オリオンとアサヒ提携

2001-12-28日経。2002-6-29朝日。オリオンビール(沖縄県浦添市、金城名輝社長)が、アサヒと提携交渉を始めた。沖縄県内のシェアはビールが75%、発泡酒が30%(キリンに次いで2位)、合計54%ではあるが、最近大型量販店が急激に増えたことで、大手ビール会社の銘柄が数多く店頭に並べられたことが、売り上げを圧迫してきたという(金城社長)。今後、本土復帰措置の酒税軽減がなくなると経営が一層厳しくなると予想され、同措置の先行きを政府・与党と折衝する中で、大手を組んではどうかという話が出てきた。アサヒはオリオンビールが大手にのみ込まれないような形での提携に理解をしめしたとか。
具体的にはアサヒから技術的な支援を受け、オリオン製品の質の向上を図り、アサヒの販売ルートを使って全国販売するといった構想もある。また、アサヒもコスト的に有利な場合、オリオンの工場でアサヒ製品を生産するという可能性もある。
その第一弾として、オリオンはアサヒえお共同で新たな発泡酒の開発を始めたと発表した(6/28)。来年早々にもオリオンの工場で生産・出荷、沖縄県内限定発売となる。両社は4月に包括的な業務提携をし、生産や販売、流通面での協力を確認した。

地ビール醸造所5月末で287ヶ所

日経2002-6-10。全国地ビール醸造者協議会(東京、121社参加)によると、昨年に事業撤退や休業に追い込まれた地ビール醸造所が過去最多の22ヶ所で、2000年の14ヶ所を上回った。新規参入は9ヶ所にとどまり 2年連続で撤退・休業が新規参入より多かった。昨年末時点で発泡酒を含む醸造所は288ヶ所。今年は5月までに 1ヶ所減った。

サントリー発泡酒を集約

日経2001-11-15。サントリーは、発泡酒の「スーパーホップス」「風呂あがり」の生産を11月で 中止する。既に出荷した分を含めて酒販店などの店頭では年内に販売が終了しる見通し。これにより、 通年型の「マグナムドライ」と「ダイエット」と季節商品の販売に注力する。・・・当然の判断だと思います。恐らくサッポロもいずれそうするでしょうが、それをすばやくできないサッポロはやっぱり問題ですね。

発泡酒増税反対の電子署名募る

日経2001-11-14。ビール大手5社が設立した「発泡酒の税制を考える会」(佐藤安弘会長)は、 13日にホームページを開設。消費者がパソコン画面から増税反対の意見を入力できる電子署名を始めた。反対署名は400字以内で入力する仕組み。発泡酒にかかる酒税は350ml缶で約37円とビールの約78円より40円も低い。昨年に旧大蔵省(現財務省)が税率をビール並に引き上げる案を示したが、業界が反対して先送りされた。今年も自民党税調が引き上げを検討するなど水面下で議論が始まっている。昨年は発泡酒を発売していなかったアサヒとキリンなど4社の対応は分かれたが、今年はアサヒが最後発で市場参入したことから、大手5社で共闘を組むことになった。
参考:発泡酒増税反対
   発泡酒増税案が浮上
   「大手4社が発泡酒連絡協議会を発足」
   「酒税のからくり」のはなし

高知県、アサヒ発泡酒で抗議文

朝日新聞2001ー2月。アサヒが発売する富山県産の海洋深層水を使った発泡酒「アサヒ本生」をめぐり、高知県が「商品開発を提案し、独自の研究データを提供したのは高知。富山県産を使用するのは道義上問題」と、橋本大二郎知事名の抗議文を、樋口広太郎・アサヒビール名誉会長に郵送した。高知県は1999年10月にアサヒビール側にビール製造研究を提案、昨年1月末に開かれた試作研究成果報告会には県職員5名が参加。同社側は「直ちに商品化するとは言えないが、新製品のカードとしてストックしておきたい」と話した。その後、同社は県に連絡もないまま、深層水を使った発泡酒づくりに関する特許を出願、さらに、「アサヒ本生」には富山県産の深層水を利用することがわかった。「アサヒ本生」は発酵に必要な栄養分が多い深層水を使って「発泡酒特有のにおいや雑味を取り除いた」ものとか。・・・この事件のあと樋口名誉会長と橋本知事との話のなかで、今後も協力しあうことで一件落着したとか。

