血液検査のみかた |
たらお皮膚科では、血液検査をした場合患者様に結果をお渡しします。もし、異常のマークがありましたら、これを参考にしてください。詳しくは診察の際にどうぞ。
検査法 | 意義 正常値 |
異常をみる疾患 | |
肝機能 | GOT(AST) および GPT(ALT) |
肝臓や心臓、肺などに含まれる酵素。細胞が破壊されると高値になる。 低値が問題になることはない。 |
軽度の異常(100以下)は肝臓に何らかの障害があると考えられる。脂肪肝、アルコール性肝障害、胆道系疾患、慢性肝炎などが多い。鑑別には他の検査や画像診断が必要。GPTのみの異常は肝疾患(脂肪肝、慢性肝炎)である。GOTのみの異常は採血時のも病気も含め溶血や肝硬変であることが多い。しかし、原因不明の場合もある。GOT(AST)およびGPT(ALT)が著しく高い場合は、急性肝炎(特にAおよびB型)、アルコール性肝炎などである。中程度の上昇は肝疾患(脂肪肝、慢性肝炎、肝硬変、肝細胞癌など)、多発性筋炎、溶血性疾患、心筋梗塞などである。 |
LDH (乳酸脱水素酵素) |
体内組織に広く分布し、それぞれの臓器などの障害とその程度に応じて上昇する。全身的な細胞損傷の有無を知るためのものである。また、採血後長く放置された血液や溶血した血液では高値になる。 | 心筋梗塞、肺塞栓、悪性貧血、急性肝炎、白血病、消化器癌などで上昇する。どの臓器の損傷かを調べるにはアイソザイム分析をする。皮膚の場合は皮膚炎の重症度や皮膚炎の範囲、かき傷の程度を現す。 | |
ALP (アルカリホスファターゼ) |
アイソザイムの分析で肝臓、骨、胎盤、小腸などに多い。小児では成人の3倍〜5倍までは高い。 | 血液型がB型、O型の人は10〜20%高い。ALP軽度上昇はたいていこれによる。妊婦は30週以降2〜3倍まで上昇する。γGTPとともにALPが上昇するのは、肝胆道系疾患であるが、画像診断法が鑑別に役に立つ。ALP(アルカリホスファターゼ)が高値を示す場合で、黄疸のない時は肝硬変、肝細胞癌、胆嚢癌、その他の肝疾患や骨疾患、バセドウ病、慢性腎不全、悪性腫瘍などを考慮する。黄疸のある時はウイルス性肝炎、アルコール性肝炎、薬物性肝障害、閉塞性黄疸など。 | |
γGTP(γ―グルタミールトランスペプチダーゼ) | 胆道系酵素のひとつで、胆汁流出障害時に上昇する。 | 上昇は、胆汁うったい、限局性肝病変(肝細胞癌、転移性肝癌など)、急性および慢性肝炎、肝硬変、 アルコール性肝障害、薬剤性など。特に飲酒状態をよく反映する。 | |
ZTT | 血清膠質反応 | IgGと強い相関性がある。今はあまり使用されなくなった。 | |
ビリルビン | 綜ビリルビン、間接ビリルビンがある。 | 急性肝炎、肝硬変、体質性黄疸、閉塞性黄疸などで上昇。 | |
コリンエステラーゼ | 蛋白合成を示す優れた肝機能検査である。 | 低値は、肝硬変症、肝細胞癌、癌、栄養失調、消耗性疾患など。 高値は、脂肪肝、肥満、ネフローゼ症候群、甲状腺機能亢進症、糖尿病など。 |
|
末梢血 | WBC ( 白血球数) |
感染症、ステロイド剤で増加。 | |
RBC ( 赤血球数) |
貧血の際は減少。貧血の原因は出血、溶血、産生低下である。逆に赤血球数の増加する多血症は、原因不明の真性多血症と、動脈血酸素飽和度低下による二次性多血症と、血液凝縮による相対的多血症がある。真性多血症は心筋梗塞や脳血管障害など血栓や出血の合併症を伴いやすい。 | ||
ヘモグロビン(血色素) | 血液の濃さを現す目安。貧血の診断、鑑別に重要。 | ||
