エニアグラム性格学の基本理論4つ目の理論 ウイング理論 円周上のあなたの立っている地点を詳しく知るために ウイング理論があります。基本タイプが同じでも立って いる地点が少しズレるだけで、性格が違ります。 これを 「ウイングが異なると性格が異なる」と言います。 ウイングが異なると、一見しただけでも性格は全く異 なるように見えます。また、かもし出されている雰囲気 も相当に違いますから、ウイングについての見方を知ら ないと混乱します。 例を上げると、同じ基本が【タイプ2】の人でも【ウ イング1】の人はかなり几帳面で、真面目で優等生的で、 硬くて、細かいことに気づき、抑制的で協調性が少ない という性格になります。 そして、【ウイング3】の人は、几帳面さが少なくなり その代わり丁寧で柔軟になります。また、カッコウをつけ て要領よく、自分を隠すようになり協調性が高くなって来 ます。 ![]()
そして、このどちらにも属さず、ウイングが見つからない場 合は、【ウイング2】と呼びます。この【ウイング2】の人は 先に上げた二つの性格の中間点にいて、そのどちらとも言えな い性格です。ですから、「大胆・おおまか・直情的・自分をは っきりと出す・協調性が良いとも悪いとも言えない」というこ とになります。 従って、記載されている基本的な性格は全て、おもにウイン グの少ない人や見つからない人に最もよく当てはまります。 ですから、タイプ1w1・タイプ2w2・タイプ3w3…… タイプ9w9などが該当する場合が多いと考えてください。 次に、ウイングには「重い・軽い」がありますから、同じ【 タイプ2w1】の人であっても、1の境界に近くて、ウイング の重い人は、几帳面さや真面目さが強くなり、1からは遠く、 ウイングの軽い人は、その性質が少なくなり、おおまかで直情 的な傾向が増えてきます。 そして、【タイプ2w3】の人で、3の境界に近いウイング の重い人は、カッコウつけて自分を隠すことが多くなり、ウイ ングの軽い人は、自分をはっきりと出して隠すことは少なくな ります。 このように見ていくと、ウイングの意味がはっきりとしてき ますが、これは最初のところで述べているように、「円周上で の立っている地点によって性格が異なる」ことを指しています。 しかし、基本タイプが同じであれば、共通の性格があり、そ れは性格の中では、最も深い層にあるものと考えられます。そ れゆえ、ウイングは、基本性格の上に位置する層にあり、基本 タイプよりも、表面的に見えている性格であると見ることがで きます。 ![]()
図にあるように、【タイプ2w1】の人は、基本タイプが深 い層にありますが、ウイングは浅い層に位置して、表面的に見 えている性格です。 また、ウイングが重い人は、この層が厚くなりますから、ウ インクが性格全体に占めている割合が多くなると考えられます。 ですから、【タイプ2w2】の人は、ウイングにあたる部分 がなく、基本タイプの性格要素しかないと考えられるので、最 もタイプ2らしい性格です。 そして、【タイプ2w1】でウイングの重い人は、【タイプ1 】に見えてしまいます。また、【タイプ1w2】でウイングの重 い人は、【タイプ2】に間違えることが多く、表面的にしか見な いと、まさに、タイプ2だと思い込んでしまいます。 従って、隣接のタイプの境界に近い人(ウイングの重い人)た ちは、基本タイプの性格要素が少なくなり、自分の意識上で理解 している性格が、ウイングの性格ということになります。 このようなタイプ間違いはかなり多く、本人だけでなく、周囲 にいて本人をよく知っている人たちも、ウイングの性格と基本タ イプの性格とを、とり間違えていることが多いようです。 さらに、本人自身も基本タイプよりも、ウイングのタイプの性 格描写の方が納得でき、また、理解できるとも言えます。それゆ え、自分の意識の深い層を見ていないと、正しいタイプを見つけ られません。 ところで、どんな行動が表面的で、意識的な性格を表わすのか、 どのように感じることが、深い層にある無意識的な性格を表わす のかは、とてもむつかしい問題をはらんでいます。 つまり、基本タイプの上に、ウイングの性格が重なっているた め、この二つの層ははっきりと区切られている訳ではないからで す。なお、この図にはハッキリ線引きしていますが、これは説明 を分かりやすくするために便宜的に書いたものです。