2005年のフォローと2006年展望



日経産業2006-1-18参考。 上表は、各社の2005年当初の販売計画と実績値、2006年の販売計画をまとめたものである。
2005年の各社の販売計画に対する実績をみると、4社とも計画に達していないという情けない状況にあり、 ここにも横並び主義がでているのかと思いたくなる有様である。2006年は各社ともビール系飲料の総需要を 0.3-2%減と予想している。ただ、第3のビールや業務用ビール、高級ビールなどを中心に販売を拡大する計画である。

アサヒビール

2005年はとにかく渋々参入した第3のビール「新生」が、予想通りずっこけてしまい、慌てて「新生3」に刷新したものの 今ひとつパッとしない結果となった。その販促の影響もあり、ビールの販売量も低迷し、全体としてはシェアを0.8ポイントも 落とす結果となった。2006年はビールの拡販に力を入れるようであるが、昨年度の第3のビール失敗の反省がどれくらい 活かされるかが見物。

キリンビール

2004年が計画比大幅ダウンであったことから、2005年はやや堅めの計画であったことや、何といっても新たに発売した第3のビール「のどごし<生>」が予想以上に好評だったことに支えられて、全体としては計画比98%と4社の中では堅調であった。ただビールの低迷に歯止めを打つことができなかった。2006年は、第3のビールの拡大に力を入れる模様。確かに、発泡酒と第3のビールのシェア1位の自信がそうさせたかもしれないが、果たして第3のビールの拡大がビール系市場を狂わせることにならないか? キリンはよく考えてほしい。

サッポロビール

2005年の計画をみたときに、サッポロが何をしたいのかさっぱり見えてこなかったことを思い出す。案の定、だらし無い結果となった。企業のトップの姿勢に問題があるとしか思えない。サッポロは、自分の強みがどこにあって、それをどう活かしたらいいのかがわかる経営者がいないのだろう。これは2006年の計画をみてもよくわかる。計画はまるでキリンとサントリーを足して2で割ったような中途半端なもので、計画段階で既に前年比シェアはダウンすることになる。サントリーの足音がもうすぐそこまできているのに。

サントリー

サントリーは、発泡酒への依存度が高かったこともあり、発泡酒の落ち込みが大きすぎ、第3のビールでは挽回しきれなかった。2006年はビールと第3のビールの拡大に力をいれるようである。ビールは主力のモルツを大幅に刷新し、高級ビールの「ザ・プレミアム・モルツ」の目標を前年比4倍とし、悲願のビール事業黒字化を狙う。得意の品揃え戦略をどう活かすかである。

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