今月の話題2004年2月

アトピーは誰が治すの?

作成 たらお皮膚科

たらお皮膚科に通院中のアトピーの患者さんが、「1年通ったけどまだ治りません」とおっしゃることがあります。
このような患者さんは、「医者がアトピーを治してくれる」と思い込んでおられるようです。
もし、医者が薬で治してくれるとしたら、その薬はたいていステロイドまたはプロトピックだと思います。
例外的に“泥パック”はありますが、これは常時使用するものではありません。
アトピーは、患者さん自身が治す病気なのです。
治療方針に書きましたように、たらお皮膚科では、ステロイドやプロトピックなどの、将来重大な副作用が出る
可能性がある薬は使用しないで、生活習慣の改善を柱に、時には保健診療で処方できる薬(外用薬・内用薬)も併用しながら、皮膚炎の自然治癒を促進します。
アトピーは、通常は季節によって変動するので、ステロイドやプロトピックを使用しなければ1年中皮膚炎が続くことはまづありません。

患者さんと医師の二人三脚で、皮膚炎の予防法および治療法を考え、実行して行きます。

患者さん自身が何もしないで、薬のみで治そうとされる方は、たらお皮膚科に通われても治らないでしょう。
なお、ステロイドを使用されたことがある場合は、まずステロイドについての理解が必要です。
ステロイドというのは止めてから長期に渡って、過去に使用した薬(ステロイド)の影響がでるからです。また、ステロイドを使用された場合は、使用を止めた後も、他の外用薬や内服薬の副作用が出やすいので充分な理解が必要です。
詳しくはこちらをご覧ください。

遠方の方が早く治癒し、近所の方が治りにくいのはなぜ?

遠方で、メールが使用できる場合は早く治ります。インターネットで調べ尽くし、わらにもすがる状況なので、真剣に取り組んでいただけます。またメールなので、アドバイスもズバリ必要なことをお伝えできます。
それに対し、近所の方は、医師のアドバイスより、「薬」で治そうと思っておられることが多いためなかなか完治しません。実際ステロイドやプロトピックを使用し、薬が効かなくなったり、副作用がでてからしか耳を傾けていただけない患者さまが多いのも事実です。どうかこれらの薬を使用される前に、真剣になって考えられるようお願いします。