2002年まとめ



日経産業2003-1-17参考。
2002年のビール・発泡酒出荷量(課税ベース)は、5億4742万2千ケース(1ケースは大瓶20本換算)と前年比2.6%減少した。 ビールの低迷に加えて発泡酒の伸びも鈍化し、2年ぶりのマイナスとなった。ビールは10.9%減と6年連続の減少。発泡酒は15.6%増で全体に占める発泡酒の割合は37.2%と前年より5.9%上昇した。
各社のシェアは、アサヒ38.4%(-0.3ポイント)、キリン36.2%(+0.4ポイント)、サッポロ14.1%(-0.9ポイント)、サントリー10.5%(+0.8ポイント)、オリオン0.8%(ー)となった。
アサヒは2年連続の首位は守ったが、発泡酒は20.5%伸びたが、主力のスーパードライの減少を完全には補えなかった。今年はこのままでは、更にシェアを落とすことは必至であり、次の一手が必要なところである。銘柄別で見るとよくわかるが、ベスト9の中で、スーパードライと本生しかない。そしてそのスーパードライが2位以下を大きく引き離しているところである。アサヒは今もシェア重視政策は変わらず、今年は発泡酒でも麒麟淡麗に追い付くくこと目指すらしいが、それが自社のビールシェア低下に影響する可能性が大であり、結果的にシェアアップにつながらない可能性が大きい。もう少し消費者の側に立った商品戦略を考えてほしいものだ。
キリンは、ここ数年続いてきたシェアの低下に歯止めがかかったというところ。銘柄別でもビール・発泡酒でそれぞれ2銘柄ずつがランクインしており、かつての主力のラガーの落ち込みが大きいとはいえ、幅広い商品戦略でシェアアップにつなげてきたと言える。
サッポロは重傷というより重体かも。とにかくやることなすこと全てが後手後手になっており、その場しのぎの戦術しかみえず、 経営の戦略が全然見えない。ビールも発泡酒も低迷しており、毎日、キリンの動きに振り回され、サントリーの足音におびえているといったように見えます。
サントリーはビールの減少は5社中もっとも小さく、発泡酒は品揃えで堅実に伸ばした結果、2年ぶりにシェア10%台を回復した。出荷量も過去最高となった。ただ発泡酒依存の体質は変わらないため、今年の増税をどう乗り切るかがポイントになりそう。
・・・シェアからみると2強2弱であるが、内容や伸び具合からみると、サントリーが最も元気で、次いでキリンはようやく復活の軌道に乗ってきたというところである。そんな中アサヒは行き詰まり状態、サッポロは迷走状態でしょう。とは言え、スーパードライはビール・発泡酒の中で2位以下を大きく引き離して29%を占めているというのは驚きだ。これは我々消費者にも同じ様なものしか口にしない画一的な味覚となってしまったという反省が必要ではないだろうか。

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