2009年フォローと2010年展望



日経2010-1-9、ビールメーカー各社の販売計画参考。 各社の2009年当初の販売計画と実績値、2010年の販売計画をまとめた。
2009年の各社の販売計画に対する実績をみると、各社とも計画販売量は未達成。特にサントリーとサッポロは未達成量が大きい。 2010年は各社ともビール系飲料の総需要を 2-3%減と予想しているなか、サントリーとサッポロは前年比増を目指す計画となっている。

アサヒビール

2009年は販売計画に対し、第3のビールが「クリアアサヒ」を中心に堅調にのび計画比106%となったものの、ビールは計画比96%、発泡酒は同90%と苦戦し、トータルでの達成率は97%となった。販売量17700万ケースは、キリンビールをわずかに20万ケース上回り、販売量は9年連続首位となった。アサヒは他社に比べて非ビール比率が低かったが、2009年は初めて3割を超え31.5%となった。
2010年は昨年実績比0.6%減の計画。アサヒが前年比減の計画を出すのは珍しい。ようやく現実的目標を出すようになった。主力のスーパードライは同5.1%減に対して、第3のビールは、33.5%増をみており、非ビール率は35%近くになる計画。

キリンビール

2009年は販売計画比約1%未達成となった。発泡酒が計画比約8%減となったものの、ビールはほぼ達成、第3のビールは5%増となった。その結果非ビール比率は64.4%となった。
2010年は同0.4%減を目標とした。キリンは、ビール、発泡酒、第3のビールの販売量はほぼ1/3であったが、今年はビール34%、発泡酒29%、第3のビール37%と第3のビールのウェイトを増加させる。非ビール率は66.3%となり、もはやビール会社ではなくなっている。尚、販売計画量では、アサヒをわずか10万ケース上回っている。今年は「無理に量は追わない」(松沢幸一社長)とのことであるが、昨年のめちゃくちゃな押し込みをみるとこの発言は笑ってしまいます。

サントリー

サントリーの2009年はなんとか3位はキープしたものの、ビール、発泡酒、第3のビールとも計画量未達成となった。ビールはザ・プレミアム・モルツが順調に伸びたものの全体としていは計画比4%減、第3のビールも同5%減となった。これはアサヒ、キリンの攻勢に押されたためと思われる。ただし、サッポロの敵失に救われて、3位の座とシェアはキープできた。非ビール比率は64.7%。
2010年は、ビールは前年実績並み、第3のビールは前年実績比17.6%増、トータルで同3.9%増の強気の計画を打ち出している。計画通りとなれば第3のビール比率は59%、非ビール比率は66%となる。

サッポロビール

サッポロの2009年は、第3のビールは「麦とホップ」が前年比115%増と好調であったが、それでも第3のビールは計画比2%減、ビールは頼みのヱビスが前年比2.1%減で思うように伸びず、計画比6%減、発泡酒は同20%減で、トータル同6%となった。
2010年計画は、なんと前年実績比5.0%増という、どこから出てきた数字なのか疑いたくなるものである。発泡酒など未練がましく200万ケースの計画にしているが、思い切って製品を切ることも考えてはどうか?とにかく製品戦略、コンセプトを明確に打ち出して、従業員もそれに集中させていくことが肝心である。頑張ってください。


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