ヘマトクリット値 | 血球成分の全血に対する割合を%で示したもので、貧血の診断、鑑別に重要。 | ||
MCV (平均赤血球容積) |
これらの値は貧血の型を知るのに有用。低値で、日常多いのは鉄欠乏性貧血で、女性に多い。軽いものは日常的にみられる。月経過多、妊娠、痔出血、消化性潰瘍など。中年以後の女性では子宮筋腫などを疑い、男性では癌性貧血などを疑って検査の必要がある。 | ||
MCH (平均赤血球血色素量) |
|||
MCHC(平均赤血球血色素濃度) | |||
血小板 | 減少すると血が止まりにくくなったり、出血する。血小板はいろいろの条件により変動しやすので、異常のある場合は数回測る必要がある。 | 日常多いのはウイルス感染症による一過性の減少症である。その他日常比較的多いのは、自己免疫疾患の特発性血小板減少性紫斑病(慢性型)である。その他重篤な疾患に、再生不良性貧血、急性白血病、全身性エリテマトーデスなどがある。 | |
血液像 (年令により分布が異なる) |
顆粒球(好中球) 40,0〜60,0 |
遊走、貪食、殺菌、消化などの感染を防ぐ作用がある。 | 好中球が増加する疾患には感染症、炎症、ステロイド投与、急性出血・溶血、悪性腫瘍などがある。また好中球が減少する疾患にはウイルス感染症、薬剤、放射線照射、膠原病などがある。 |
リンパ球 26,6〜46,6 |
免疫機構の主役を担う。 | リンパ球が増加する疾患にはウイルス感染症、バセドウ病などがある。リンパ球減少は感染症、炎症、ステロイド投与、急性出血・溶血、悪性腫瘍などがある。 | |
単球 2,3〜7,7 |
|||
異型リンパ球 0 |
ウイルス性疾患(伝染性単核球症、流行性耳下腺炎、麻疹、風疹、帯状疱疹、単純疱疹、インフルエンザ、急性肝炎など)や、猩紅熱、結核、アレルギー疾患、薬剤中毒などである。 | ||
好酸球 0,2〜6,6 |
アレルギー性鼻炎やアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患や寄生虫疾患で高いことが多い。 | ||
好塩基球 0,0〜1,0 |
|||
形質細胞 0,0〜0,3 |
|||
溶連菌感染 | ASO | ASO はA群溶連菌が産生する菌体外毒素(ストレプトリジンO)に対する抗体価である。 | A群溶連菌感染後3週間で上昇し、2ケ月くらい持続して低下する。1回の測定ではたとえ高値であっても新しい感染か古い感染かを区別できない。たとえ高値であっても単に溶連菌感染の既往を示すのみである。溶連菌感染の診断には2週間の間隔で2回測定して、上昇すれば最近の感染、低下すれば古い感染と言える。ただし、溶連菌感染があってもASOは上昇しない場合もある。また一般に乳幼児や高齢者では抗体価が上昇しにくい。溶連菌感染症には、猩紅熱、リウマチ熱、、急性糸球体腎炎、扁桃腺炎、歯科疾患などがある。皮膚科では、溶連菌感染の関係する疾患は、掌踵膿胞症、アレルギー性血管性性紫斑病、急性汎発性膿疱性細菌疹、乾癬(特に類乾癬)などである。 |
炎症反応 | CRP (C−反応性蛋白) |
肺炎双球菌のC蛋白と反応する蛋白として発見されたことがこの名称の由来である。(肺炎双球菌の感染という意味ではない) | 体の中に原因を問わずに壊死(細胞が死ぬこと)組織があると陽性に出る。つまり、炎症のマーカーである。CRPは赤沈(もう一つの重要な炎症マーカー)に先立って陽性となり、CRPの陰性化より遅れて赤沈は正常化する。ただし、一致しない疾患もある。細菌感染症(肺結核では活動度を反映)、癌(広範な転移、悪性リンパ腫など)、リウマチ熱、慢性関節リウマチなどの膠原病では強い反応が出る。また心筋梗塞、肺梗塞、外科手術後、分娩後や何らかの理由で組織崩壊がある時陽性になる。発熱疾患では高熱になるほど陽性率が高く、38度以上では70〜80%が陽性になる。 |
