2006年のフォローと2007年展望
日経産業2007-1-12参考。
上表は、各社の2006年当初の販売計画と実績値、2007年の販売計画をまとめたものである。
2006年の各社の販売計画に対する実績をみると、キリンのみ当初計画量を達成で、あとの3社は未達成に終わった。
2006年は各社ともビール系飲料の総需要を
1-2%減と予想しているなか、アサヒ以外の3社はビールに注力する姿勢を鮮明にしている。。
アサヒビール
2006年は見ていて情けないと思えるくらい必死で数字をつくってシェアトップを死守したということに尽きる。
ただ、そこまでやってでも結果を出すという底力はさすがとしかいいようがないかもしれない。
2007年は、ビールは前年実績比1.3%増にとどめて現状維持を狙い、発泡酒と第3のビールでの巻き返しを狙う戦略。
ちなみにアサヒが弱いプレミアムビールは、4%増の265万ケースが目標。
キリンビール
2006年はビールが落ち込んだものの、発泡酒、第3のビールは順調に伸ばしたことでトータルでは計画量を達成した。
上期はシェアトップとなったものの、下期のアサヒの必死の巻き返しで残念ながら年間トップは奪取できなかった。
発泡酒、第3のビールでは圧倒的に強い銘柄を持てていることが強みではあるが、非ビール率57.4%で、社名に「ビール」を
つけるのはちょっと恥ずかしいのではないか?
という声が聞こえたのか、2007年はビールでアサヒに攻勢をかけ、シェア奪還を狙う模様。ビールで17年ぶりの大型商品を
発売する。またチルド(冷蔵)ビールを含むプレミアムビールで前年比2.1倍の484万ケースを目標としている。
サッポロビール
4社の中で企業としての戦略が一番見えにくいのがサッポロである。それは結果にはっきりと出ている。なぜ、第3のビールが落ち込んで
発泡酒が計画比3割近くも増えるのか?バラバラとしかいいようがない。
2007年は、高級ビールと第3のビールに注力するとの一応戦略を表明しているが、事業的な戦略と戦術を練らないと計画の実現は難しいだろう。
ちなみにヱビスビールで前年比28%増の1300万ケースを狙い、新製品も投入して、その販促費は前年から倍増する計画という。また第3のビール
で新製品を投入して、この分野では4社中最も高い成長を見込んでいる。
サントリー
サントリーは、非ビール率63.4%が足かせになって、どうしても発泡酒や第3のビールへの依存度が高くなり、もっとも貢献すべきビールが低迷する結果となった。2007年はむしろ第3のビールは前年実績比0.2%増、発泡酒は同7.0%減として、ビールは同15.7%増と強気の計画を示した。ビールはプレミアムビールの目標を前年比2.4倍の1300万ケースとしており、販売目標は同社の看板ビール「モルツ」を上回ることになる。
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