2005年販売計画



日経産業2001-1-13,2-2,2-9参考。 上表は、各社の2004年当初の販売計画と実績値、2005年の販売計画をまとめたものである。 企業の提示する販売計画というものは誰に対する約束なのか、単なる努力目標なのかは別にして各社の思惑と考え方がそのまま表れているのではないかと考える。

アサヒビール

2004年は第3のビール発売の煽りを食って発泡酒は計画に対して86%の達成率にとどまったが、ビールの健闘で全体としては計画数量をほぼ達成した。2005年計画は当初前年比1.7%増の2億740万ケースとしていたが、2/1に第3のビール参入を発表し、前年比2.9%増の2億1千万ケースに引き上げている。ビールは前年実績並みとしたが、第3のビールは2200万ケースと敢えてサッポロの数字に合わせてきたところに挑戦的なものを感じる。発泡酒との競合は必至ではあるが、キリンの第3のビール参入表明でアサヒもやむを得ず参入したと思われ、計画では発泡酒と合わせて6000万ケースと前年実績比1割増となり、第3のビールにかなり注力することが予想される。

キリンビール

数字をみてもわかる通り、2004年は計画比95%と4社中もっとも「約束」を守れていない。発泡酒の低迷の影響がもっとも大きいが、これはサッポロの第3のビールにそのまま食われてしまった結果である。それまでキリンは第3のビールへの参入を保留していたが、1/12には第3のビールへの参入を表明しており、シェア低迷を抑えるにはこれしかない!といった焦りがにじみ出ている。また、計画の数字を見ると、前年計画比かなり抑えた数字であることから、企業としてまずは「約束」を守ることを重視した数字を打ち出していることがわかる。

サッポロビール

サッポロの2004年は第3のビールが目立ってしまうが、ビールを計画以上に売り上げたことも大きい。ただ2005年の計画は企業として何をしたいのか、全く期待を持たせないような数字である。せっかくドラフトワンのヒットでシェア低迷に歯止めを打てたのに、なぜ2005年は2004年の実績以上を計画として打ち出さないのか?それとも現状に甘んじる姿勢がサッポロの理念なのか?よく理解できない。経営体質はまったく変わってないようであるし、期待もできない。

サントリー

サントリーは、ややもがき苦しんでいるように感じる。2004年は数字こそ達成率98%となったが新発売した第3のビール スーパーブルーは自社の発泡酒を食うのみで全体としての販売増にはつながらなかった。2005年は、発泡酒・第3のビールは3.4%増、ビールは11%増の計画を打ち出しており、やりたいことは非常に理解できる。

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