今月の話題 2004年4月

“中高年の擬似アトピー?”
作成 たらお皮膚科

@重症  “擬似アトピー?” A軽症  “擬似アトピー?” 典型的な“擬似アトピー?” アトピー性皮膚炎

今まで、教科書には記載がありませんので、臨床皮膚科医としての「私見」を述べます。


最近、40才台〜60才台の方で、主に女性(男性もあるが少ない、または受診されないので少ないのかは不明)で、
主に前頚部または側頚部、時に顔面に、乾燥傾向を伴う紅斑、軽い鱗屑(皮が細かくめくれる)ができ、手で触るとカサカサまたはザラザラする患者さんが多くなって来ています。
典型的なアトピー性皮膚炎とは、皮疹の形状がやや異なります。また、通常のアトピーのように、四肢などには皮疹がない場合もあるし、四肢や躯幹にも同様の皮疹をみる場合もあります。
季節やストレスや日によって悪化、軽快を繰り返します。
かゆみや軽度の痛みを伴うことが多いのですが、ステロイドやプロトピックなどを使用しない限り、仕事が出来なくなるほど重症には至りません。
原因は、全く解っていませんが、体質の他に、更年期に伴うホルモンの変化、空気や水道水などの環境汚染や、乾燥などの季節的な因子、ストレス、老化(皮膚が薄くなる、乾燥傾向になる)、石鹸やシャンプー、食事などの影響が考えられます。