Al Khatim 生き物がいる。確かにいる。

 

夕日に映し出される砂漠。

静かに流れる砂。

この乾いた世界にも確かな命の証があるのです。

 デューンを超えると,一面に緑が点在する風景に会うことがあります。小さな緑の点。近くに寄るとそれらは,草の芽なのです。

 これから何日生きるのか,何年も根を張るのか分かりません。

 しかしこれから上に伸びようとする命が点在しています。

 

 親指の頭くらいの葉をつけた草の根元を掘ってみました。驚いたことに,15cmも掘ると,砂は湿っています。そしてその湿った砂に届くように,根は20cm以上も深く続いていたのです。

 馬の赤ちゃんはすぐに立ち上がります。天敵から逃げられるようにですね。砂漠の草は,根を伸ばします。命の水を手に入れるためですね。

 全ての草が上に伸びられるわけではないでしょう。強い者が生き残るのが,砂漠のルール。

 無数の緑の点も,強い者だけの世界へと変っていきます。

 そしてこれまた多くみられるのが,「足跡」。

左は小動物でしょうか。右は尻尾が長い生き物のようですね。

 夏場の砂の温度は80度を超えます。

 その中でもたくましく生きる「命の証」でもありますね。

 

 これはたぶん,きつねなどの小動物の棲家でしょう。好奇心旺盛な同僚は,足で音を鳴らしたり,棒でつついたりしていました。きっと砂山の上の方で,きつねはその様子を見てたに違いありません。同僚にきつねのたたりなきことを祈りましょう…。

 私は砂漠を車で走るのが好きです。しかし,本当は砂漠は私たちのためにあるのではないのでしょう。

 草,木,小動物,虫…。決して楽に生きられる環境ではないこの砂漠で,強く生きる多くのものたちの証を見つけることができます。彼らにとって,私たちのエンジン音やタイヤの跡は,この上なく迷惑な邪魔者だろうなと思いつつ,また今日も走りに出かけてしまうのです…。