赤沈 | 炎症のスクリーニング。病勢の経過や治療効果の測定に有用。赤沈の変動はCRPよりも遅れる。 | 亢進する疾患;多発性骨髄腫、マクログロブリン血症、肺結核、敗血症、肺炎、癌(広範な転移、悪性リンパ腫など)、リウマチ熱、慢性関節リウマチなどの膠原病、心筋梗塞、悪性腫瘍などの組織崩壊、各種貧血、低アルブミン血症、妊娠 遅延する疾患;DIC、赤血球増多症 |
|
免役グロブリン | IgG | 639〜1349mg/dl(成人) | 慢性肝障害、自己免疫性疾患、悪性腫瘍で増加。感染が慢性化すると増加。 ネフローゼ、免役不全症、免役抑制剤の投与で低下。 |
IgA | 70〜312mg/dl(成人) | 慢性肝障害、自己免疫性疾患、悪性腫瘍、アルコール性肝障害、IgA腎症で増加。感染が長期化すると増加。免役不全症で低下。免役抑制剤の投与で低下。 | |
IgM | 56〜352mg/dl(成人) | 慢性肝障害、自己免疫性疾患、悪性腫瘍、ネフローゼ症候群で増加。感染症の初期に増加するので診断に有用。免役不全症で低下。免役抑制剤の投与で低下。 | |
IgD | 0.01〜36.5mg/dl(成人) | IgD型骨髄腫で増加。免役不全症で低下。免役抑制剤の投与で低下 | |
IgE― RIST |
血清中の免疫グロブリンIGEの総量を測定する方法 | 喘息、アレルギー性鼻炎やアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患や、寄生虫疾患、ホジキン病、一部の原発性免役不全症などで高いことが多い。 低値は病態診断の参考にならない。 | |
IgE― RAST |
ある種のアレルゲンに特異的に反応する血清中の免疫グロブリン(IGE抗体)を測定する方法 | アトピー性皮膚炎では、ヤケヒョウヒダニ、ハウスダスト、卵、牛乳、小麦、米などの抗体価を調べる。値が高いものが原因とは限らない。皮膚に異常のない人もこれらの抗体価が高い場合も多い。あくまで参考にすぎない。 | |
梅毒 | ガラス板法 | 性病のひとつ梅毒にかかったことがあるかどうかを調べる。 | 早期(感染後4〜6週間)で陽性に出るが、梅毒以外の疾患でも陽性に出ることがある(生物学的偽陽性)。全身性エリテマトーデス、妊娠、肝疾患、悪性腫瘍など。 |
TPHA | 性病のひとつ梅毒にかかったことがあるかどうかを調べる。 | 感染して梅毒第2期(感染後3ケ月)以降は陽性に出る。一度感染すると治癒(伝染力がなくなること)しても、陽性反応は一生涯続く。稀に非特異反応あり。 | |
クラミジア | クラミジア | 最も多い性感染症である、クラミジア・トリコマティスの感染を知る。 | 男性では急性尿道炎、女性では帯下感や下腹部痛がみられることもあるが、多くの場合自覚症状はなく感染後時間が経つと感染が腹腔内へ進み、卵管閉塞などを起こし、不妊症の原因となる(HSP60という蛋白による免疫反応によると言われている)。クラミジアの抗体価測定は1〜2回の検査が必要である。 |
ウイルス(皮膚疾患) | ウイルス抗体価 | ウイルス感染症は臨床症状を優先して治療するべきである。なぜなら検査結果で診断がつくのは2週間以上かかるからである。 | 特に風疹の可能性のある場合に有用である。普通2回測定する必要がある。その他麻疹、単純ヘルペス、水痘・帯状疱疹ウイルスの抗体価も測定可能であるが、単純ヘルペスは再発の場合は抗体価の変動がない。 |
