プロトピック軟膏は1999年11月24日発売されたばかりのアトピー性皮膚炎の治療薬です。外国で臓器移植の際、拒絶反応を抑制するために使用される免疫抑制剤、タクロリムス(商品名;プログラフ)を軟膏にしたものです。プログラフは、腎障害、高血糖、高カリウム血症、胸痛、振戦などの副作用が知られています。また、承認時までの使用症例は1230名であり、使用された期間も承認時の時点では最長2年であり、世界に先駆けて日本で始めて臨床の場で使用されることになりました。ステロイドではありませんが、ステロイド以上に慎重に判断すべきだと考えます。
びらん、ひっかき傷には使用しないこと
16才未満、妊婦、授乳婦には使用しないこと
主な副作用は、皮膚刺激感、皮膚感染症などであるが、海外では皮膚がんが発生したとの報告がある。
私見 |
プロトピック軟膏の現在までの評価(当院では処方していません) | |
1 | 刺激感が強く使用できずに、すぐに中止した。 |
2 | あまりに良く効いたので怖くなってすぐに中止した。 |
3 | 顔面に使用した際、ステロイドより有効だが、中止するとまた再発するので、ステロイドと同じだと思って使用を止めた。 |
4 | 顔面に使用した際、ステロイドより有効で、良くなったら中止し、悪化したら使用しているが、不安がある。 |
5 | 治癒してしまったかたがあるかどうかは不明です(受診されない?)。 |
6 | プロトピックを塗布した部位はステロイドを塗布した部位よりさらに治りにくい。 |
結論;私はステロイド外用剤の最も大きな副作用が、免疫抑制作用に基づくリバウンド現象なので、プロトピック軟膏はさらに免疫抑制作用が強いと考えられているため、現在は大きな副作用がない様にみえても、はじめから使用されないことをお勧めします。使用しなくても治る方法があるからです。
発売されて3年以上経って、プロトピック軟膏を使用した部位は、かってステロイドを使用した部位よりさらに、治りにくい方がみられます。なお、プロトピック軟膏を使用された場合は、頚部などのリンパ腺が腫れていないかを確認する必要があります。(発癌の可能性の観点から)