キリン、高崎工場を閉鎖

1999-9-11日経、朝日。キリンビールは、高崎工場(群馬県高崎市)を来年8月をめどに閉鎖するなど、一昨年秋に発表した事業リストラ策の拡大を発表した。同社は昨年来、国内3工場(東京、広島、京都)の閉鎖、発泡酒市場への参入を進め、ビール部門の売り上げ減を補おうとしてきたが、 ビール市場の縮小に歯止めがかからないことから「ビールの状況は厳しく、(発泡酒の成長だけでは)埋めきれない」(佐藤安弘社長)と判断。工場閉鎖の追加に踏み切った。
高崎工場(1965年操業開始)は年産20万キロリットル。閉鎖後は栃木工場(栃木県高根沢町、79年操業開始)を、170億円かけて増強し、年産能力を現在の倍近い33万キロリットルまで引き上げる。高崎工場の従業員約250人には栃木工場への転勤を求めるか、希望退職で100人程度の人員削減を見込む。高崎工場跡地の利用については未定。
また福岡工場(福岡県)を2002年をめどに、300億円を投じて生産設備を効率化する。さらに、工場・支社ごとに分かれている総務、経理部門を一部統合するとともに、本社内にも「集中事務センター」を2001年をめどに設置して、事務部門の合理化を図る。
ビール不振のなかで唯一健闘してきたアサヒも、9月初に東京工場の閉鎖を発表するなど、ビール業界ではビール市場縮小を念頭においた「リストラ合戦」(朝日新聞)が始まっている。
関連記事:
(1)背水のキリンー中期3カ年計画
     (2)キリン、ビアパーク広島開業。
     (3)キリン社長、広島工場閉鎖を自ら説明
     (4)キリンビール国内工場の状況

サッポロ、ビール用トウモロコシを非遺伝子組み替えに

1999-8-25日経。サッポロはビール副原料のトウモロコシを遺伝子組み替え技術を使っていない原料に切り替える方針。サッポロは、コーンスターチとコーングリッツを、副原料として98年で約6万tを使用。現在は遺伝子組み替え品が混入している可能性のある米国産を主に使用しているが、来年秋の収穫分から切り替える見通し。・・・使わなければいいのでは

キリン、ビール用トウモロコシを非遺伝子組み替えに

1999-8-24日経。キリンビールはビールの副原料であるトウモロコシについて、2001年までに遺伝子組み替え技術を使っていない原料に切り替える方向で検討に入った。酒類は農水省がまとめた遺伝子組み替え食品表示義務化の対象とならないが、「組み替え原料が含まれている可能性のある食品を避ける消費者が存在する」(佐藤安弘社長)現実を無視できないと判断した。キリンはトウモロコシを砕いたコーングリッツと紛状にしたコーンスターチを合わせて年間20万t弱を、三菱商事など商社経由で主に米国から調達。現在は遺伝子組み替え原料が混在している可能性がある。2000年秋の収穫分までに米国の農家との契約栽培などによって切り替えを進め、2001年の商品から全量非組み替え原料にする計画。原料コストは現状より1−2割高くなるが製品価格には転嫁しない考え・・・さすがアクションは早い。まずはマスコミに情報を流して消費者の混乱を避ける作戦に出ました。ただ、1年以上はキリンのビールと発泡酒には遺伝子組み替え原料が混入しています。

卓上ビアサーバーが人気

1999-8-20日経。居酒屋やビアガーデンで持ち運びができる生ビールサーバーが人気。消費者にとっては、店員を呼び止めてビールを注文する煩わしさがないうえ、ビールを注ぐ楽しさも実感できるとあって、集客に一役買っている。サントリーは内容量2.5リットルの卓上サーバーを開発。ワタミフードサービスは居酒屋「和民」の全約120店に導入した。キリンは内容量が外からも見える「タワー型びっくり保冷ピッチャー」を開発。高さ約130cmのタワー部分を透明にした。アサヒは2種類のコックを取り付けた「アサヒ樽生ツインサーバー」。サーバーの内部を2つに仕切ったため「異なる2種類のビールを味わえる」という。サッポロも冷却機能付きの「サッポロダブルサーバー」を発売。10リットル樽を氷を使って冷やす構造で、電源が不要なため屋外でも使用できる。

