斜面での牽引

 

1.牽引ロープでつなぐ

 車を近くまで寄せ,牽引ロープでつなぎます。よじれがないように気をつけながらつなぎます。経験から言うと,ワイヤーをよじったものは布製より弱く,牽引途中に切れてしまうことがよくあります。布製の太いものを選ぶのが賢明かと思います。

 ロープをつないだら,イラストのように,ロープがぴんと張るまで車を移動させます。平地での牽引の欄にもあるように,ロープが張る時のショックを使うこともあるのですが,車へのダメージを考え,まずピンと張るように心がけるとよいと思います。

2.ギアを”4L”(4輪駆動の低速モード)に入れる

 次にギアを4Lに入れます。自分の車に加え,もう一台を引っ張るのですから,車には相当の負担がかかると考えてよいと思います。クラッチの使い方は,自力走行以上に気をつけましょう。この状態で半クラッチを使うと,あっという間にクラッチが焼け切れます。クラッチをつなぐショックで,車を動かせるかもしれないので,急につないでやる方が賢明でしょう。

3.ハンドルを左右に切りながらゆっくり引く

 クラッチをつないだら,ハンドルを左右に切りながら,回転数を1000rpm程度までに抑えるつもりで動かします。自車も斜面にいる場合には,重力も手伝って,脱出させることができると思います。しかし,自分が平地にいる場合,自車も沈んでいくことがあります。問題は,ぴんと張ったロープがはずせなくなることです。はずせなくては2台同時スタックですから,にっちもさっちもいかなくなってしまいますね。

4.ピント張ったロープを緩める

 ぴんと張ったロープを緩めるには,ロープを真横に思い切り引きながら(もしくはお尻で押しながら),斜面を上がるように動かしてやります。当然タイヤが沈んだ状態ですから簡単には動きません。しかし,人の力は思ったよりあるようで,ロープのフックがはずれる程度には車を動かすことができます。はずしたらまず脱出しましょう。

5.同じルートは砂が緩んでいる

 一度掘ってしまった砂は,大変柔らかくなっています。救出のために再度近づく際には,自分が掘った場所を避けましょう。最悪の場合,救出の前に自車がスタックしてしまいます。

6.横向きの車の救出の場合

 斜面に横向きに止まってしまった車の牽引は,危険です。なぜならば,牽引すると同時に車全体を横倒しにしてしまうことがあるからです。通常の場合よりかなり慎重に,かなりゆっくりと牽引する必要があります。かならず止まってしまった車の角度を確かめ,少しでも斜面下向きの方から引っ張ってやります。牽引される側の車は,牽引される方向に動くようにハンドルを切ります。

 左のイラストのような場合ですと,上の車のハンドルは左に大きく切られているはずです。車の頭が上がっていくので不自然に感じるかもしれませんが,右に切ると車の前後ともが下に向かうことになり,横転の危険が増えます。

 イラストの場合,下の車は斜面に真っ直ぐ突っ込んでいる形になっていますが,もっと右方向から,浅い角度で牽引するとよいかもしれません。とにかく,上の車に下向きの力をできるだけかけないようにして牽引します。

 この牽引は大変危険度が高いので,斜面での横向きスタックはできるだけ避けるように運転したいものです。