2010年フォローアップと2011年展望



日経2011-1-20、ビールメーカー各社の販売計画参考。 各社の2010年当初の販売計画と実績値、2011年の販売計画をまとめた。
2010年の各社の販売計画に対する実績をみると、各社とも計画販売量は達成率が96〜98%と未達成。特にキリンとサッポロは未達成量が大きい。 2010年は各社ともビール系飲料の総需要を 2-3%減と予想しているなか、サントリーとサッポロは前年比増を目指す計画となっている。

アサヒビール

2009年は販売計画に対し、ビールは計画比101%と健闘したのに対して、発泡酒は同93%、第3のビールは同89%と計画を大幅に下回った。その結果、ビール系全体での達成率は97%にとどまった。非ビール比率は32.1%と前年より0.6ポイント増加。販売実績としては10年連続首位となった。
2011年は前年実績比0.7%減の1億7000万ケースを計画。ビールは同2.8%減、発泡酒は同22.0%減、第3のビールは同16.8%増を目指す。ビールはスーパードライでセ氏マイナス2度程度まで冷やす「エクストラコールド」を扱う飲食店を増やす。また第3のビールは、主力のクリアアサヒに加え新商品を投入する。この結果、非ビール比率は33%を超えることになる。また、海外では営業赤字が続いていた中国事業が出資先の青島ビールと現地工場の稼働率アップに努め、11年の黒字化をめざす。

キリンビール

2010年は販売計画比約4%未達成となった。達成率はビールが99%、発泡酒が101%に対して、頼みの第3のビールが90%と振るわなかった。その結果非ビール比率は65.2%(同0.8ポイント増)となった。
2011年は同2.4%減の1億6590万ケースを目標とし、ビールは同5.2%減、発泡酒は同12.3%減、第3のビールは同8.5%増を目指す。各ジャンルの比率は、ビール34%、発泡酒28%、第3のビール38%と第3のビールのウェイトを増加させる。非ビール率は66.2%となる計画。「計画はあくまで最低目標」(松沢幸一社長)とのことであるが、2009年の首位奪取のための無理な戦略が2010年は歪みとなって伸び悩んだだけに、今年はどう立て直すのかが見もの。

サントリー

サントリーの2009年は、ビールは計画比106%と好調であったものの、発泡酒は同96%、第3のビールは93%となり、全体では計画比98%となった。非ビール比率は63.2%と前年比1.5ポイント減。 2010年は、ビールは、ザ・プレミアム・モルツを前年比10.3%増の1600万ケースに設定し、ビール全体では前年実績並みとした。また発泡酒は56%減としたが、第3のビールは13.8%増とした。第3のビールは、「7種のホップ リラックス」は3月をめどに販売を終了し、4月には新商品「絹の贅沢」を投入する。計画では非ビール比率は64.5%と再び上昇させる。・・・2011年の発泡酒販売計画はわずかに185万ケース。この程度でいつまでも生産、販売を継続する意味がどれほどあるのか? 思い切って止めてしまうのはどうですか?

サッポロビール

サッポロの2010年は、発泡酒のみ計画達成率117%と計画を上回ったものの、ビールは97%、第3のビール93%と計画未達成となり、全体では達成率96%、非ビール比率42.9%となった
2011年計画は、ビールが1.4%減、発泡酒は34%減、第3のビールが11.7%増で、全体では2.3%増を計画。非ビール比率は45.0%となる。・・・発泡酒をどうするのか? 155万ケース程度を未練がましく計画なんかせず切るべきです。それができればサッポロも変われます。去年から提言しているのですが・・・


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