アサヒ、「人材棚卸し」制度導入

1999-8-17日経産業。アサヒは人材をそれぞれの適性に合った職務に再配置するため、「人材棚卸し」と名付けた新人事制度を今秋から導入する。各職務に必要な人材像と社員個人の能力や性格などをそれぞれ分析したうえで、職務と社員の最適な組合せデータをコンピューターではじき出し、人事異動に生かしていく。「かつては優秀な人材をいかに多く集めるかが重要だったが、社員数を絞り込まざるを得ない時代では適材適所をいかにタイムリーに実現していくかがポイントとなる」(小路明善人事課長)。・・・コンピューターによる相性診断ですね。

サッポロ、オーストラリアで高品質大麦開発

1999-8-20日経。サッポロはオーストラリアのアデレード大学と共同で、広範な地域で栽培できる高品質のビール用大麦を開発した。新品種は、ビール製造に必要なエキス成分を多く含み、デンプンを糖に分解する酵素力も強い。同時に、年間降水量が300ミリ程度の乾燥地帯で栽培でき、砂漠からの強熱風にも耐えられる特性をもち、これまで同社が調達していた品種「フランクリン」に比べ栽培可能面積を約20倍に拡大できる。今年、オーストラリア政府に品種登録申請し、2000年末登録完了、2002年商業生産移行の計画。

 開発を巡っては、同社の植物工学研究所(群馬県新田町)で交配した計6百数十種をオーストラリアに持ち込み、93年からアデレード大と共同研究を進めてきた。同社は、オーストラリアを、北米、欧州と並ぶ原料調達拠点と位置づけ、分散調達により不作などのリスクを排し、原料の安定的な調達を目指す。
関連記事:
97-2-4日経:サッポロ、豪でビール大麦開発。

キリン、広島で商業施設

1999-8-19日経。キリンは広島工場跡地(広島県府中町)を大型複合商業施設として再開発する。具体的な再開発計画は、三菱商事屋ジャスコなどが出資する商業デベロッパー、ダイヤモンドシティーが手がける。2000年3月までに具体案をまとめ、2004年にも大型スーパー、専門店、飲食店、アミューズメント施設などで構成する施設を開業する予定。
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(1)キリン、ビアパーク広島開業。
     (2)キリン社長、広島工場閉鎖を自ら説明

98年世界のビール生産

1999-8-17日経産業。キリンビールが各国のビール協会等を対象にアンケートを実施し、まとめた。
国別ビール生産量
順位国名生産量万キロl前年比伸び%
1米国23770.5
2中国19645.3
3ドイツ1117-2.7
4ブラジル815-0.3
5日本7210.5
6イギリス566-4.2
7メキシコ5475.9
8ロシア325 24.6
9南アフリカ256 2.8
10スペイン249 0.8
 世界各国が98年に生産したビール・発泡酒は前年比1.6%増の約1億3300万kl。地域別にみると中近東を除く各地で生産量は増加。アフリカ(前年比2.9%増)、アジア(同2.6%増)、オセアニア(同2.5%増)。国別ではルーマニア(同36.6%増)、ロシア(同24.6%増)、タイ(同11.3%増)が二桁の伸びで、ポーランド(同7.5%増)、イタリア(同6.4%増)、メキシコ(同5.9%増)などがこれに続いた。・・・中国の潜在市場は巨大でしょうね。5年後くらいにはアメリカを抜くかもしれませんね。たしかに各社中国進出は活発です。ロシアもすごいですね。ウォッカからビールに嗜好が変わってきたのでしょうか。

サッポロ、知識や味覚を社内教育

1999-7-29日経産業。サッポロは、営業担当者が特約店(卸問屋)などの得意先に対して広範な知識を提供できる体制づくりに着手する。ビールの製造工程や品質管理、酒税など従来の営業活動にそれほど必要がないとされた知識の習得の他、味覚を磨くための教育も実施。こうした知識や感覚を身につけさせるため、新たな社内資格制度として「ビールアドバイザー制」を導入。 資格取得者は名刺に「ビールアドバイザー」と明記できるが、資格手当などはない。新制度は営業担当者の育成を主眼としているが、内勤者や生産担当者なども含めた社員全員が応募できる。10月末に筆記試験、11月に官能試験、12月に合格者を決める。サッポロとしては「幅広い知識を踏まえた提案型の営業活動を展開し、他社との違いをアピールしていきたい」(伊江竜一・営業部課長代理)とのこと。

