ARJAN 落ちていく陽を求めて

 ある日,先輩に「夕日の写真を撮りに行こう!コントラストがきれいだし・・・」と誘われて出かけました。

ARJANはアブダビから100Kmちょっと離れた砂漠地帯。

そこで撮影したのが,次の写真。

確かにきれいでした。どこまでも続く砂漠に沈む夕日。コントラストは次第に濃くなり,風は涼しくほほを撫で,

音は砂の流れる音だけ。太陽は赤く,大きくなっていき,次第に周囲の空を橙に染めながら隠れていきます。

そして空だけでなく,砂も赤く染めながら,最後は漆黒の闇へと変化していきます。

こんな世界は見たことがなかった。「本当の色は街にはない」なんてCMがありますが,それはとてもよく分かりました。

 

と,ここまではいい感じ。

ここからが大変。なぜって,街から100Km離れたここARJAN。幹線道路からも30Km程度奥に入っています。

そこで夕日を見るということは,見た後は真っ暗闇の中を帰る,ということにに気づき始めたのです・・・。

この写真を撮影したのは,砂漠の中を走り始めて何ヶ月も経っていない時。ましてや暗闇の中を走る経験など

ありません。

「おいおい・・・」と心の中でつぶやきながら(先輩には言えませんから・・・」車に乗り込みました。

案の定,3台のうち1台がスタック。時間は8時ころでした。

押せども引けどもくぼみから出られず・・・。だれもが「これは置いて帰ろう。またいつかとりに来よう」と言い出すのを

待っていました。こういう開き直りが大事なのでしょうか。そう思った瞬間脱出。無事幹線道路にたどり着いたのです。

 

たどり着いて一息つけば,空には満点の星。星が近い!と素直に感じました。

その後,暗闇の中を自分の車の灯りだけで走ることにも慣れました。しかしこの時の「夕日もいいけど,おいおい・・・」という

気持ちは忘れることはできません・・・。