2002/6/29
おっかなビックリ 25年ぶりのバイク

旅をするなら歩くのが一番いい。でも、仕事があってはそれだけの時間を割けない。
じゃ、自転車? う〜ん、これも行動半径が限られてしまう。
結局、旅のお供はバイクにした。
高校時代も、学生時代も、社会人になってからもバイクでフラフラ旅をするのが好きだった。自動車じゃ目的地に着くまでの過程が苦痛でしかない。
過程を大切にするなら、土地、土地のにおいも、流れる空気も感じられる、天候も肌身で味わう事ができる、そんなバイクがいい。

安い買い物じゃない。収入は薄いし。1ヶ月くらい悩んだ。
その内、今しか旅に出る時はないような、そんな気がしはじめた。

バイクの納車日。大型のバイク専門店の前には、大安という事もあってか、納車されるバイクが何台かあった。
僕の前に納車される人達を見てみると、不思議なことに中年のおっちゃんばかりだった。
「あれ〜???」という気持ちと「やっぱり」という気持ちが入り交じった。
きっと、みんないい年になって気がついたんだ。仕事、家庭とは違う、大切なものに。
少しうれしくなった。 まだまだ、オッチャン捨てたもんじゃないな。

僕の前に納車されるオッチャンが、黒いアメリカンバイクにまたがった。
どうやら僕と同じように、随分とバイクに乗ってなかったとみえて、オッチャンはどこか とまどい気味で自信なげに見えた。
おっちゃんが、いざ、走り出した。不安定にジグザグ描いて。
「あ〜っ、ちゃんと家に帰り着けるんかな〜」 

他人事ではない。自分の番がやってきた。
前のおっチャンより、えらく短い説明しかしてくれないで、「早く、のってけ!」とでもいうように店員さんからバイクをわたされた。
こちらだって、早く乗りたいのはヤマヤマなんだけど、心の準備がまだなんだよね。
手だって少し震えだしたし。
それでも、バイクにまたがってしまったら、もうやることないじゃん。
走り出すしかない。
店員さん、まだ話そうよ。 話し忘れた事ない? まだ心の準備がね〜.........
おーマイガット!!
僕もやっぱりジグザグ描いてソロリと走り出した。


走行開始後、10分程で昔の走行感覚を取り戻してきた。
それと一緒に、昔の感性が戻ってきた。 風を受けて走る爽快感、開放感。
よかった、ほんとに。 この感性を無くしてしまってるんじゃないかって心配だったんだよな。
これなら、きっといい旅が出来そうだ。

僕は、タンクをなで撫でしながら、家路への短いツーリングを楽しんだのでした。
バンザ〜イ バイク君