発泡酒4社が連絡協議会

1999-8-5日経産業。発泡酒を製造・販売するキリン、サッポロ、サントリー、オリオンの4社は「発泡酒連絡協議会」を設立した。発泡酒を発売していないアサヒ(実は発泡酒を発売できないといった方が正確?)は参加していない。協議会の表向きの活動は「消費者に対する発泡酒の情報提供」とのことであるが、実は「酒税対策」が重要な任務と見られる。アサヒ包囲網というのも単なる噂であり、4社が最も恐れているのは国税当局が画策する「発泡酒の増税」であり、本協議会はそれを阻止する狙いがある模様。設立趣意書には「税制等に関する調査・研究を行いながら、発泡酒の定着と発泡酒愛好者の利益を増進する」とまわりくどい表現ではあるが増税阻止をにおわせている。
主要酒類の酒税
酒類区分1リットル当たり税金
ビール麦芽使用比率67%以上222円
発泡酒麦芽使用比率50%以上222円
麦芽使用比率50%未満152.7円
麦芽使用比率25%未満105円
清酒アルコール15〜16度140.5円
焼酎甲類アルコール25〜26度248.1円
焼酎乙類アルコール25〜26度199.4円
果実酒56.5円
ウィスキーアルコール40〜41度409円
政府・与党の税制論議は毎年秋以降に本格化する。したがってこの時期に協議会を発足し、きちんとした体制をつくっておくことに意味があった。一方の国税庁側は「現在のところ、発泡酒の税率を引き上げるという話は一切ない」とのコメントであり、協議会についても「報告は受けており、全く無関心というわけではないが、あくまで企業側の自由な経済活動と受けとめている」と静観の構え。ただ、ビール・発泡酒市場が飽和状態で全体のパイが伸びない中、税率の安い発泡酒の比率が上昇すれば、税収減になるのは自明の理だ。メーカー側が最も危惧しているのは、酒税体系全体を見直す中で発泡酒の税率が上がること。「グローバルスタンダード(国際標準)への適応を建前に、酒税を変更する中で、結果として発泡酒の税率が上がったという手法を当局は模索しているのでは」(あるメーカー幹部)という疑念がメーカー側には消えない。

1998年世界のビール市場 ブランド別出荷

1999-8-11日経。米国の酒類市場調査機関、インパクト・データバンクが98年のビールブランド別出荷数量の世界ランキング調査結果を発表した。 1バレル=約158.9キロリットル
順位(前年)銘柄ビール会社数量百万バレル(前年比伸び%)
1(1)バドワイザー41.0(▲2.4)
2(2)バドライト26.3( 13.6)
3(4)スーパードライ20.0( 8.4)
4(6)スコールブラジル18.8( 13.9)
5(5)コロナ・エキストラメキシコ18.0( 8.2)
6(3)ブラーマチョップブラジル17.4(▲6.8)
7(9)ハイネケンオランダ16.5( 3.2)
8(7)アンタルチカブラジル16.2(▲1.5)
9(8)ミラーライト15.9(▲2.5)
10(10)クアーズライト15.4( 2.7)
13(11)ラガー12.1(▲16.7)
18(18)一番搾りキリンビール 7.7(▲3.2)
スーパードライは前年4位から3位に浮上したが、ラガーは11位から13位に、一番搾り(前年18位)と黒ラベル(前年20位)はいずれも20位圏外となった。1位と2位は米国アンハイザー・ブッシュのバドワイザーとバドライトで3位以下を引き離している。米国品は10位以内に4銘柄、ブラジルは3銘柄が入っている。ちなみに私はブラジルのビールは飲んだことがありません。南米のビールはどんな味かなあ。 参考:
1997年の世界のビール ブランド別出荷

アサヒ 若者向けに新ブランド「Will(ウィル)」共同開発

1999-7-30日経、日経産業。8-3日経。トヨタ自動車、松下電器産業、アサヒビール、花王、近畿日本ツーリストの5社は若者向けの新しいマーケティング手法を開発する共同プロジェクト「Will(ウィル)」を発足した。今年9月以降、商品シリーズ名にウィルを採用した新製品を順次発売、広告など共同プロモーションを展開して、若者向けのヒット商品を育てる。トヨタは社長直轄の新組織で若者向け新車開発を急いでおり、今回のプロジェクトもその一環。トヨタが昨秋、担当者同士で交流のあった5社に基本コンセプトを説明し、5社の参加が決まった。
 新製品の第一弾として花王は衣料用消臭スプレーの「Willクリアミスト」を10/4に発売。近畿日本ツーリストは9月末にも価格を安めに設定した海外旅行パック商品などを売り出す。
 アサヒビールもこうした考えに沿った新しいビールを投入する。同社は今年4月に高級品の「富士山」と女性向けの「ファーストレディシルキー」を発売、新たに若者向けの新製品が加わる。詳細は今後検討していくが、「スーパードライとは全く違うタイプのビールにする」(西川専務)方針だ。・・・・・おもしろいプロジェクトと思うが、新製品発売の時期をあわせることが必要では。秋までにそれなりの新しいビールを提案できるでしょうか?

