ジベルばら色粃糠(ひこうしん)

作成 たらお皮膚科

典型的な例の早期病変(発病1週間)

一目でジベルと診断可能な典型例

散在性だが典型的な皮疹

ピーク時の皮疹


一ケの皮疹の拡大

水疱形成をみる皮疹
治療前 1週間治療後(処方4外用のみ)


現在では、炎症性角化症という疾患の一つという考え方が一般的です。

原因は不明のことが多いのですが、何らかのウイルス(ヒトヘルペスウイルス7型)や肺炎マイコプラズマと関係があると言われています。軽い感冒の症状が先行することがあります。家族内感染は稀です。春と秋に多い傾向があります。

普通は腹部、胸部、大腿、上腕などに初発疹と言って、長径1〜5p大の、長円形で辺縁または、辺縁のやや内部に鱗屑(薄い皮めくれ)を付けた紅斑(メダル斑)がみられます。1〜2週間以内に類似の皮疹が躯幹、四肢に日毎に増えて来ます。通常顔、頭、手、足にはできません。丘疹(ブツブツ)や水疱、色素沈着をみることもあります。稀にこれらの好発部位と反対の部位に出る場合(私は逆ジベルと言っています)があります。また、通常は左右対称性にでますが、時に片側性で、腋窩や鼠径部にかなり限局して、比較的少数の大きな癒合局面がみられる限局型もあります。特徴的な皮疹の配列を示すので、皮膚科専門医がみればすぐに解ります。

一般的にステロイド外用薬が使用されていますが私はお勧めしません。何故なら、ジベルばら色粃糠疹は、アトピーの方に多い傾向がある様に思うからです。ジベル粃糠疹様の皮疹を毎年の様に繰り返す方があります。私見ではありますが、そういう方はアトピー性皮膚炎の一つのタイプと考えたほうが良いように思っています。なおステロイド(内服、外用、注射いづれも)を使用するとこんな状態になることがあります。

マイコプラズマの感染がある時はマクロライド系やテトラサイクリン系の抗生物質が必要なことがあります。ステロイドの内服は特別な場合を除き、お勧めしません。(一般に内科、時に皮膚科でも日常的に、湿疹があるとセレスタミンやプレドニンなどのステロイドの内服薬が処方されることが多いです)

なお、梅毒(性病)のバラ疹と皮疹が類似しているので、心配な方は血液検査を受けてください。当院でも検査を行っています。