれの理由でかなりひねくれているのですがそれ故に素直になってもじ太とラブラブになった時の可愛いさは格別ですし、プレイ開始当初は情けない奴だと思っていたもじ太もプレイを進めるうちにどんどんカッコ良くなっていき、プレイを終える頃には「漢だったらこうでありたい」と思えるようになっているはずです。しかもバカゲーの部分も手を抜かずにしっかり作り込んであるので非常に楽しむ事ができました。特にキャラクターの語尾(「だっちゃ」とか「にょ」とかいう奴)を自由に設定して怪しい会話でエッチを繰り広げる「ゴビ砂漠」プレイは傑作でしたね。

 音声が無い分プレイがサクサク進むのでややボリューム不足に感じる部分もあるのですが、ちょっとした笑いと感動を楽しみたいのであればお薦め出来るゲームです。

●余談
 本文でも少し触れましたが創美研究所HPではぱちもそVer.1.1へのバージョンアップファイルがダウンロード出来ます。これはバグ修正ではなくシーン再生モードやエンディング解説モードといった機能を追加するためのバージョンアップなのですが、Ver.1.0のCGモードのデータが使えなくなるのでバージョンアップを済ませてからプレイする事を薦めます。