99年世界のビール消費

2000-12-23日経。キリンビールが「99年世界主要国のビール消費量」を発表。世界で消費したビール(発泡酒を含む)の量は約1億3242万klで前年に比べ約2.4%増加した。14年連続の増加。東京ドームを容器に見立てて換算すると、約107杯分に相当。ただ日本は個人消費の低迷で前年比0.4%減となった。 特に伸びを示したのが2位の中国(前年比5.7%増)と8位のロシア(同13.6%増)だった。

国別ビール消費量
順位国名生産量万キロl前年比伸び%
1米国23001.8
2中国20745.7
3ドイツ10460.1
4ブラジル788-3.3
5日本715-0.4
6イギリス5890.1
7メキシコ4944.3
8ロシア382 13.6
9スペイン271 2.6
10南アフリカ261 2.0

国民一人当たりの消費量では、チェコが7年連続の首位。大瓶換算で254本と、25位の日本(大瓶89本)の約3倍となった。2位はアイルランド(同241本)、3位はドイツ(同201本)となっている。
地域別にみると、中国の伸びに牽引され、日本を除くアジアが前年比5.0%増と高い伸びを示した。東欧諸国の経済の安定化が寄与した欧州が同3.4%増、好況が続く北米が同1.8%増と、ビールの成熟市場でも伸びが見られ、世界の消費量を押し上げた。

発泡酒増税反対

日経2000-11-7。政府内で発泡酒の税率引き上げ案浮上している問題で、キリンなど大手3社は6日そろって増税反対を表明した。1996年の増税を乗り越え、低価格志向と企業努力で新たな「発泡酒ブーム」を生んだ経緯があるだけに、「安易な増税にはメーカーも消費者も納得できない」と強く反論している。
キリンビール 佐藤安弘社長
「ビールに似ているという安易な理由の増税には断固反対」
サントリー 鳥井信一郎社長
「前回の増税後、メーカーは開発努力を重ねた。増税は消費者の利益に反し、企業努力も無に帰する」
サッポロビール 岩間辰志社長
「発泡酒はビールにない商品価値が消費者の支持をp得ている。増税は新たな大衆飲料の芽を摘む」
来春の参入を決めたばかりのアサヒビールは表向き音無しの構えだが「計画通り発売する」としている。年末に向けて業界の反対の声が強まるのは必至だ。
・・・サントリーやキリンを中心として、税率のもっとも安い麦芽比率で消費者に受け入れられる「味」を追究してきた結果が、発泡酒を世間に根付かせることになったわけであり、この企業努力を安易に増税で踏みにじることになります。ただ、あまりにビールっぽい発泡酒が出回ったことが、ド素人の政府や官僚の連中には安易な「増税」の発想を生んだことも否めません。まあ、個人的には発泡酒はあまり飲みませんが、もし増税となった場合は、消費傾向ががらっと変わるでしょう。ただ、確実に予想されることは、世間のビール離れが続いている以上、発泡酒を増税しても税収は伸びないということです。たまには賢明な官僚や政治家の登場を望みます。

発泡酒増税案が浮上

日経2000-11-4。政府内に発泡酒の税率を引き上げる案が浮上している。ビールの需要を奪う形で発泡酒の販売数量が伸びており、ビールとの税率格差を据え置くと税収減につながるためだ。販売が好調なワインについても税率の引き上げを模索する動きがある。大蔵省などは自民党税制調査会で検討したうえで2001年度税制改正に酒税体系の見直しを盛り込みたい考え。
発泡酒の税率は原料に占める麦芽の割合(麦芽比率)に応じて3段階に分かれている。
大半の発泡酒の麦芽比率は25%未満でビール(麦芽比率67%以上)の税金の半分以下になっている。
具体的は増税額などは今後調整する。仮に麦芽比率25〜50%未満に適用している税率に一本化すると約700億円、ビール並に課税すると約1700億円の税収増が見込まれる。増税には消費者やメーカー側の反発が予想されるため、発泡酒の増税分をビールの税率引き下げに回して増減税中立とする案もある。
各地の中小酒造業者などが製造している地ビールについては、販売が低迷していることから、国税庁は出荷数量200klまでの酒税を30%軽減する税制改革を自民党に要望している。
また販売が好調なワイン(果実酒)にかかる酒税も720ml当たり40円68銭と、日本酒(同101円16銭)よち割安なため、税率上げを模索する動きもある。
参考:
発泡酒増税反対
   「大手4社が発泡酒連絡協議会を発足」
   「酒税のからくり」のはなし
・・・まあ、大蔵省の無能さをあらわす典型例でしょう。本当に日本は大丈夫かなと感じます。

