サッポロラガー

麦芽、ホップ、米、コーン、スターチ。アルコール分約5%。北海道開拓時代からという、赤い星マークが目印で、熱処理を加えた伝統の逸品。

 日経産業新聞99-1より。商品化から123年目(1876年以来)を迎える日本最長寿。赤い星印は創業時に同社がトレードマークにしていたもので「赤星」とも呼ばれる。ほぼ全量が業務用ルートの販売で一般酒販店では手に入らない。「ラガー」とは熟成、熱処理などの意味。キリンビールが「キリンラガー」を生ビール化したため、スタウトなど特殊なビールを除くとサッポロラガーが唯一のラガービールとなった。現在の年間販売量は百万ケース弱(1ケースは大瓶20本)だが、最盛期の1960−70年代には5千万ケース以上を誇った。しかし、鮮度競争に入った80年代、生への切り替えが進んだ結果、サッポロラガーも指命を終えた。

 「これまで何度も生産中止の対象になった」とブランドマネージャーの立山正之営業部担当副部長は話す。だが生産中止の話が出るたびに小規模料飲店を中心に「生産をやめるなら他社製品に切り替える」など存続を求める声が相次いだ。缶ビール全盛時代にかかわらず、サッポロラガーは瓶のみ。99.9%業務用ルートの販売で、消費者が手に入れようと思ったらケース単位で注文しなければならない。販売数量はここ数年、前年比2割減のペースだが、「採算ギリギリの50万ケースまで続ける」(立山氏)という。

 ビール業界ではコスト削減が重要な経営課題となり、販売減に悩むサッポロが昨秋掲げた「選択と集中」にやや矛盾するとの見方もある。しかし。サッポロラガーは「古くからのユーザーとのつながりを大事にしたい」という同社の生真面目さを象徴する商品とも言える(江村亮一 記より抜粋)
・・・東京・千代田線 根津駅近くの「くしあげどころ・はん亭」ででてきたのでびっくりしました。特にくせもないので飽きずに飲めるビールでした。
・・・尚、「ラガー」の定義については、Sakamaki氏から以下のコメントをいただいていますのでご紹介します。

日経産業新聞の記事が、かなりの誤解に基づいた記事なので注釈させてください。

まず、「ラガー=熱処理」というのは、明らかに間違いです。
「ラガー」とは、広義には下面発酵ビールのことで「エール」の対義語です。狭義でも 「下面酵母を使って低温で熟成させたビール」くらいの意味です。つまり、(酵母のはた らきを止めるために)熱を加えようと濾過しようと、どちらも「ラガー」です。ですの で、「生ビールだからラガーではない」というのもまた間違いです。

キリン・ラガーに書いてある「熟成・貯蔵」は、確かに間違いではありません(もっと 正確には「横たえる」という意味です)。しかし、キリン・ラガーの名づけ方が大雑把す ぎたのがこの手の誤解の元凶ともいえます。せめて「ピルスナー」と名づけてくれれば …。

また、「スタウト」が「特殊なラガー」のように書いてあるのも誤解です。「スタウト」は「エール」のひとつのスタイルですので、そもそも「ラガー」には分類できませ ん。

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