日本での「あれ?」

 日本での生活が戻って,「あれ?」と思う事がいくつか出てきました。私たちが「普通」だとか,「常識」だとか思っていたり,逆に何も考えていなかったことが,少し見えてきたような気がします。

1.空港で見た「あれ?」

2.街中で感じた「あれ?」

3.車を運転しながら感じる「あれ?」

4.国旗と国歌に敬意を払わない国

1.空港で見た「あれ?」

 関西空港に降りて,イミグレーションに向かう通路で,ダッシュをしている人が何人もいました。さらに,バッゲージクレイムに向かっても走り,荷物を受け取っても走っていました。その飛行機は幸いなことに定刻よりずいぶん早く到着したのにも関わらずです。何を急いでいるのか,分かりませんが,空港内での「ダッシュ」これが分かりません。よく考えて見ると,日本への帰国時の飛行機の到着時が,一番込み合っているような気がします。飛行機が停止するかしないかのうちに,我先にと荷物を降ろし,我先にと出口に向かい,さらにはダッシュする。「狭い日本,そんなに急いで何処へいく」とは昔聞いた交通標語ですが,狭い空港をそんなに急いでいるのは,どんなわけがあるのかと思います。

 思うに,車を走らせていても,脇道からほんの少しの狭間を狙って飛び出してくる車も多いし,自分の前に割り込まれると異常に怒りを示すドライバーもいますね。海外旅行や空港で見る日本人の姿も,本質的には全く同じです。もともと農耕民族だから競争心は薄いはず。競争するより共同体の中で譲り合って生きる精神は持っていると思うのです。ところが狩猟民族である欧米の影響を受けてきた結果,うまくは理解できないけれど,ぼうっとしていると負けると思わなくてはいけないかのように,自分たちを洗脳してしまった。その結果,理由もなく人に負けたくないと思ってしまうのではないかと思うのです。もちろん極端な考え方ですが。

 自分たちのまま日本が歩けば,こんな奇妙なダッシュや割り込みは生まれなかったのではないかと,ふと思いました。

2.街中で感じた「あれ?」

 買い物にでかけて,違和感を感じることがいくつかあります。

 まず,人にぶつかっても無言,エレベータに乗っても無言。ほとんどあいさつがないことです。まずぶつかった時。これはまずい。かなりまずいと思うのです。私は癖でズボンの後ろのポケットに財布を入れてしまいます。買い物をしていて後ろからぶつかってきたおばちゃんは,何も言いません。思わず財布を確かめてしまいます。すりならばぶつかった形跡も残さないものでしょうが,やはり「失礼」と断るのが誤解を避けるためには必要。スーパーでトローリーがぶつかっても無言ですね。そればかりか,何処見てんのよと言わんばかりの怖い顔をする。お互いに「失礼」と言えば,どうってことないのに,その口を開くのさえ億劫なのでしょうか。

 エレベータに乗って沈黙に耐えられない気持ちになったことはないでしょうか。こんな話を聞いたことがあります。古来より侵略や民族紛争が多かった欧米では,「自分はあなたの敵ではない」と示す事が,身の安全のために重要だったということです。だから,武器を持っていない,あなたに敵意は持っていないと示す手順が要るのです。エレベータに乗り込んで「Hello,How are you?」と声を掛け合うのは,その一つであるという事です。アブダビでフラットのエレベータでは近所のクリーニング屋のおにいちゃんやグロッサリーのおっちゃんとよく一緒になりました。一人として無言で乗り込む人はいません。ローカルのおっちゃんはさらにいろいろな質問をしてきたり,身の上を話し始めたりしました。帰国して宿泊したホテルでは早速無言の洗礼。怖い顔をして階を示す数字をにらんでいます。「こんにちは」と声をかけようとする気持ちも,瞬時に萎えてしまいました。

 他人に基本的に敵意を持たない,という日本人の美徳なのか,コミュニケーションさえ億劫な臆病な姿勢なのか,よく分からなくなります。

3.車を運転しながら感じる「あれ?」

 帰国して何年か経とうとしていますが、いまだに慣れない、というか、いらいらして仕方ないことがあります。

 車を運転しながらいつも感じるのですが、皆さんウインカーランプを出すタイミング遅くありませんか?古い記憶をたどれば、たしか交差点の30m手前でウインカーを出すように習ったはずですが、どう考えてもそんな手前から合図をしてくれるドライバーがいません・・・。直進路を走っていて前の車がブレーキを踏む。どうして踏んだか分からない状況で踏まれる。特に前方がふさがっているわけでもなにのに、急にブレーキランプがつきます。そしてハンドルを切ると同時にウインカーランプが点等しだす。そんなことしょっちゅうでしょ?たいていは道路の真ん中でブレーキを踏んでいるから、左右どちらに回避していいか分からない。ブレーキを踏む理由はドライバーしか知らないから、後続の私としては、急ブレーキを踏まれたのとおなじ状況になるわけで。