サッポロ北九州で社員が恵比寿に扮する

1999-6-22日経産業。サッポロビール北九州支店(村口猛支店長)は、七福神の恵比寿に扮した営業マンが北九州市内の飲食店を巡回し、エビスビールを勧める異色の営業活動を始めた。エビスビールの認知度を上げ、売り上げを伸ばすのが狙い。8月中旬まで毎週火曜と木曜の夜に実施。巡回チームは恵比寿役の男性社員とその場を盛り上げる「にぎやかし」役の男女社員2人の3人1組で、2組編成した。恵比寿役は恵比寿の装束、化粧を施し、竹の釣りざおとビクをもつ本格的な演出。・・・コメントなし。

地ビールに共同商品券

1999-6-22日経産業。薩摩麦酒など全国の地ビールメーカー24社は共同で商品券を販売する。商品券販売は24社でつくる日本プレミアムビア倶楽部(東京・港)が統括。販売委託先に各社のカタログや商品券を配布する。商品券は2500-1万円。ハガキ形式になっており、購入後に希望商品を選んでから郵送する仕組み。当面は各社共通券ではないため、対象メーカーの商品しか引き換えられない。取扱店は全国の酒販店を中心に約200店が加盟。今後はスーパーやコンビニ、更にはギフトショップや旅行業者などにも販路を拡大する計画。

日本で最初のビールを再現

1999-7-4朝日。兵庫県三田市出身の幕末の蘭学者川本幸民(1810-71)が日本で初めてつくったとされるビールが、神戸市北区のキリンビール神戸工場で再現。7/10から同工場で500リットルを一般にも提供する。「まちのPRに役立てたい」という三田市などの要望で。幸民が翻訳したドイツの化学書をもとに半年がかりで再現した。材料は現在のオールモルトビールと同じ麦芽と酵母、ホップ、水だが、発酵させる温度が違うという。完成した「国産最古」のビールは今のものより色が濃く、味も苦みが強い。

鉄鋼大手ビールのスチール缶化狙う

1999-5-4日刊工業。鉄鋼大手はビール容器素材としてスチール缶の普及に力を入れている。ビール缶といえばアルミの独壇場。スチール缶の使用比率は1%にみたず、地域名を冠した「ご当地缶」などに販売されているだけだったが、ここへきてビール各社の通常ラベル缶への採用の動きが出始めていいる。
 新日鐵は、サッポロの発泡酒「ブロイ」に採用され、昨年末から北九州地区でスチール缶の販売がスタート。使われたのはアルミ缶対抗品として開発した板厚0.19mmの極薄ブリキ鋼板。従来より缶重量が15%程度軽くなるのが売り物。千葉県の君津、木更津、市原3市でも発売の見通し。新日鐵の場合、スチール缶用に開発した新型ラミネート鋼板でもサッポロの「黒ラベル」と、サントリーの「モルツ」という両社の主力銘柄に採用され、やはり昨年末から愛知県知多半島地区でお目見えしている。鋼板表面にフイルムを張ったのがラミネート鋼板。板厚は0.18mmと従来品と同じだが、プレス加工後の厚みをより薄くできるよう改良したのが採用の決め手となった。
 NKKではアサヒの代表銘柄「スーパードライ」に極薄鋼板が採用された。4/7からスチール缶のスーパードライが広島県福山、三原、尾道と岡山県笹岡、井原の5市で販売が始まったところ。川鉄も近く、4大ビールメーカーのいずれかの銘柄で同社鋼板の採用が決まる運び。尚、鉄鋼大手5社中、住友金属工業はスチール缶用の鋼板を手がけておらず、残る神戸製鋼所はアルミ缶素材のトップメーカー。
 現在、日本の飲料水缶市場は年間400億缶で、スチール缶比率は清涼飲料水部門を中心に60%。しかしビール部門(発泡酒を含む)はアルミ缶が99.5%と圧倒。一方で、鉄鋼メーカー側が得意とする清涼飲料水部門でも近年。PETボトルにシェアを食われており、ビール市場に活路を見いださざるを得ない状況。
 スチール缶のリサイクル率は80%とアルミ缶(約70%)を上回り、各種容器素材のうち最高レベル。製造時のエネルギー消費や地球温暖化につながる二酸化炭素の発生量もアルミに比べ少ない。鉄鋼業界としては、こうした環境負荷が小さい点を強調、スチール缶の普及に弾みをつける考え。ただ神鋼などアルミ缶材業界はスチール缶のふた部分はアルミなのでリサイクルの面で不利と指摘するなど予防線も張っている。・・・・なかなか複雑ですね。もともと鉄鋼業界は高度成長期に日本を引っ張ってきたというプライドが今もあって、お役所的でややつきあいにくいイメージがあります。ただこれからは生き残りをかけた熾烈な競争の時代です。ただ、ビール市場は今後はそれほど大きくは伸びないですから、限られた中でアルミ缶と瓶と競争することになります。たしかにPETボトルの普及はすごいですね。技術改良が進んで、PETボトルのビールがでるかもヨ。関連:(1)
サッポロ、軽いスチール缶の発泡酒発売。(2)サッポロ、知多半島でタルク缶黒ラベルを試験採用。(3)銀河高原ビール。

