やめたほうがいいですよ

 

半クラッチ ジャンプ
停車中のエンジンつけっぱなし 下向きでの加速
1台での走行 V字型斜面での下りでの加速
斜面バック下向きでのUターン  

半クラッチ

 回転数を上げようとする半クラッチ,スタックからの脱出で少しずつ廻そうとする半クラッチ・・・。とにかく半クラッチはトラブルの元となるだけ。ずいぶん昔,免許を取ったときには先生から「ダッシュボードに置いたコップの水がこぼれないようにスムースにつなぐようにしなさい。半クラッチでも使って」と教えられたこともありました。砂漠の師匠は私にこう言いました。「クラッチをつなぐショックや壁を登るショックと,スタックするのとどちらがいい?」  ・・・砂漠の師匠の言うことを聞きましょう。

 スタック脱出で4Lモードにした時,半クラッチを使えば2,3秒で焼けてきます。5秒も使用したら煙が出ます。そしたら終わり。下手したら2台も3台も使っての牽引しか方法がありません。「ガン」というショックがあっても構いませんからさっとつなぎましょう。逆に脱出の際にはクラッチをつなぐショックでタイヤを浮かせるテクニックもあります。日常のドライビングの際から,クラッチをカチッとつなぐ癖をつけておくといいと思います。

 斜面を下る時も同様に,クラッチはつないだままにします。エンジンブレーキを効かせながら下ることを心がけましょう。時と場合によっては,ブレーキを踏んでタイヤの前に砂山を作ってしまうより,エンストで止まった方が,その後の脱出が容易になります。それくらい,半クラッチは禁物だということを肝に銘じたほうがいいと思います。

 

ジャンプ

 個人的な体験を言えば,1.5m程度のギャップを超えるのがずっと苦手でした。車より長いような斜面は車全体が斜面に降りても余裕があるのですが,その前に前タイヤがついてしまうとショックが大きくなるような気がして,どうしても躊躇してしまっていました。実は初期に1m弱のギャップをジャンプした経験があり,それがトラウマになってしまっていたようです。あまり周りを見渡さず,大きなギャップだけに気をとられていた時期,気づいたらガクッと前タイヤが落ちてしまう。当然うまく減速はしていませんから,少しジャンプしてしまいます。着地と同時に車中のものは宙に浮き,頭を天上で打ち,カップホルダーのコーラは飛び散り,車は安定性を失います。つまり簡単なパニックになります。これではうまく走行できません。ギャップに対しては,とにかく慎重になった方がいいですね。

 目の前に小さなギャップやハンプスが現れたときには,強くブレーキを踏み,ギャップ等にタイヤが当たる前にブレーキを話します。するとグンと縮んでいたサスペンションが逆にグンと伸びます。つまりギャップ等に対する余裕が生まれるわけです。もちろん車の性能によりますが,多少ギャップ等からのショックはやわらぎます。

 一度「亀」になってしまった斜面を乗り越えようとした場合,つい加速をつけすぎてしまいます。そんな場合もジャンプしてしまいます。向こう斜面,つまり下り斜面にタイヤがついたとき,ブレーキを強く踏みすぎると,お尻が浮き上がってしまうことがあります。スピードがついている場合,立てごけ。着地と同時にアクセルを軽く踏んでやると,車は前方に進み,お尻を上げずにすみます。もちろんその後は,丁寧にブレーキングします。

 ジャンプはサンドドライビングへの余裕度と関わります。場数を踏んで,少しでも危険が少ない運転を心がけましょう。

 

停車中のエンジンつけっぱなし

 頭を下にして車を停車します。その際に,なるべく早めにエンジンは切りたいものです。エンジンオイルが偏り,エンジンを焼いてしまうことにもなりかねないからです。夏などはクーラーを切りたくありませんね。そんな時は,平らで砂が固い場所を探すしかありません。仲間の車を助ける時も,自車の安全を考えないと,次は自分が牽引される番となってしまいます。

 

下向きでの加速

 斜面を下る時,エンジンブレーキを効かせ,丁寧に走行します。基本は斜面に対して垂直です。しかしすり鉢状斜面を走り抜ける時や,尾根を越えた時など,加速したり,斜めに走行したりすることはあります。忘れてはいけないのは,下向きの加速は車の安定性を失う危険性が高いということです。また,着地時の前外側のタイヤへのショックも考慮しなくてはなりません。空気を抜いたタイヤが衝撃を受けながら着地した場合,ゴムがリムから外れてしまいます。下りの場合にはとにかく基本に忠実に走行するのが安全ですね。

 

1台での走行

  プロのドライバーは1台で砂漠に入り,スタックした場合も一人で対処します。しかしその裏には何年もの経験があることを忘れてはいけません。どこでどうなるかということについては,やはり「プロ」なのです。私の師匠は砂漠ドライビング10年以上のベテランですが,若い頃は何度も転倒したと言っていました。その経験があってこそ,自信を持って客を乗せて走れるのですね。その師匠の言葉にはいくつも感動しました。「勇気があればどこでも行ける」「目に見える所,どこでも行ける」「ナビゲーションシステムやGPSなどいらない。砂漠の草を見れば方向が分かる」・・・。これらが自信を持って自分で語れるまで,1台での走行はやめましょう。

 

V字型斜面での下りでの加速

 U字型斜面では向こう斜面を上るための加速が必要なことがあります。しかしV字型になっている場合,加速をすることは車を傷めるほかないように思います。V字型のボトムではシャーシに加わる力は半端なものではないからです。また,前後バンパーを打つ可能性もあります。これは車を停める原因にしかなりません。

 下りに入ってV字型であることが分かった場合には,ボトムへの進行を斜めに取り直します。そしてゆっくり下り,片方の前タイヤがついたと同時に加速をし,V字に沿って加速をします。逆円錐上の場合には,円錐の大きさにもよりますが,円錐斜面を回転するつもりで車を動かします。車が入りきらないような逆円錐の場合,少しでも幅がとれるような位置に前タイヤを着地させ,同時に上昇加速をつけるつもりでアクセルを踏むしかないでしょう。ショックは大きいですが,前後バンパーで支えられて宙に浮いてしまうと,その後の自力脱出は難しいと思います。

 アクセルを踏むタイミングがずれると,危険な状況を引き起こします。下りはゆっくりと,が基本です。まずこれに忠実にいきたいものです。

 

斜面バック下向きでのUターン

 斜面を上りながら停車したあと,斜面途中でUターンをはじめてしまうことがあります。つまり斜面途中で車体をわざわざ横向けてしまう。頭が下を向こうとするタイミングで転倒が考えられますし,横向きでトルクを失い,スタックしてしまうことがあります。横向きで止まってしまった場合,牽引が非常に難しい。少しでも車が下向いている方向から牽引するのですが,牽引のショックと同時に車体が下方向に揺れます。ショックが大きい場合,そのまま転倒させかねません。そのときには下から牽引している車にも被害が出てしまいます。

 上りながらの停車の場合,かならず斜面下までまっすぐ下りるよう心がけましょう。そしてお尻が上を向くまで,走行し続けるのです。わざわざ自分から不安定で危険な状態を引き起こさないよう,かならず斜面を自分の目で確認しながらバックしましょう。