ペットボトルの動向

 ペット(PET)ボトルは、酸素遮断性が悪いため、ビールには使用できなかったが、最近新しい技術の導入で実用化に目処がたちつつあるようである。これによって、軽い・割れないビール瓶の可能性が出てきた。日米欧それぞれの状況をまとめた。

キリン、卓上サーバーを限定発売

2000-6-30日経産業。キリンは、7月3日から、家庭向け樽詰め生ビールの卓上サーバーを発売する。商品名は 「どこでもうまい<生>サーバー」で、サーバー、専用の炭酸ガスボンベ5本、樽保冷カバーなどがセット。価格は 7千円(消費税、送料は別)。市販の2リットルか3リットルの樽詰めビールを買って自分でサーバーに組み込む。 商品は1万台限定で、電話やインターネットで発売する。同社の関連商品販売子会社であるキリンアンドコミュニケーションズ(東京・渋谷)がインターネット上にショッピングモールを開設して販売するほか、電話でも受け付ける。問い合わせはキリンアンドコミュニケーションズ 電話03ー3405ー4986。キリンは、今春「一番搾り」の発売10周年を記念し、サーバーなどをセットで贈るキャンペーンを展開。当選者2万人に対し、応募総数は770万口に上った。

キリン、「一番搾り」をコンビニと組み販促

2000-5-5日経産業。キリンビールは、サンクス、サークルK、ミニストップ、ファミリーマートのコンビニ4社と組み、 クロスマーチャンダイジングと呼ばれる手法を用いて「一番搾り」の販促活動を展開する。キリンがテレビCMでタレントの中山美穂を起用した「うまいもの篇」で、「新じゃが」を取り上げてのに合わせ、各コンビニが新じゃがを素材とする弁当や総菜を販売する。ビール売場と総菜・弁当売場に一番搾りの店頭販促広告(POP広告)を掲示し、一部の店頭では総菜売場にビールを置く。一番搾りの販促ではこれまで紀文の「おでん」の具材で組んだケースがあり、このときは販促を実施したスーパーで約2%一番搾りの売り上げが上昇したという。・・・ポテトチップはいかがですかぁ〜。こういう販促手法は過去にも紹介していますが、特に食品については効果的かもしれません。ただ、ビールと新じゃがのどちらに効果があるというと、新じゃがの方に分がいいように思えます。

サントリー、マグナムドライの試飲1500万人!

2000-5-16日経産業。サントリーは5月下旬から発泡酒「スーパーホップス マグナムドライ」の大規模な試飲キャンペーンを展開する。キャンペーンでは同社の営業要員や派遣従業員を動員し、夏祭り会場やゴルフ場、住宅展示場など大勢の人が集まる場所で見本品を配布する。これまで試飲キャンペーンの対象人数は年間500万人前後だったが、今期は3倍の1500万人に拡大する。販促費も昨夏と比べて大幅に増やす方針だ。マグナムドライは昨年6月発売で、同社製品としては最も早いペースで主力製品に成長したが、同社では「ブランドが完全に浸透したとは言えない」(ビール事業部)と話しており、夏の大規模販促でさらに知名度を高める考え・・・最近のサントリーの販促活動はさすがというしかありません。数年以上前に比べて明らかに方針が変わっています。マーケティングが空回り気味の某社さんは是非サントリーを参考にしてほしいものです。