膠原病 | 抗核抗体 | 抗核抗体とは、細胞核内にある抗原性物質に対する抗体群の総称である。 | 陽性になる疾患は、膠原病が代表であるが、自己免疫性疾患やEBウイルス感染症でも軽度陽性になることがある。 |
リウマトイド因子(RAテスト) | 免疫グロブリンIGGに対する自己抗体(IGM−RF) | 慢性関節リウマチでは70%位陽性になるが、その他の膠原病、肝疾患、感染症、珪肺でも陽性になることがある。健康な人でも2%位陽性に出る。 | |
CPK(クレアチンキナーゼ) | CPK(クレアチンキナーゼ)骨格筋、心筋、平滑筋、脳などに分布する酵素で、これらの臓器に障害がある時高値を示す。 | 高値は皮膚科では皮膚筋炎がもっとも多い。低下する疾患は甲状腺機能亢進症、膠原病、多種の薬剤、妊娠、アルコール性肝障害などである。 | |
甲状腺 | FT4、TSH(甲状腺刺激ホルモン) | 組み合わせて甲状腺の機能異常を知ることができる。 | FT4高値、TSH低値は甲状腺機能亢進症。 FT4低値、TSH高値は原発性甲状腺機能低下症。 |
血清蛋白 | 総蛋白およびA/G比 | 総蛋白は6.5〜8.2g/dl. A/Gは1.1〜2.0 |
|
蛋白分画アルブミン | 肝細胞で合成され、血清蛋白の60〜70%を占める。 | 全身状態の良否の判定の参考になる。 急性炎症型、慢性炎症型、急性肝障害型、蛋白不足型、ネフローゼ型、妊娠型、蛋白欠乏症型で低下 |
|
蛋白分画α1グロブリン | 3.0〜4.3%(測定法により異なる) | 急性炎症、ストレス、慢性炎症、悪性腫瘍、自己免疫疾患で増加 急性肝障害型で低下 |
|
蛋白分画α2グロブリン | 8.8〜11.5% | ネフローゼ型、急性炎症、ストレス、慢性炎症、悪性腫瘍、自己免疫疾患で増加。 急性および慢性肝障害型で低下。 |
|
蛋白分画βグロブリン | 7.7〜9.9% | ネフローゼ型、妊娠型で増加。 急性肝障害型、蛋白不足型で低下 |
|
蛋白分画γグロブリン | 17.8〜24.3% | 慢性肝障害、慢性感染症、悪性腫瘍、自己免疫疾患で増加。リンパ性悪性腫瘍、免役抑制剤、放射線照射、ネフローゼ型で低下 | |
脂質代謝 | コレステロール | 総コレステロール130〜220mg/gl、HDLコレステロール40mg/dl、LDLコレステロールを同時に量るとよい。 | 高値;家族性、糖尿病、甲状腺機能低下症、肥満症、妊娠、ストレス、ステロイドの長期使用、経口避妊薬、腎疾患、糖・脂質代謝異常、肝・胆道疾患、脂肪摂取過多 低値;家族性、肝細胞障害、甲状腺機能亢進症、アジソン病、悪液質、貧血、IVH、吸収不全症候群 |
トリグリセライド(中性脂肪) | 35〜150mg/dl | 脂肪、炭水化物、カロリー摂取量と関係あり。食後4〜6時間がピークになる。 高値;家族性、高脂肪、高炭水化物、高カロリー、アルコール摂取、糖尿病、肥満、妊娠、甲状腺機能低下症、膵炎、ネフローゼ、完全飢餓 低値;甲状腺機能亢進症、副腎不全、肝疾患、悪液質、飢餓、吸収不全 |
|
電解質 | Na(ナトリウム) | 135〜145mEq/l | |
K(カリウム) | 3.5〜5.0mEq/l | ||
Cl(塩素) |
96〜108mEq/l | ||
Ca(カルシウム) | 8.5〜10.3mg/dl | ||
P(リン) | 2.6〜4.5mg/dl | ||
腎機能 | 尿素窒素(BUN) | 9〜20mg/dl | 高値;腎機能障害、脱水症、高蛋白食、消化管出血、発熱、絶食、感染症、重症疾患、手術、ステロイド大量投与、甲状腺機能亢進症など。 低値;低蛋白食、肝不全、妊娠、尿崩症 |