サントリーCM変更

1999-6-5朝日。サントリーは主力ビールの「モルツ」の広告コピー「副原料は一切なし。麦100%はモルツだけ」のうち「だけ」の部分を削除する。「エビスビール」(サッポロビール)や「ビール職人」(キリンビール)など、他社のやや値段の高いプレミアムビールも麦100%であることに配慮したためで、「業界内で話し合った結果、自主的にとりやめることにした」と説明。・・・もともとこのコピーは麦100%でないアサヒのスーパードライを意識しているように受け取っていましたので、気にはなっていましたが、私も問題はないと思っていました。まあキリンやサッポロへの配慮だと思います。

ジャパン・ビア・フェスティバル’99

1999-5-31日経。日本地ビール協会(兵庫県芦屋市、小田良司会長 0797-31-6911)は 6月12−13日の2日間、東京・大手町のJAビルで、内外のビール会社35社が参加する 「ジャパン・ビア・フェスティバル’99」を開く。国内のほか米国、ドイツ、チェコなどの 地ビール会社が参加。3000円の入場料を払えば参加企業が提供する80種類以上のビール を試飲できる。

アサヒ、鮮度管理を一新

1999-5-12日経産業、日経。 アサヒは夏場の需要期を前に新たな鮮度管理システムを導入する。特約店からの受注量に応じて日々の生産量を決定しる「受注生産方式」を採用し、製品在庫量を1割以上圧縮する。「余剰在庫を削減し、常に新鮮な製品を提供する」(旭興一専務)のが狙い。全体の約90%に当たる製品に同システムを適用することで、鮮度向上を目指す。従来の生産方式では、事前に週単位で作成した生産計画について、週2回の修正を加えており、工場や配送センターに平均約4.5日分の在庫があった。・・・ほとんどスーパードライしか生産していないからこそできるのでしょうね。

キリン、軽量ビンを全国に

1999-4-8日経産業、日経。キリンは従来(605g)より約2割重量を減らした軽量ビン(475g)を4月中に中国・四国地方に導入する。これにより軽量ビンは全国で流通することになり、導入率は55%となる。軽量ビンは表面をセラミックスでコーティングして傷をつきにくくするなど強度を増す一方でガラスの肉厚を薄くして軽量化した。これによりビンの生産、洗浄に必要なエネルギーは従来より約10%削減できる。またトラック1台当たりに積めるビール本数も増やせるので、トラック台数の削減につながる。この結果、二酸化炭素や窒素酸化物の排出量は13−15%減らせるという。今後耐用年数に近づいたビンの切り替えを進め、2003年には大瓶の全てを軽量ビンにする計画・・・キリン以外の3社はビンを共通化していますが、どうするのでしょうか。

キリン、「ビアパーク広島」開業

1999-4-21日経産業、4-22日経。昨年8月に操業停止した広島工場跡地にビアレストランやミニブルワリーなどを併設した「キリンビアパーク広島」を4/24に開業。約60年前に完成した旧事務所棟を改造した。ミニブルワリーの年間生産能力は約2000klで「ラガー」「広島じゃけん」などの樽詰め生ビールを生産、ビアレストランに供給する。レストランは766平米で客席数244。このほか客席数54のビアパブ、客席数200のビアテラス、広島工場の製造設備などを展示したビアギャラリーも併設した。

キリン、工場従業員の採用を6年ぶり復活

1999-4-21日経。キリンは2000年春、工場従業員の採用を6年ぶりに復活する。約20人の高卒を採用する計画。キリンは昨年から今秋までに3工場(東京、広島、京都)を閉鎖し、中高年の工場従業員の希望退職を募集するなど人員削減を進めてきており、既に早期退職優遇制度を活用して180人が退職することを決めている。リストラが一段落したことから工場従業員の新卒採用を再開し、世代交代を進める。