キリン、移動ビール教室稼働

2000-4-28日経産業。キリンは飲食店の従業員向けにビールの上手な注ぎ方などを教える「キリン・ドラフトマスターズ・スクール」の新型トラックを改造した。20トントラックを改造した「モービルDMS(ドラフトマスターズ・スクール)」。荷台が左右に開き約30人を収容できる。改装費を含めて1億5千万円をかけた。同社は98年に出張型のビール教室トラックを投入していたが、荷台が講師の教壇になるタイプで、受講者は外のエアテントで話をきかかければならなかった。モービルDMSは年間百階の出張講習をこなす予定。講習では味わいが良くなるビールの注ぎ方や機器類の使い方、清掃法などを教える。・・・こういう地道な努力がおいしいビールに出会える機会を増やしてくれるでしょう。

アサヒ、7製品販売中止

2000-3-21日経。アサヒは新製品を含む15製品のうち、約半数の7製品について近く販売を中止する。製品の絞り込みにより、年間50億円程度浮く見通しの広告費や販売促進費をスーパードライなど主力製品に振り向け、経営資源の「選択と集中」を加速する。アサヒが生産・販売を中止するのは、全国で販売していた「ビアウォーター」と「フォーストレディシルキー」の2製品と地域限定販売の「道産の生」「福島麦酒」「江戸前生ビール」「四国工場蔵出し生」「博多蔵出し生」の5製品。昨年発売したビアウォーターとファーストレディシルキーは売れ行きが低迷、メーカー各社が相次いで投入した地域限定ビールも一時のブームが去ったと判断した。・・・消費者にとってますますアサヒはおもしろくなくなります。博多蔵出し生は気に入っていたのになあ。まあ、ビアウォーターとファーストレディシルキーは絶対に売れないと思いましたが・・・

キリン、バド販売契約を利益折半方式に

1999-11-30日経産業。キリンは93年に米アンハイザー・ブッシュ社と合弁で販売会社、バドワイザー・ジャパン(東京・中央)を設立、キリンの工場でライセンス生産してバドワイザーを販売してきたが、累積赤字が膨らんだため来年3月までに解散を決定。それに伴い、両社は新たに生産・販売のライセンス契約を結んだ。キリンはその来年1月から日本でライセンス生産・販売するバドワイザーについて、「ライセンス料」方式でなく「利益折半」方式を採用することで合意した。ビールのライセンス生産などでは1本当たり数%のライセンス料契約が一般的で、利益折半方式は珍しい。拡販に向けてブッシュ社側が譲歩した形で、年明けからキリン主導でバドワイザーの販売テコ入れ作戦が本格的に始まる。キリンが「利益折半」方式を求めたのは、バドワイザーの販売で利益をあげればそれが自社の収益に直結し、「自分の商品という意識も高まって営業のインセンティブが強まる」(佐藤安弘社長)と判断したため。
バドワイザー・ジャパンは累積損失が約300億円にのぼっており、同社に10%出資していたキリンは99年12月期決算で解散に伴う損失処理のため30億円を特別損失として計上する予定。

サッポロ新九州工場で仕込み開始

1999-11-30日経産業。サッポロが総額300億円を投じて大分県日田市に建設している新九州工場で11/29、来年2月初旬の出荷開始に向けて原料麦芽の仕込みが始まった。新九州工場のビール生産量は年間12万キロリットルになる見込みで、黒ラベル、エビス、ブロイに続く新製品も製造する予定。仕込み式は製造設備がほぼ完成した工場内で行われ、枝元賢造取締役相談役、野口聰工場長、大石昭忠日田市長らが出席した。
現在、サッポロビールの九州地区への出荷は年間8万キロリットル程度で、シェアは10%を下回っている。「売上高をもっと拡大したい。現有設備も将来は年15万キロリットルまで増産可能」とは野口工場長。工場には5百人収容のビール園や、明治時代にできた日本で初めてのビアホール「恵比寿ビアホール」を再現したウエルカムホールを併設する。

サントリー桂工場改良終了

1999-11-30日経産業。サントリーはリニューアルを進めてきた桂ビール工場(京都府長岡京市)について来年1月から新設備での本格稼働を開始すると発表した。総投資額は約80億円で、原料仕込み設備を刷新したほか製品倉庫を新築。年産能力は従来の約20%増の約25万キロリットルとなる見込み。これに伴い来年1月から工場名も「京都ビール工場」とする。

