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JACKET COLLECTION

2002/04/27


eternal rhythm

 ずーっとピアニストのアルバムを紹介してきて、何故ここでドン・チェリー?…という気がするんですが、とにかく『永遠のリズム』です。これを書いた当時に新しく購入して、それがよほど嬉しかったのでありましょう。そういうことってよくありますよね。新しい長靴を買ってもらって、嬉しくてわざと水たまりの中を歩いてみたりとか、ウェットスーツを買って、試しに着て風呂に入ってみたりとか。いや、風呂で着てみて「暑いぢゃないか!」と思ってしまいましたけどね。ちなみにこの『永遠のリズム』は内容が優れているから買ったわけではなく、「笑いが取れるぅ?」と思って買ったものでありまして。

 笑いの取れるジャズ・アルバムというのはどういうものなのかというと、例えばギャルから「何かオススメのジャズ・アルバムってありますぅ?」と聞かれた時に、「コルトレーンの“アセンション”(笑)」と答えて笑いをとるという、そういった類のものであるわけですが、いや、見事にスベってますね。すでに(笑)を付けた時点で失敗は約束されたようなものなんですが、要するに、数あるジャズの中でも極め付けのワケわからんアルバムの代表作のひとつとして、この『永遠のリズム』は認識されているわけでありますが、そう言われるとかえって聴いてみたくなるのが人情というものですよね。怖いもの見たさというか、まずいもの食べたさというか、臭いもの嗅ぎたさというか、汚いもの触りたさというか、不細工なオンナに手を出してみささというか、人間にはそういった屈折した心理というものがあるんですよね。いや、ほとんどマニアの世界でありますなぁ。

 ただ、ジャケットのセンスとしては悪くありませんね。写真をイラスト風にレタッチしたものなんですが、この手のジャケは細部が曖昧になっている分、丁寧に書けばわりと現物に似せることが出来る…ような気がしないでもありません。が、当時の僕には丁寧なシゴトをしようという意思が微塵もなかったようでありまして、その結果は見てのとおりでございます。ちなみに演奏のほうはというと1968年のベルリン・ジャズ・フェスティバルでの実況録音でありまして、一応「パート1」と「パート2」に分かれてはおりますが、これは恐らくレコードの録音時間の関係でA面・B面に分割されたもので、演奏自体は連続したものではないかと思われます。が、なんせ「パート1」の2分13秒くらいまでしか聴いたことがないので、真相は深い闇に包まれております。ま、CDの場合は黙って取り出しボタンを押せばそれですむ話なんですが、逃げ場のないジャズフェスの観客にしてみれば、これはもう、いい迷惑ですよね。でも、だいじゃぶ。ジャズフェスを有意義に過ごすことの出来る秘訣をお教えしましょう。それはもちろん これ と、 これ です。

(自己採点)

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 雑なシゴトですね。わはははは。…って、笑ってる場合じゃありません。印度人も泣いてます。