サッポロ、軽いスチール缶の発泡酒

1999-3-12日経産業。サッポロビールはスチール缶では最も薄く軽量な缶を使用した発泡酒「ブロイ」を北九州地区でで発売した。従来のスチール缶より厚さが0.05mm薄く、重さも4.5g軽い。売れ行きが良ければ、全国に販売地域を拡大する。・・・現在のビールの主流はアルミ缶ですが、ここまでスチール缶が軽くなる抵抗はなくなると思います。スチール缶の方が味がよいという話もあります。

アサヒ、チェコでスーパードライ生産

1999-3-24日経、日経産業。アサヒは2000年初めからチェコでスーパードライの生産を始める。提携関係にある英バス社傘下のプラハ・ビールのブラニク工場(プラハ市)に約2億円を投じて専用設備を導入、生産を委託する。生産するのはドライの330ml、500mlの瓶と缶の計4種。英、独、仏を中心に販売する。現地生産にあわせて英国の営業拠点であるアサヒビール・ヨーロッパの人員を7人から14人に倍増させる。欧州での2000年の販売数量を現在の約4倍の30万ケース(1ケースは330ml缶24本)に引き上げる計画。
 日本のビール会社ではキリンビール、サッポロビールが英国の提携先の工場で自社ブランドビールの生産を委託。98年の販売数量はキリン20万ケース、サッポロ12万ケース。アサヒは仏、独など大陸での販売を拡大するため委託生産先にチェコを選んだ。スーパードライを現地生産するのはカナダ、中国の煙台、5月に生産開始予定の深(土川)に続いて4ケ所目となる。・・・世界に広がるスーパードライですなあ

ビール3社発泡酒増産

1999-4-3日経。キリンビールは神戸工場で発泡酒免許を取得した。神戸工場は年間20万klの工場ですでに仕込みに入っており、4月下旬から出荷を開始する。年産5〜6万klの見込みでキリンの99年発泡酒予定数量の約1割に相当する。これでキリン13工場のうち9工場で発泡酒を生産することになる。4、5月の発泡酒生産量は当初計画の6割増という。
 サッポロは夏場のピーク時に生産余力をもたせるため、北海道、静岡の2工場に発泡酒の原料となる液糖の専用タンクを増設する。北海道には15klタンクを2基、静岡工場には20klタンクを1基設置する。投資額は約2億円。
 サントリーは新製品「麦の薫り」を増産するため桂(京都府)、利根川(栃木県)、武蔵野(東京)の3工場の発泡酒缶ラインで3交代24時間操業を実施した。
 消費が伸びる5月から、各社はサンプル缶配布など大規模なキャンペーンも計画している。

全国地ビール醸造者協議会を設立

1999-3-9日経。3/9に全国の地ビール醸造者が初の業界団体「全国地ビール醸造者協議会」を設立した。地ビールは解禁から4年余りが経過し全国に250近い醸造所が生まれているが、人気が下火となった曲がり角を迎えている。そこで協議会を設け、販売促進や情報交換、問題点解決などでスクラムを組む、協議会は有力醸造メーカー25社が発起人となり、120社余りが参加する。会長には独歩ビールの宮下酒造(岡山市)の宮下附一竜社長がつく予定。・・・確かにビール醸造で採算を合わそうとするとかなりの量を販売する必要がある。一つ言えるのはうまいビールを作っているところは、比較的経営もうまくいっているように思えます。ただ欲を出して外販や全国展開となるとなかなかうまくいかないようです。原則的には地域と密着すべきで観光客だけでなく地元の人をより多く呼び込める戦略が必要でしょうし、あとはうまいビールを如何に安くつくれるかでしょう。この協議会が原料や瓶、設備の調達面でもうまく機能してほしいと思います。

キリンもアサヒに対抗して還元キャンペーン

1999-3-3日経。キリンは3/20から5月末まで、応募者全員にビール、発泡酒のギフト券を贈る還元キャンペーンを実施する。ビールなら24本につき2本、発泡酒なら36本につき2本分のギフト券を贈る。1月のビール・発泡酒市場ではアサヒが1.3ポイント差までキリンを急迫。2月もキャンペーン効果や新製品投入などで出荷量を伸ばしており、キリンは急遽大規模キャンペーンの実施を決めた。アサヒが30本当たり2本分の還元で還元率は6.7%。キリンの還元率は8.3%でアサヒを上回る。総費用はアサヒの60ー70億円に対し、キリンは100億円を超える見通し。アサヒとキリンのシェア争いは価格競争の段階に突入し、体力勝負の様相となってきた。・・・末期症状か?それとも次の飛躍への第一歩か?どちらにしても消費者は踊らされるばかりです。