2000年キャンペンガール決定

1999-11-30日経産業。キリン、アサヒ、サッポロの3社は来年のキャンペンガールを決定した。
キリンビール 原田梓帆さん(はらだ しほ)
21才。身長170cm。大阪府出身。キリンのキャンペンガールは90年の初代から10代目まで業務用樽詰め生ビールをアピールする役目だったが、来年の11代目からは主力ビール「ラガー」「一番搾り」や発泡酒「麒麟淡麗<生>」など全製品のPR活動を手がける
アサヒビール 井川 遥さん(いがわ はるか)
22才。身長167cm。東京都出身。第14代目。主力商品「スーパードライ」をはじめ、「鮮度感あふれるフレッシュさというアサヒの商品イメージ」を演出しながら、販促ポスターなどに起用する。
サッポロビール 真野 裕子さん(まの ゆうこ)
23才。身長167cm。愛知県出身。すでにモデルとして関西・中部地区を中心に活躍しており、「当社製品のさわやかで上質なイメージ」を大切にして選んだとか。

サッポロ 肉・魚売場でビールを販促

1999-11-11日経産業。サッポロは年明けからスーパーの協力を得て酒類売場以外の食品売場でのビール販売に本格的に乗り出す。スーパーなど大型店での酒の販売は、以前は酒類売場に限定されていたが、98年から売場の総面積が一定範囲内なら、どの売場でも販売が可能となった。既に他のビール大手も鮮魚やチーズなど一部の売場での販売を始めているが、サッポロは、スーパーの精肉、鮮魚、青果、肉加工品、豆腐、練り物、乳製品、調味料、缶詰、スナック菓子などほぼすべての食品売場を想定している。例えば鮮魚売場なら春は「エビス」とタイの塩焼きや「黒ラベル」とタコの焼き物、夏は「エビス」とウナギの組合せといった具合に年間行事などに沿って提案メニューを作って店側に提案、それにあわせた店頭広告なども提供する。また、食材とビールを同じ売場で陳列する際の棚割りイメージ図も作成する。サッポロではほとんどの売場を対象に年間を通じた販促を全国規模で実施することにより規制緩和効果を最大限引き出す。・・・これからスーパーの食品売場での熾烈な競争が始まるのかな。スーパーの陳列方法はかなり重要です(参考記事:紙おむつの隣で缶ビールが売れる。) サッポロさん十分にデータ採取をしてください。売りっぱなしはダメですよ。どういう客層がどういうふうに購入していくかを調査しないとダメですよ。

サントリー カールスバーグ取扱店を開拓

1999-11-14日経産業。サントリーは、デンマークの大手ビール会社 カールスバーグ(コペンハーゲン)とライセンス契約して86年から生産。現在利根川工場(群馬県千代田町)で「カールスバーグ・ドラフト」の瓶、缶、たる製品を製造している。これまでブランドイメージ確立のためフランス料理店やオープンカフェなどを中心に展開してきたが、市場開拓の第1段は終了したと判断、営業対象を大衆的なイタリア料理店などにも広げて現在の約1万店の取引先を3年で1万5千店に増やす計画。計画ではイタリア料理店のほか、最近増加しているスポーツ・バーなどを想定している。カールスバーグ社がサッカー、陸上、スキーなどの各種スポーツ競技に協賛していることから、スポーツイベントを連動させればスポーツ・バーを新たな戦略展開の舞台にできるとも見ている。
外国ブランドビールの国内市場は98年で約800万ケース(大瓶20本換算)で、これは94年のピーク時の約3分の1であり、主要ブランドも含め減少傾向が著しい。しかし、カールスバーグは毎年確実に販売量を増やしており、98年の販売実績は58万ケースと米「バドワイザー」、オランダ「ハイネケン」に次いで3位にランクされている。当面の目標は百万ケースで、ハイネケンを抜いて最大の欧州ビールに育てる狙い。・・・残念ながら私はあまり飲む機会がなかったが、これから多くなるかな。

