ビール大手5社が今年上半期のビール・発泡酒の出荷数量(課税ベース)を発表した。
ビールは前年同期比11.3%減、発泡酒は同2.0%減、合計は同7.7%減となった。
シェアはアサヒが39.2%でトップとなり、次いでキリン35.8%、サッポロ13.3%、サントリー10.9%と
なった。全体に占める発泡酒の構成比は前年同期比2.4ポイント上昇し、41.3%まで高まった。
当HPで提唱してきた発泡酒依存率をみてみると、サッポロのみが計画比依存率を下げていることがわかる。
現在のビール・発泡酒市場のなかでシェアをキープするには、発泡酒に依存せざるをえない状況において、
サッポロhは鳴り物入りの「鮮烈発泡」を発売後3ヶ月で販売中止に追い込まれており、戦略の甘さが露呈して
いるといえる。サントリーはシェアは過去最高の10.9%になった背景には、68.9%という高い発泡酒依存率に
あると見て良いが、上半期後半に低迷が見られるため、相当のテコ入れをしないと下半期は苦戦が予想される。
キリンは新聞紙上では好調と伝えられているが、よく分析すると昨年のトータルシェア36.2%に比べると0.4ポイント
も低下しており、発泡酒の淡麗シリーズは好調というより計画通りに対して、ビールが予想以上に低迷していると
言え、必ずしも楽観はできない。
アサヒは、本生がついに銘柄別で第3位までになったが、第1位のスーパードライの落ち込みに歯止めをかけられておらず、
今年久しぶりに出したビール新製品の「穣三昧」はまったくの不振であり、かつてのキリンがそうであったように「奢り」から
くる甘さが全体的ににじみ出ているように感じる。
いずれにしても各社とも、このビール・発泡酒市場の低迷に危機感を感じてほしい。
我々としては、「うまいビールをおいしく飲みたい」 それだけである。
消費者を無視した経営姿勢はいずれしっぺ返しとなることに気がついてほしい。
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