アサヒ、シール30枚でビール券

1999-1-26日経。アサヒは主力商品「スーパードライ」で応募者全員にビール券を贈るキャンペーンを実施する。商品についている応募シール30枚を集めるとアサヒビール製品350ml缶2本分に相当するビール券がもらえる。期間は2/1からの2ケ月間。・・・このキャンペーンで1千万口以上の応募を見込んでおり、その総費用は60ー70億円を見込んでいるとか。ここまでしてシェアアップを狙っています。目的はシェアだけです!

キリン発泡酒のキャラバンカー配備

1999-3-4日経、日経産業。キリンは発売から1年を迎えた発泡酒「麒麟淡麗<生>」の販売強化策として、試飲設備などを備えたキャラバンカー「淡麗号」を7台配備、3/6から400万人を対象にしたサンプリング活動を開始する。東京、大阪、札幌など全国7都市をキャラバンカーで巡回し、試飲会を開催する。淡麗号は2tトラックを1台あたり1千万円かけて改造したもの。また年齢23−24歳、身長170cmのモデル4人で「淡麗ガールズ」を結成。淡麗のパッケージをデザインしたコスチュームに身を包み、サンプリング活動のほか、全国各地で開催する各種イベントに参加する。

アサヒとサントリーの景品に海外旅行

1999-2月 日経産業。アサヒとサントリーはビール、発泡酒で海外旅行が当たるキャンペーンを実施する。アサヒのキャンペーンは「スーパードライ」の拡販を目的とする。合計で110組220人に99年のクリスマスをニューヨーク、2000年の初日の出をニュージーランドで見るツアーが当たる。募集は2/20から5/31まで。
 サントリーは発泡酒「スーパーホップス」でキャンペーンを展開。エーゲ海などを航海するツアーとグランドキャニオン(米国)などを回るツアーが当たる。

サントリー新発泡酒の販促に社員の4分の1動員

1999-2-25日経。新製品「麦の薫り」を2/24売り出したのを機に、全社員の約4分の1にあたる約千人が酒販店で陳列活動を手伝うほか、3月中旬までに340万人の消費者を対象としてサンプルを配布する。

サッポロ取締役を25人から11人へ

1999-2-26日経。サッポロビールは3月末に執行役員制を導入、取締役を25人から11人に減らす。これまで地域経済界とのつき合いから工場長や支店長を取締役に昇格させてきたこともあり、「事業規模の割に取締役が多すぎた」(枝元賢造社長)とのことで、「意志決定を速めないと生き残れない」と取締役会改革を行う。また改革第2弾として「現在一人の社外取締役も増やす」考え。・・・枝元さん、1年前にやるべきだったのではないですか。

アサヒビール社長に福地氏

1999-1-14日経。アサヒビールは福地茂雄副社長(64)の社長昇格を正式発表した。瀬戸雄三社長(68)は代表権のある会長に就き、経済戦略会議議長を務める樋口広太郎会長(72)は取締役相談役名誉会長に退く。アサヒは、樋口、瀬戸両氏の強いリーダーシップで成長してきたが、98年のビール市場で45年ぶりに首位に立ったのを機に「調整型」といわれる福地氏を社長に起用する手堅いトップ人事に踏み切った。アサヒは向こう数年を「基盤固めの時期」と位置づけ、瀬戸会長、福地社長の二人三脚で営業強化やグループ再編などに臨む。

 福地氏は57年(昭32年)長崎大経卒、アサヒビール入社。88年取締役、90年常務、93年専務、96年から副社長。福岡県出身。西日本のビール営業が長く、役員就任後は幅広い分野をまかされた。「役員随一の勉強家」「聞き上手で懐が深い」。根っからのビール営業マンらしく「祭り好き」とか。

 社長候補には福地氏の他植松増美専務(60)の名前もあがったが、瀬戸氏より8歳若い植松氏にバトンタッチすると、アサヒをビール首位に押し上げた役員陣を大幅に入れ替える必要があり、キリンの巻き返しも予想される。そこで、若返りで変化を打ち出すより、瀬戸氏の右腕ともいえる福地氏で継続性を選んだようだ。

