ルートを探しながらの走行の場合

 

 基本中の基本は,目に見える範囲全てに目を向ける,ということでしょう。それと,「ええい,行ってしまえ」とアクセルを踏み込まないこと。「勇気があればどんな所でも行ける」とは私の師匠の言葉ですが,技術がなければどこにも行けないというのは真実なので,むやみに走行すべきではないですね。特に,初めて走るルートの場合,より深い集中力と危険回避の技術が求められると思います。技術は実践でしか見につきませんが,心得だけは持っていきましょう。

決めたら行く

 「その丘の向こうはどうなっているんだろう」「ここは柔らかいのかなあ」と不安になってしまいますが,ルートを決めたらある程度躊躇せずハンドルをそちらに切ることです。「やっぱやめよう」と決断する場面はもちろん確かにあります。斜面を上りきれない場合,直前になって狭くて深い窪みを見つけた場合などがそうでしょう。しかし少々の丘や窪ならば通り抜けるルートはあるもの。躊躇したとたんにアクセルを離し,平地で止まってしまうということにもなりかねません。駆け上がる,下る,曲がる,円弧を描く・・・などそれぞれの技術をきちんと高めながら,「決めたら行く」の姿勢の方が確実だと思います。

停める場所を探す

 大きな斜面の向こう側の確認,ルートの確認,他の車の確認,写真撮影・・・と,車を停める場面はいくつもあります。しかしどこにでも停められるというわけではありませんね。頭を下にした状態で,かつ他の車のルートの邪魔にならない場所を探しつつ走行することになります。

コンボイの時には,前後の車のことを考える

 数台でコンボイを組む場合があります。余り大きなコンボイは,身動きがとりにくくなります。経験上は3台もしくは4台が適切かと思います。そして必ず1台は無事で残しておく。走行順は経験が豊富でルートどりができる者が先頭,その次に経験が多い者が最後尾を走るといいと思います。

 前後の間隔は充分にとりましょう。前の車のとっさの動きに対処できることが大切です。ルートは轍を見れば分かります。(轍がたくさんできるようなサンドロードなら,道に迷うこともないでしょう)これから越えようとする砂山の向こう側では前の車がスタックしているかもしれません。いつでもどこでも車を停められるよう,常に目を配るべきです。

 スタックしたり,所要ができた時のために,前後での合図を決めておきましょう。モバイルが使えるエリアであればモバイルで充分です。「ヘッドライトをパッシングさせる」「ハザードランプを点灯させる」「窓から手を出す」といった簡単な合図もあれば,発炎筒をたくといった大げさな合図も必要な場面があるかもしれません。

 常に前後の車のことを考えた走行が必要ですね。

自信がなければ,車を停めて自分の目で確認する

 山の向こうが見えない,砂が柔らかそうだ,どちらに向かえばよいか迷った・・・など,走行に自信がない場合は,必ず車を降り,自分の目や足で確かめましょう。自分の技術以上の場面に出会い,大きなスタックをしてしまって夕暮れをむかえてしまうこともあります。プロならばまだしも,夜間走行は非常に危険です。最悪の場合,日が沈みきる前に,スタックした車を砂の中に置き去りにしなくてはなりません。以前,スタックした車を置き去りにし,後日探しに行ったら砂が積もってしまって,見つけるのに非常に苦労したという話を聞きました。なにせ目印がないのが砂漠。こんな経験はしたくありませんね。そういえば,砂の中から車の天井板だけが見えていた,という場面にも出会ったことがあります。自分の技術を過信せず,安全走行が第一です。