ビール市場 地盤沈下進む

1999-11-12日経。「消費低迷の中でシェアは伸びているし、スーパードライは依然、人気がある」(福地茂雄アサヒビール社長)。だがビール全体の地盤沈下は景気動向だけでは説明できない
缶入りチューハイの今年の販売量は前年比約7割増、カクテルベースになるリキュール類も同4割増という。「コンビニなどの棚ではワインやチューハイが増え、ビールは以前の半分くらい」(泉谷直木経営戦略部長)と嘆く。商品分野を超えた競争に小売店間の競争激化が追い打ちをかける。酒販免許は98年から段階的に緩和、2003年の完全自由化を前に、「2000年9月の距離制限撤廃でコンビニや量販店の免許取得ラッシュが起きる」(都内酒販店)。
コンビニ各社が先週、
ビールを値下げしたのはこうした店舗間競争の前哨戦。さらに業態を超えた値下げ競争にもつながる可能性が強い。実際、関西の大手百貨店はすぐにビール大手各社の幹部を呼び、納入価格の5%引きを求めた。
派手な広告・宣伝の一方で、各社は酒販店を舞台に「頭を下げ汗をかく地味な営業」(サッポロビールの岡俊明営業部長)で市場を支えてきた。だが、免許自由化で酒販店の淘汰が進み、現在の8万店以上から2003年は約3万店に、ビール販売量に占める割合も約6割から3割近くに低下、その分、量販店などの比重が高まる見通し。
各社は戦略転換の必要性を意識、サッポロは来年はじめからスーパーに酒類以外の各食品売場での年間販促計画を提案する。キリンビールは紀文食品と組み、おでんとビールを売場広告で連動させる試みを展開する。
しかし、量販店の売場確保の手法としてはライバルとなる他の食品分野に比べ、まだ古い。その改革に向けた一策が「他の酒や飲料と連携した営業」(アサヒの河合国尚営業本部企画室長)。同社は2003年までに飲料、食品などグループ担当者との連携を進める方針。キリンもグループの飲料、洋酒会社と共同マーケティングを企画する部署を設けた。
飲料や洋酒との相乗効果を出す営業で先行するのがサントリー。例えばライセンス生産するデンマークのビール「カールスバーグ」はワインの営業と連動してイタリア料理店などの販路を開拓している。
「真のライバルはサントリーだ」。激しく争うキリン、アサヒの首脳がそろって21世紀の最大の競争相手として、ビール4位の同社を挙げるのは、ビールだけの従来型営業はもう通用しないとの危機感から。「量から質」への営業力への転換がどこまで進むかで、各社の明暗が分かれる。
・・・・・スーパードライは市場におけるNo.1の地位は定着しているといえるが、その勢いは弱まってきている。これまでのガンガン売るだけの営業形態だけでは消費者は受け入れなくなってきており、企業もビール部門単独ではなくグループとして展開する方向を模索中である。それをいち早く確立したところが次のトップに躍りでるでしょう。

ビール向けPETボトル実用化

1999-11-16日経。三菱商事の全額出資子会社、三菱商事プラスチック(東京・品川、古川和正社長)、ペットボトル成型機メーカーの日精エー・エス・ビー機械、真空装置メーカーのユーテック(千葉県流山市、本多祐二社長)の3社は15日、ビール用ペットボトルの実用化にメドをつけたと発表。3社は共同でボトル内壁にガスの遮断膜を張り付ける技術を開発した。来年以降、同技術で生産したペットボトル入りビールが商品化される見通し。
・・・・・ビール瓶の軽量化には期待がもてます。ただ最大の課題はガス遮断膜付きのペットボトルを回収して再利用できるかどうかでしょう。

大手コンビニ、ビール値下げ

1999-11-6日経。コンビニ各社が相次いで、ビールの値下げに踏み切る。最大手のセブン-イレブン・ジャパンが、11/5夕から平均9%引き下げ、2位のローソン、3位のファミリーマートが6日からセブンイレブンと同価格に引き下げる。中堅のスリーエフは7日から、ミニストップも9日から追随する。各社はセブンイレブンの値下げを知り、急遽5日決定した。値下げはキリン、アサヒ、サッポロ、サントリーとバドワイザーのビールで、350ml缶が218円から198円に、500ml缶が286円から258円になる。発泡酒や地ビールは対象に含まない。
ビールはコンビニでは弁当などに次ぐ主力商品。酒類を扱う店では売上全体の1割近くに達する。市場シェアでもコンビニは2割強を占め、6百億円(98年度)を売るセブンイレブンは国内最大手の小売りになる。ただ最近はディスカウントストアやスーパーが安売りに力を入れた結果、ここ1、2年は1店あたりの売り上げは年間5%前後減らしているといわれ、「加盟店から、市場の実勢価格に近づけたいとの要望もあった」(鈴木敏文セブンイレブン会長)。・・・中小のコンビニや酒屋さんへの影響が大きいかも。それから発泡酒が対象になっていないことから、ビールの売り上げが少し戻る可能性がありますね。