97年世界のビール消費量

1998-12-22日経産業。キリンビールは97年世界主要各国のビール消費量(発泡酒を含む)をまとめた。
順位国名消費量万キロl前年比伸び%
1米国2227.00.5
2中国1862.010.9
3ドイツ1075.0-0.3
4ブラジル816.03.4
5日本720.2-0.6
6イギリス611.11.6
7メキシコ458.4 5.5
8ロシア411.7 16.0
9スペイン263.9 0.8
10南アフリカ246.9 0.7
世界全体の消費量は約1億2850万キロリットルで前年比約3.3%増で、12年連続のプラスとなった。日本は0.6%の微減で3年連続のマイナス。2位の中国はここ数年高い伸びを継続、8位のロシアは若年層や女性の消費拡大で前年比16%と高い伸びをみせた。地域別消費ではヨーロッパが首位。2位のアジアは前年比7.5%と大きな伸びを示した。中南米やアフリカでも同3.7%増えた一方、中近東やオセアニアは微減だった。国民一人当たりの消費量(大瓶換算)ではチェコが257本と5年連続で1位、3位のドイツは一人当たり10本減少した。日本は90本で順位を一つ上げ24位となった。
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97年世界のビール生産。
     1997年世界ビール販売量

サッポロ、タルク缶を一部採用

1998-12-10日経(中部版)。新日鐵名古屋製鉄所(愛知県東海市)は、飲料の風味の劣化を防ぐためにスチール缶の内側にポリエステルフイルム(PETボトルとよく似た素材)を張ったタルク缶素材の本格生産を始めた。サッポロビールが「黒ラベル」にこのタルク缶を採用し、12/10からまず愛知県の知多半島全域で発売することに対応した。タルク缶は東洋製缶が開発、スチール缶の内側にフイルムを張り付けた飲料用の缶。金属成分が溶け出さないため味や香りを保持する機能が高いとされ、既に日本茶などの清涼飲料に採用されている。ただ、ビールでは軽さなどの観点からアルミ缶の比率が圧倒的に高く、地域限定や期間限定の銘柄以外には採用された実績がなく、缶ビールにおけるタルク缶の比率は1%にも達しない。サッポロは今秋期間限定で発売したタルク缶商品が好評だったことから、まず知多半島全域で試験的に黒ラベルに採用する。・・・アルミ缶とスチール缶の競争は激しく、ビールが簡単にスチール缶には切り替わらないと思うが、風味保持の点ではタルク缶が優勢か

アサヒ、12月増産

1998-11-26日経産業。アサヒは12月のビール生産量を前年同月比10%に引き上げる。歳暮需要などがある12月は7月に続いて年間でビール消費が伸びる時期。業界全体の伸張などで約8%減で推移しているが、発泡酒を手掛けないアサヒは歳暮商戦を優位に戦えると判断し、前年実績を上回る生産・販売計画を設定した。缶製品は茨城など6工場で、スタイニーは主力拠点である西宮工場で3交代24時間操業を実施する。瓶、樽商品の生産では容器の目視検査が必要となるため2交代16時間操業が通常のフル生産となる。瓶製品では7工場、樽製品は8工場で2交代16時間で生産する。ただ、西宮工場のスタイニー生産ラインは例外として3交代24時間操業で供給量を増やす計画。

サッポロ、岩間営業本部長を常務昇格

1998-11-30日経。サッポロは27日の取締役会で岩間辰志・取締役営業本部長(58)を常務に昇格させる人事を決めた。岩間氏は今年3月に取締役、9月に営業部門のトップである営業本部長に就任したばかり。ビール会社の営業部門トップは通常、専務クラスが就任しており、同業他社とのバランスや、発泡酒「ブロイ」の販売で成果をあげたことなどから、異動期外の昇格となった。

キリン東京工場跡地売却へ

1998-11-28日経、日経産業。キリンビールは、今年8月末に閉鎖した東京工場(東京・北)の跡地の約3分の2に相当する4万3千平方mを読売新聞社、日刊スポーツ系列の日刊スポーツ印刷社(東京・中央)、日本製紙の3社に売却する方向で検討中。売却額は100億円を超えると見られる。キリンは残る2万4千平方mの跡地のうち1万1千平方mに「荒川輸送センター」を今年9月に開設、業務用樽詰め生ビールの配送拠点として活用している。  キリンは昨年9月にリストラ策の一環として東京、京都、広島の3工場の閉鎖を決定。広島工場の跡地にはすでに地ビールプラントを建設、99年4月にビール園を開業する予定。一方、来年秋に閉鎖する京都工場の跡地の利用計画については、売却も含めて今後詰める。関連記事はこちら

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