サントリー モルツ

モルツ

アルコール分約5%。1986年発売。麦芽100%ビール。一定の大きさ以上の粒選り麦芽がけを厳選したピルスナー麦芽を使用、華やかな香りと穏やかな苦みはチェコのザーツとドイツのハラタウ産のアロマホップが引き出していた。 そして、1992年中身、デザインを一新。ターゲットを30代にしぼった営業戦略に出たがその結果は???
1995年にラベルを変更。このラベルが黒ラベルのラベルに似ているとサッポロから提訴されたこともあった。1996年ビールの泡を長持ちさせる技術を開発。CMもとんねるずと鈴木京香を起用したソフト路線に変更。宣伝のサントリーが復活し、ビールの売り上げも伸びてきた。
1999年デザインと味をリニューアル。特に麦100%を強調した広告戦略をとる、結果は如何に?


2000年2月。4回目のリニューアル。仕込み水を天然水に切り替え、製品設計も変更。麦芽などの原料や酵母は変えないものの、発酵度を下げて麦汁のうまみを残すとともに、ホップの添加時間を短縮して苦みを抑えた。「後味として口の中に残る雑味が消え、スッキリとした味わいになった」(山田真二ビール事業部部長)とか。同時に、パッケージデザインも「スッキリ感を出すため、ラベルの金色をやや薄くした」とのこと。サントリーは今回の仕込み水の切り替えに設備投資額も3工場で17億円をかけた。主力ビールのモデルチェンジは顧客を失う恐れもあり、「仮に味をマイナーチェンジしても公表しないケースが多い」(大手ビールメーカー幹部)が、サントリーは「下位メーカーの強み」(山田部長)を生かしモルツ進化論を積極的に唱える。[日経産業2000.3.16]。・・・サントリーだからできることであり、残り大手3社が主力ビールの設計変更をする時はいわゆる「社運をかける時」である。みての通り、この14年間でデザインも4回変更しており(残念ながら初期の写真がありません)、各社の主力ビールの中ではよく変更をするという意味で特殊な位置づけにはあるが、当初から、麦芽100%にこだわってきたコンセプトは評価したい。現に、2000年に各社が麦芽100%の新製品を出した中でも、着実に売り上げを伸ばしてきている。

2002年版モルツ
最近味が落ちたような気がします。筆者自身の体調や年齢のせいかなと思っていたのですが、周囲の複数の情報からも同じ様な 声を聞きましたので、どうやら間違いないようです。味は薄く、抜けたような味で、苦みが薄いせいか深みがなくなっているように思います。技術は進歩しているのでしょうが、出来映えから言えば、サントリーの昔の軽い味のビールになっているかなと思ってしまうくらいです。やはりモルツと言えば、80年代に登場したときの印象が強いのです。

2003年版
7月より使用天然水の水系を表示。写真の「天王山・京都西山水系」は京都ビール工場(京都府長岡京市)、「丹沢水系」は武蔵野ビール工場(東京都府中市)となる。サントリーは、消費者に素材や原料にこだわる人が増えているとみて、新デザイン缶でモルツの素材へのこだわりを強調することが狙い。

2004年版
2004年春に味とデザインを大幅に刷新。水へのこだわりを強調。新たな酵母管理技術を導入し、麦芽のうまみを引き出し、壮快な後味に仕上げた。 利根川ビール工場は赤城山水系、九州熊本工場の南阿蘇外輪山水系。


2006年版モルツ
2006年3月14日刷新。麦芽、ホップ。アルコール分約5%。独自技術でしっかりしたうまみとスッキリとした後口を両立した。発売20周年めの新モルツは、麦芽に含まれるえぐみなどを可能な限り除去する麦芽分画技術を採用し、後味を改善した。麦芽の中のうまみ成分の多い胚乳部分のみを使用し、うまみを引き立たせた。また、北米産ホップを使い、ホップ由来のさわやかな香りも引き出した。2000年から商品の特徴として全面に打ち出している天然水100%仕込みは継続する。100mlあたり:エネルギー42kcal、タンパク質0.3〜0.5g、脂質0g、糖質3.6g、食物繊維0〜0.1g、ナトリウム0〜7mg。・・・苦味とコクがしっかりしていて、以前に比べおいしくなったようです。麦芽臭が少し残るがこれもまたよし。なぜか発売当初の味に近づいたかも。

2007年版モルツ
2007年4月10日刷新。麦芽、ホップ。アルコール分5%。うまみ成分が豊富とされる二条大麦麦芽の配合割合を高め、コクを出した。煮沸時間を従来より長くして麦芽のうまみを十分に抽出。1986年に発売した初代モルツのように一貫して「麦芽100%使用」を全面に打ち出した。パッケージにはゴールドとアイボリー色を採用し、麦芽を強調したデザインにした。100mlあたり:エネルギー42kcal、タンパク質0.4〜0.6g、脂質0g、糖質3.6g、食物繊維0〜0.1g、ナトリウム0〜7mg。プレミアムモルツは好調だが、スタンダードタイプのモルツが、スーパードライや一番搾りなどに水をあけられており、刷新で巻き返しを図る狙い。

モルツ<黒生>
2003年発売。麦芽、ホップ。アルコール分約5.5%。 ・・・飲んでみましたが、それほど個性は感じませんでした。ただ飲みやすくまとめていると思います。

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