 バイクに乗ることも多い私は、何度左折の車に巻き込まれそうになったことか・・・。ひどい場合には、左折するのに右に大きくふくらんでからハンドルを切る車がいるので、ウインカーも出していないからてっきり右折するものだと思っている。車の左側を抜けようとすると、急にウインカーを左に出してハンドルを切ってくる。こっちとしては急ブレーキですよ。

 アブダビではウインカーを出さないで曲がるのは日常でした。そこで私も真似をしていたら、先輩から「日本に帰ってから困ることになるから、そんな運転に慣れてはいけないよ」と教えられて、実に丁寧にウインカーをだしていました。そこで帰国してみたら、きっちりしていたはずの日本でもひどい状態で・・・。アブダビでは日常的だったものが、日本で日常的かというとそういうわけでもない。自分の都合だけで「急に」出すから余計にたちが悪い。そんな感じがしてしかたないのです。

 エジプトでも基本的に車線変更も右左折もウインカーは出していませんでした。エジプト人によると「ウインカーを出して運転していたらエジプト人じゃないと思われる。そしたらなめられて次々と前に入られるし、余計に運転はしにくくなるし、混乱を招くんだよ」と話していました。日本人もウインカーを出すと「なめられる」と思っているのでしょうかね?この実に中途半端な姿勢にいらいらしてしかたないのですが、私だけなのでしょうか????

4.国旗と国歌に敬意を払わない国

 最初に言っておきますが、右だとか左だとか、そんなことはどうでもいい。そういうカテゴライズしてからしかものが語れない狭さこそが問題だと思っています。右だ左だと判断した時点で、相手の話の核が何かを探る努力はやめてしまいますからねえ・・・。

 2006年9月21日に東京地裁では東京都教育委員会が出した「国旗に向かって起立し国歌を斉唱する義務」を通達したことに対する裁判の判決が出されました。「違憲である」と。国を左右する教育に携わる者が訴訟を起こし、司法が違憲との判断を下しました。この現実に「あれ?」と思わずにはいられませんでした。

・国旗、国歌に対して誇りを持たず、否定する姿勢が正当であると主張することに対する違和感を感じました。

・国旗、国歌を軽んずることが認められて大喜びする教員と元教員の姿に違和感を感じました。

・「主義・主張をもつ人の思想、良心の自由」を認めたらしいのですが、本当にこれは「思想の自由」なのでしょうか?「全員がこう思いなさい」とすることはいけませんが、国民が国に敬意を表しなさいということに対する姿勢を否定する発想を「何でもあり」と認めてしまってよいのでしょうか。裁判所のレベルで。ボクシングにしろ何にしろ「何でもあり」の風潮が今の日本には強いですからねえ・・・。

・そもそも、国旗や国歌に対して「義務」を課さなければならないという通達が出たということは、それほどないがしろにしてきたということ。そういう国民としての意識のありかたは日本の衰退とダブる気がします。

・「国」「国家」「国民」「愛国心」・・・といった言葉に対して、恐怖感を抱いている人が多くいますね。「戦争がまた起きる」と。戦後60年をかけて腑抜けにされてきた日本に、どこの国と戦う力があるというのでしょう。その腑抜けにしてきた人達は、さらに日本という国を内部分裂させて弱体化させるつもりなのでしょう。もしかしたらそういう「社会指導」みたいなことを行っている勢力や圧力があるのかもしれませんねえ。国民を一致団結させることは軍国主義に走ることだ、とステレオタイプにプロパガンダし、とにかくばらばらにしたがっている。日本国民が一つの方向を向くと、「やばい」と思っている力があるのでしょう。日本を解体すれば、自分を守ることができる国は、いくつかありますしねえ。手先として踊らされた教員たちは、こうして少しずつまた日本を蝕んでいくのでしょう・・・。

 国旗、国歌に関する議論は、ほんの氷山の一角にすぎませんよね。60年かけて崩れてきた日本の国。その根元にあるのは、そんな単純なことじゃない。しかし「この判決を武器にして、これからも戦っていきます!」と意気込んでいた教員や弁護士の方々が意気込んで教育等に向かうと思うと、「あれっ?」と思ってしまうのです。

 在アブダビ日本国大使館の玄関中央にある日の丸は誇らしげでした。国際エキビジションでホール前に並ぶ国旗の中に日の丸があると、よしよしがんばってるね、と思ったものでした。うちのうらの学校では毎朝国歌が演奏され、学校生活が始まります。自分のアイデンティティのありかを示しているのだなと感じたものです。

 日の丸の変わりにドラえもんの絵でも描いておけば「戦争を彷彿させる」と騒がないのでしょうか?・・・・なんだかなあ、日本はどこに行くのでしょう・・・?