わりとよくある女子大学生的日常

           
さぼさぬけ

 ジャンジャンバリバリ生きてますか。私は最近どうも覇気が無くて、やや落ち込み気味の下降曲線です。
 また今年も冬が終わって春が来てしまったものですから、厚手のタイツにサヨナラを告げて薄いストッキングを履くような事態に陥ってしまうのです。
 もう、最低ね、ホント。
 何が最低ッて、むだ毛処理。冬場ならどうせ見せる相手もいませんからね、伸び放題の野ざらしで、上からタイツとブーツで完全防備な体勢ですよ。けど、ストッキングじゃそうはいかないじゃない。
 奥にしまい込んでおいた機械を引っ張り出して、刃を付け替えて。覇気なんて全くないくせに、毛を剃る時だけジャンジャンバリバリ轟音立てて。
 もう、パチンコマンみたいな気分で。
 本当、やってられません。
 綺麗なお姉さんは好きですけどね、私だって。でも、私が綺麗なお姉さんなわけじゃないですからね。落ち込みもしますよ。綺麗なお姉さんになるべく頑張っているのか、仕方なく何かを取り繕って生きているのか、その境界線があるとしたら、私は間違いなく後のほうですものね。
 どうしてこんなにめんどくさいんだろ。女にとって生きていくということはむだ毛との戦いだなって、ほんとそう思う。
 むだ毛のためにお金を使って、エステやら脱毛やらカミソリやらなにやら。これがホントの無駄遣いってやつだよねえ。毛を剃ってジャンジャンバリバリいわせるよりも、パチンコでばりばり玉を出しておきたいわ。
 むだ毛のために生きてる私って、人生無駄にしてるよねえ。剃っても剃っても生えてくる、もう、仁義なき戦いどころじゃないよ。生えてたら生えてたで厄介で、剃ったら剃ったでちくちく攻撃するし。そうしてジャンジャンバリバリと戦い続けて、やっとむだ毛が生えなくなったら、もう女としての人生は終わってるわけだし。
 むだ毛を剃るために買ったカミソリで、いっそのこと無駄な人生を刈り取ってしまえれば楽なのにね。
 ま、そんな思考も無駄なわけで。棟方志功なんて連想するわけで。誰だっけ? それ。
 人生は限りなく変わらなく曲線を描いていく物で。スリーセブンなんて滅多に出ないワケなんですけれども。多分私のような人生には一生縁がないんでしょうけども。
 それでも生えてくるむだ毛だけが、私の生きてる証だったりするわけなんで。とりあえずこいつらと共存する方法を探るべく、私は今日もジャンジャンバリバリ励むのですよ。

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