アサヒ、ビール販売経費カット

1999-10-10日経産業。アサヒは2000年からビールの販売費削減に乗り出す。アサヒが流通対策などに使用する「販売奨励金および手数料」は97年の430億円から98年は491億円に増加。今年は大型キャンペーンの導入などを受けて更に増える見通し。これに対して、2000年は97年に近い水準まで絞り込む計画。具体的には各支店の特売などに使う経費は減らさないが、売り上げへの効果が小さいと見られる本社予算によるキャンペーン活動などは削減する。また、年間300億円強の広告宣伝費も、出荷量が少なく十分な宣伝効果が見込めないブランドについては、テレビCMを減らし、10ー20億円は絞り込む。一方、制度面ではまず各地区本部に「利益責任制度」を導入し、売り上げとそれに伴う経費の管理に責任を持たせる考え。各本部長クラスには利益実績が報酬にはね返る評価制度も導入する。
 ビール市場全体は頭打ち傾向が強まってきており、アサヒは9月に発表した2004年までの中期計画で従来の売上高拡大と同時に、「利益重視の経営」への転換を掲げていた。販売経費はこれまで他の支出に比べると聖域と見なされてきたが、新しい経営方針に基づき本格的にメスを入れる。

サッポロ、カナダでビール大麦開発

1999-10-22日経。サッポロは、穀物メジャー最大手の米カーギルのカナダ製麦子会社であるプレリーモルト(PML)社、カナダのサスカチワン大学と共同で、現地栽培に適した高品質のビール用大麦を開発した。在来種の「ハリントン」に比べてエキス分が多く、病気や風雨にも強い。同量の原料から多くのビールを製造でき、発酵度が高いため生産工程の管理もしやすい。また麦汁の粘り気につながる成分が少なく、ろ過工程も容易になる。来年から試験醸造し2002年に商業生産に入る計画。サッポロは麦芽使用量の3分の1以上をカナダから調達しており、将来は同国産の全量を新品種に切り替え、高品質原料の安定的な調達を目指す。

サッポロビール社長、辞任

1999-10-23日経、朝日等。サッポロビールは、臨時取締役会を開き、岩間辰志常務(60)が11月15日付けで社長に昇格するトップ人事を正式決定した。枝元賢造社長(67)は代表権のある取締役相談役に退くが、代表権は来年3月の株主総会後に返上する意向。空席だった会長には磯貝興男副社長(67)が就任する。枝元社長は、2期4年を務め、5年目に入っていたが任期途中での辞任となる。岩間氏は末席常務からの7人抜きの抜てきで、昨年3月に取締役になってから1年半余りでトップに就く。
 サッポロはビール事業から低迷。前期、前々期と連続で最終赤字に陥った。枝元社長は人員削減や工場の集約・再編などを進めてきたが、成果を見届けることなく若返りを迫られた。メインバンクの富士銀行が3行統合を決め、従来のようなグループの身内意識も変質しており、こうした環境の変化が、枝元氏に暗に辞任を促したようだ。引責辞任との見方について、枝元社長は「(リストラなどに)痛みを感じているのは事実だが、引責辞任というと社内が後ろ向きになってしまう。(人身一新という)額面通りに受け取ってもらうのが武士の情け」と心境を語った。岩間氏は枝元氏が引き上げた人物で、磯貝副社長の会長就任は役員経験が浅い岩間氏の後見役としての役回りを求められてのこと。