クレアチニン(血清) | 成人男子;0.17〜0.50mg/dl 成人女子;0.35〜0.93mg/dl |
日内変動が大きく、15〜19時が最高。屈強な若者では高く、妊娠や長期ねたきりの場合は低値。高値;腎疾患、腎不全、心不全、脱水、火傷、巨人症、甲状腺機能低下症 低値;筋ジストロフィー、過剰輸液 |
|
代謝異常 | 尿酸 | 成人男性4.0〜7.0mg/dl 成人女性3.0〜5.5 |
高値;痛風や尿路結石が問題になる。特発性、アルコール摂取、悪性腫瘍、多血症、乾癬、脂質代謝異常、腎障害、脱水症、薬剤(サイアザイド、フロセミド、エサンブトールなど)。 低値;尿路結石が問題になる。キサンチン血症、原発性、薬剤、尿細管障害 |
血糖 | 65〜105mg/dl | 高値;糖尿病、膵炎、膵癌、クッシング症候群、甲状腺機能亢進症、ステロイド投与、経口避妊薬、サイアザイド、カテコラミン、肝硬変、慢性肝炎、脂肪肝、飢餓、低栄養、高脂肪・低糖質食、妊娠、老化、肥満、ストレス、高脂血症、感染症、胃切除後など。 低値;膵疾患、副腎機能低下症、甲状腺機能低下症、間葉系腫瘍、胃切除後、 肝疾患、絶食、激しい運動、授乳、腎性糖尿、インスリン、アルコール |
|
HgA1c | 4〜6% | 赤血球が骨髄で作られてから破壊されるまで(通常120日)の間に曝されていた平均的な血糖値を反映する。赤血球が短縮する病態(溶血性貧血や大出血)では低下する。 | |
腫瘍マーカー | AFP | 急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変症、肝細胞癌、糖尿病、腎不全、胃癌、乳児の肝障害 | |
PIVKA U | 肝細胞癌診断の補助とビタミンK欠乏症の診断。 | ||
CEA | 大腸癌、胃癌、肺癌、甲状腺髄様癌、乳癌、膵癌、卵巣癌(早期発見には役立たない) | ||
CA19-9 | 疑陽性も多い。膵臓癌、胆道系の癌、膵炎、黄疸、肝硬変、胆嚢炎、大腸癌、胃癌、子宮癌、卵巣癌、肺癌などで陽性になることがある。。 | ||
肝炎ウイルス | HBsAg | B型肝炎ウイルス抗原 | |
HCVAb | C型肝炎ウイルス抗体 | ||
貧血 | 血清鉄 | 男性;59〜161μg/dl 女性;29〜158 |
血清鉄とTIBCを組み合わせて判断する。 血清鉄低値・TIBC高値=鉄欠乏性貧血、潜在性鉄欠乏 血清鉄低値・TIBC正常ないし低値=感染、腫瘍などに伴う二次性貧血 血清鉄高値・TIBC正常=鉄過剰症、再生不良性貧血、白血病、溶血性貧血 |
総鉄結合能 TIBC |
男性;260〜398μg/dl 女性;261〜421 |
||
フェリチン | 成人男性10〜190ng/ml、 成人女性5〜80ng/ml |
低値;鉄欠乏性貧血。鉄補充療法の指標としても用いられる。正常値になれば鉄補充を中止する。真性多血症、潜在的鉄欠乏状態。 高値;再生不良性貧血、悪性貧血、輸血、ヘモクロマトーシス、肝炎、膵炎、悪性腫瘍、膠原病、炎症性疾患 |
|
エリスロポエチン | 腎臓で産生される分子量3.4万の糖蛋白で、赤血球産生を一時的に支配する造血因子。 | 慢性腎不全の貧血では常に低値。急性白血病や骨髄異形成症候群では上昇するが、症例差も大きい。 | |
出血 | 出血時間 | 血小板の数、機能、血管壁機能の異常が総合的に反映される。 | |
凝固時間 | 基準値は10+(−)2分 | 血友病、肝疾患、DIC、ヘパリン、ワーファリン治療中で延長 |
参考文献;日本医師会雑誌 臨時増刊VOL、112 NO、6 臨床検査のABC 編集/河合 忠、橋本信也