今月の話題2001年8月 作成 たらお皮膚科
“湿疹”と誤診された皮膚がん

“湿疹”と誤診された皮膚がん
(ボーエン病)


この患者さんは、ある病院で6ケ月前診察を受けられ、軽いかゆみがあったため、ステロイド外用剤(リンデロンVG軟膏)を処方されました。時々塗布されていましたが、かゆみは少し改善するものの、皮疹が消えないため、再度同じ病院を受診され、かゆみが楽になる様なら続ければ良いと言われましたが、治らないことに疑問を持たれ、当院(たらお皮膚科)を受診されました。一目みれば湿疹ではなく、ボーエン病であることが解かります。またステロイドを塗布しても改善しないというのも参考になります。手術を行い、病理組織検査の結果、皮膚の悪性腫瘍(表皮内癌のひとつ)のボーエン病であることが解かりました。かゆみ=ステロイドという発想は大変危険です。このことはでも詳しく解説しています。