岩間辰志(いわまたつし)氏
長野県出身。63年(昭和38年)早大第一政経卒、日本麦酒(現サッポロビール)入社。98年3月取締役、同年11月常務。趣味は音楽鑑賞と旅行。健康法も兼ねて首都圏近郊の山里などを「長い時は5時間くらい歩くとか。
大阪を振り出しに東京、福岡と営業畑を歩んだ。社内で一気に頭角を現したのは、95年から3年間のロジスティクス部長時代。物流会社の統合など社内では抵抗感の強い合理化策を「しがらみを断ち切って次々と実施した」(枝元社長)。「一見淡々としているが、改革の必要性をロマンを込めて語れる人」というのが社内の評だ。枝元社長から最初に打診を受けた8月末「はいとは特に言わなかったが断りもしなかった」。シェア奪回も「具体的目標は掲げない。やるべきことはやるだけ」と自然体を強調する。枝元社長時代は「トップの改革意欲が下に伝わらず空回りした」(大手ビール会社首脳)だけに、「社長が変わるだけではサッポロは何も変わらない」との厳しい見方も多い。

・・・昨年発売の発泡酒ブロイはまずまず好調ではあるが、一昨年の「社運をかけた」黒ラベルの刷新も空振りに終わり、現在の赤字業績につながっていることの責任は大きい。ひいては約千人のリストラと群馬、名古屋両工場閉鎖のリストラにもつながったと言える。今回の社長交代は時期が遅すぎたくらいではあるが、枝元社長は昨年岩間氏を常務営業本部長にしたときから、次期社長に決めていたのかなとも思える。記者会見で枝元社長は「平日のゴルフ担当」になるとポロッと発言してしまい、あわてて撤回したらしいが、トップダウンで社内が思うように動かなかった「疲れ」を感じさせる発言であったと思う。とにかく社内ののほほんとした体質を断ち切らないと今の低迷からの脱却はないわけで、次期社長の岩間氏の抜てきもその期待ならではとみる。ただ、今のサッポロ社内にどれほどの危機意識があるだろうか・・・関連記事(サッポロの方是非一読を)
98/12/13:天下分け目のサッポロビール

キリン、給与の成果主義明確化

1999-10-20日経。キリンは2000年に給与体系を抜本的に改定する。新たな給与体系が適用されるのは、全社員約7400人のうち経営職(管理職)を除いた総合職(一般社員)の約6200人。従来の給与体系は入社年次によって決まる本人給(年齢給)部分が約55%、資格や成果を総合的に勘案した能力給が約45%となっていた。新体系では能力給部分を「能力給」と「成果給」に分離し、これまで曖昧だった成果主義の要素を明確にする。総合職のうち、将来の幹部候補となる社員の場合、成果給の部分は最大で給与全体の約10%を占め、35歳の標準モデルで、年収格差は最大50万円弱になるという。これに伴い成果給の決定要素となる社員ごとの毎年の考課結果を、各社員に対して上司が個別面談を通じて5段階評価で伝える。 

アサヒもトウモロコシを非遺伝子組み換えに

1999-9-24日経、9-25朝日。アサヒは2000年4月までにビールの副原料のトウモロコシを遺伝子組み換え技術を使っていないものに全量切り替える。アサヒはトウモロコシを砕いたコーングリッツと粉状にしたコーンスターチを年間あわせて約15万トン使用しているが、ほとんどを大手商社経由で米国から調達している。そこで10月より順次、組み換え原料の混入のない分別流通品などへの切り替えを進める。調達費用は約2割高くなるが、製品価格は据え置く。製品に組み換え不使用を表示するかどうかは今後検討する。「全量切り替え」を決めたことについて、アサヒは「商品の安全性は絶対の自信がある。だが、一部の消費者の中で不安感が高まっていることを受けた」(広報部)としている。
また、サッポロも「消費者の声を考慮し」、2000年2月までに切り替える予定。
尚、サントリーは「主力ビールのモルツは副原料を一切使ってないため、他社とは違う。発泡酒を含めたビール以外のアルコール飲料をどうするかは現在、慎重に検討中」としている。
関連記事:(1)
サッポロ、ビール用トウモロコシを非遺伝子組み替えに。
     (2)キリン、ビール用トウモロコシを非遺伝子組み替えに。
     (3)99-8-22今日の一言
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