今月の話題 2000年9月 
帯状疱疹
作成 たらお皮膚科

48才の男性に生じた帯状疱疹 65才の男性に生じた帯状疱疹


帯状疱疹は水痘ウイルスが原因で発病する、主に皮膚と神経を侵すウイルス性疾患です。体の左右の半身に疼痛を伴う水疱をみたらほぼ診断に迷うことはありません。初期の神経痛だけの時期や、皮疹の数も少なく、断定できない時は経過を良く観察する必要があります。

軽症から入院治療が必要な段階まで個人差の大きい病気です。一般的には、高齢者ほど痛みが残る傾向があります。帯状疱疹後神経痛と言って長年に渡り神経痛のみが続くことがあります。治療は早期に正しい診断をして、安静にして抗ウイルス薬の内服薬を使用します。軽度の場合は外用薬のみでよいこともあります。顔面で目の周囲の場合(三叉神経第一枝)、疼痛が激しい場合、癌や膠原病や重い糖尿病などを合併している場合などは入院して治療(点滴と安静)する場合もあります。

水痘にかかったことがない方に、水痘という病型で伝染する場合があります。帯状疱疹から帯状疱疹という病型で伝染することは稀です。

ステロイド外用薬を使用してはいけません。なお汎発性の帯状疱疹は内臓悪性腫瘍を伴う場合があります。