スルメイカに寄生するアニサキスの減少

 この約10年間でスルメイカに寄生するアニサキスの数が減少してきている。アニサキスが寄生している宿主の資源量のデータを見てみると、終宿主である海獣類や待機宿主であるスルメイカ、アジ、サバなどに大きな減少は見られず、唯一オキアミだけが減少しているという報告がある。その原因はオゾンホールの拡大による有害紫外線量の増加が、オキアミの餌となる植物プランクトンに影響を与えているためである。つまり、アニサキスの減少はオキアミの減少によるものであり、それらはオゾンホールの拡大がもたらしているものだといえる。