2003年まとめ



日経産業2003-1-16参考。
2003年のビール・発泡酒出荷量(課税ベース)は、5億1320万8千ケース(1ケースは大瓶20本換算)と前年比6.3%減少した。 ビール業界曰く「発泡酒の増税と冷夏が大きく響き」、2年連続のマイナスとなった。ビールは9.4%減と7年連続の減少。発泡酒は1.0%減で全体に占める発泡酒の割合は39.3%と前年より2.1ポイント上昇した。
各社のシェアは、アサヒ39.9%(+1.5ポイント)、キリン35.7%(-0.5ポイント)、サッポロ13.2%(-0.9ポイント)、サントリー10.4%(-0.1ポイント)、オリオン0.8%(ー)となった。
アサヒは3年連続の首位。昨年7月に発売した本生アクアブルーなどが好調で発泡酒は15.7%伸びた。しかし主力のスーパードライは前年比8.1%減少しており、ビール・発泡酒トータルでは2.6%減となった。アサヒは依然消費者を無視してシェアを伸ばす姿勢を変えておらず次の新製品が上手く育てられていない。銘柄表をみてもわかるが、スーパードライのダントツ一位は変わらないが、年々その割合が減少してきている。鳴物入りで登場した醸三昧も失敗、唯一発泡酒で1銘柄が育ったのみ。どうも次の一手が見えにくい、逆に言えば他社からみてわかりやすい、消費者からみてあまり期待ができない状態にある。正直アサヒのビールを飲むときが一番つまらない。
キリンは、シェアを落として新聞では再びアサヒに突き放されたという書かれ方をしているが、むしろビール、発泡酒ともしっかりした品揃えが整ったという印象を受ける。ただ、キリンは今後は企業としては多角化への事業展開が進むため大きな飛躍はないと予想する。ビールの銘柄別ではついに一番搾りがトップになったが、クラッシクラガーなどで主張はしているところか。発泡酒も麒麟淡麗は強さがある。
サッポロは不振が続いている。ビールは前年比7.9%減、発泡酒は19.0%減。ここまで来ると経営の問題と言わざるを得ない。社内の保守的な抵抗勢力の一掃を早く実行しないと、北海道の地ビールになってしまう。今年になってちょっと変化を感じるが、やはりもっと大胆さがほしい。
サントリーはビールの減少は6.0%と5社中もっとも小さかったが、発泡酒は7.7%減となりシェアを落とした。発泡酒依存率が66.5%と高いため、去年の発泡酒事業の迷走が不振につながった。どうも発泡酒出荷にこだわりすぎて、限定商品を出しすぎ、主力商品拡販への戦力が分散したように見える。今年は余程戦略を変えないと悲願のビール・発泡酒事業黒字化は夢に終わるでしょう。
・・・結果論からいうと、アサヒの一人勝ちであるが、プロセスを見ると、必ずしも勝ち組はなくて、業界全体が負け組になっている。横並び主義の好きな業界であるが、それならいっそのこと業界活性化のため横並びで何か仕掛けを考えてはどうだろうか?

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