柔らかい平地での牽引

 特に斜度がついているわけでもなく,さらに柔らかい砂は,砂山のふもとあたりによく見られる状態です。走行中にググっとタイヤが沈み,ブレーキがかかったように感じる砂です。そこでスタックしてしまった場合,基本的には「平地でのスタックからの自己脱出」に書いたように行いますが,全く腹がついてしまったような状態からですと,自己脱出は難しくなり,牽引が必要になります。ウインチを積載した車で,遠くから牽引する場合は除き,通常の牽引ロープを用い,通常の車で牽引する場合の「こつ」みたいなものを紹介します。

 スタックした車に近づくのですが,救助車自体がスタックする可能性もあるため,できるだけ静かに,できるだけゆっくりと車を進め,できるだけ静かに車を停めます。救助者のタイヤで砂を掘るようなことをしてはいけません。そして,何度か前後に数メートル動かし,砂を踏みつけます。少しでも砂を固めるためです。この時に絶対にタイヤを空転させたりしないように気をつけます。救助車も動けなくなる可能性があります。

 スタックした車はタイヤが埋まってしまっていますから,車を砂の上に引き上げることを第1に考えます。タイヤの下に砂が入り,車が浮けば,そこからの自己脱出も可能になってくるからです。そこで,通常のように牽引ロープをピンと張ってから牽引するのではなく,すこしロープがたるんだ状態から動き,スタック車にショックを与えて浮かせます。救助車が沈んでしまっては意味がないので,1度か2度同じルートで繰り返したら,ロープをはずし,角度を変えてから同様に牽引します。救助車は,前とは違うルートで進入し砂を固めます。同じ轍に入るとスタックしてしまう可能性の方が高くなってしまいます。