瀬戸雄三アサヒビール社長に聞く

日経産業98-11-24。聞き手 江村亮一氏。
−ビール市場で45年ぶりのシェアトップが確実となったが
(シェアが10%を切った)13年前のどん底から立ち上がったことを考えると感慨無量。ビール市場で業務用比率が高かった時代は、こんな逆転は考えられなかった。家庭市場が大きくなり消費者がビールを選ぶ際にメーカー、銘柄指名で買う傾向が強まるなか、アサヒが打ち出した鮮度などビールの品質や企業としての姿勢が顧客に指示された結果だと思う。
−成長する発泡酒にはどう対抗していくのか
発泡酒の構成比率は98年で13−14%、景気低迷が続けば来年は16−17%までのびる可能性がある。しかし、メーカーとして変えていくべきことと変えてはいけないことがある。アサヒは本物のビールだけをつくるという考えは変えない。プレミアムビールや発泡酒の登場で「ビールは一物一価でない」という認識が広がっている。日本ではビールへの酒税(1L220円)が高すぎる。ビール酒税の引き下げを訴えていきたい。(発泡酒対抗策として)広告宣伝費やコストを削減し、低価格ビールを商品化するという選択肢も考えられる。
−海外でのビール事業はどう進めていくのか。
中国では来年3月に広東省の新工場を稼働させ生の「スーパードライ」を生産する。山東省煙台、浙江省杭州など合弁5工場の技術水準も向上しており、来年中にいくつかの合弁工場で生のドライの生産を検討している。欧州市場では来年2ー3月には現地生産の委託先を決定する。英バス社とは提携関係にあるが、やはり欧州大陸で生産するのが有利。フランス、チェコなどのビール会社が有力候補だ。北米市場ではアサヒビールの販売数量は98年は約100万ケース(1ケースは350ml24本)だが、提携関係にあるミラーの販売網を活用し、99年には倍増できる。欧米、中国の次には南米市場の開拓を目指す。
−社長就任から6年以上たった
企業は常に若返りしないといけない。タイミングの良い時期で社長交代を考えている。
・・・ビールシェアトップ返り咲きが何よりの社長退任の花道と言われていますが、さて99年に社長交代はあるでしょうか?日経の記事の見出しでは「廉価ビールで発泡酒対抗も」とあり、また12/4の記事でも「低価格ビール」と大きな見出しを使用しており、今にも出しそうな雰囲気があるが、私個人の見解としては、現在の税制のなかでは難しいのではと考える。
 そしてなんといってもアサヒへ主張したいのは「本物のビール」を提供するなら「麦100%」で つくってほしいということです。できませんか、アサヒさん。

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