愛犬の悩み相談室
2008/11/01
事例・２ 「飼っている２匹の犬は、仲良しになれないの？」
☆相談内容
一匹だけではかわいそうと思って、二匹目のイヌを引き取りましたが、
仲良しになれないようです。それどころか、最近は「犬猿の仲」です。ど
うしたら仲良くなってくれるのでしょうか。なにかよい方法はないか教え
てください。
我が家で生まれた雑種で、「マックス」という名前のオスです。現在４
歳です。母親が柴犬ですが、昨年亡くなってしまい、この仔がかわいそ
うで‥‥、構いすぎたのかもしれません。夫と外食したり旅行などもし
たいのですが、留守番させることができません。家をあけるのがわか
るらしく、悲しい声を出すのでかわいそうになってしまい、外出すること
もできません。それで、仲間がいれば寂しがらずに留守番してくれるか
もしれないと考えていました。
そんな折に友人が海外に赴任するので、「自分のところのイヌをもら
ってくれないか？」と相談されました。断れなかったということもあります
が、試しにひき会わせると、うちのマックスにすぐに慣れてしまい一緒
に遊びます。それで引き取ったんですが‥‥。しかし、それは最初だけ
で、まさか、こんなに仲がわるくなるとは思いませんでした。
後から引き取ったイヌも雑種で、こちらはかわいい顔つきをしています。
１歳半のオスで、「ソックス」と名づけました。足元を見ると、まるで白い
ソックスを履いているみたいなので‥‥。それに「マックス」と「ソックス」
なら呼びやすいし、語呂合わせにもなるので気に入っています。
二匹とも甘えん坊で遊びたがりです。遊んでやっているときは、二匹
はともに楽しそうに戯れています。しかし、すぐにケンカになります。激し
いケンカというのではありませんが、互いを意識して、負けたくないと張
り合っているのが誰の目にもはっきりとわかります。年齢差はあるのに、
それを感じさせません。食べ物の取り合いもしますし、どちらが先にド
アを出るのかと争います。
つまらないことでケンカになっています。私がドアを開けて出かけると、
その後に続くのは自分のほうだと取り合いになり、私の隣に寝る場所
を取り合いします。見ているとほほえましくて笑えてくることがあります。
そんなときはとてもかわいく見えます。でも、うなったり噛みついたり‥
‥。仲良しにはなれないんでしょうか。また、ふたりとも甘ったれなので、
留守番させることは無理なのでしょうか？
☆性格タイプの判定と分析
先住犬の４歳のオス「マックス」の性格タイプを「タイプ６(ｗ５)」と判定
します。そして、後住犬の１歳半のオス「ソックス」を「タイプ３(ｗ２)」と判
定します。
２匹はともに、子どもっぽい気質で、成犬になっても、そのままの子ど
もっぽい、かわいらしい仕草をするタイプです。また、ともに甘えん坊の
寂しがりやです。飼い主が旅行に出かけて自分は留守番するなど、と
ても寂しくて辛いものになります。
なお、４歳のマックスを「次女気質」と言い、どちらかと言えば年上好
みがあり、年下にはあまり関心が向かないほうです。とくに「♂」を強く
意識するタイプで、男性の飼い主のことばかり意識しているかもしれま
せん。「仲良くなりたい気質」と言いますが、とくに年上のオスと仲良しに
なりたがります。
１歳半の「ソックス」は「次男気質」と言い、「♀」のほうばかり意識して
いるタイプで、年上の女性を慕う傾向がありますが、母性的な女性を好
みます。「少年っぽい気質」といい、年上の女性やメスに甘えたがるタイ
プです。
また、イヌでも「好み」というものがありますから、仲良くなれない場合
もあります。そして、その気質名にもあるように「次女」と「次男」ですか
ら、精神年齢が近くて興味や関心なども同じところに行きやすいと考え
られます。そして、どちらも協調性はあり、つねに相手のことをよく見て
います。
☆アドバイス
二匹は、「次女気質」「次男気質」ですから、実年齢では年の差が開い
ていても、実態としては「年子の姉弟」というような関係になります。
どちらも少し子どもっぽくて、いつも張り合ってしまう間柄になります。兄
弟の精神年齢が近くて興味や関心などが同じで、互いに相手に負けたく
ないという競争心があれば、何かと些細なことで取り合いなどになると考え
られます。
人間でも兄がタイプ６で、弟がタイプ３の場合も、ほぼこのような関係
になっています。
ところで、４歳のマックスは男性の飼い主のほうを意識して、遊んでほ
しいという気持ちが強いイヌです。１歳半のソックスは、女性の飼い主の
ほうばかり意識して、その愛が自分に注がれることを期待しています。
従って、構われたい対象、慕う対象が違うので、激しい取り合いになるほ
うではありません。
しかし、ソックスが女性の飼い主とベタベタして、構われたり遊んでもら
っているところを見ると、急に競争意識が強くなり張り合ってしまいます。
また、どちらも協調性があり、激しいケンカを好まない気質ゆえ、仲良し
にはなれなくとも、それなりに合わせられる気質です。ですから、ほとんど
ちょっとした諍いで、子どもっぽいかわいらしいケンカではないでしょうか。
さて、飼い主たちが旅行などに出かけて、二匹だけで留守番しなけれ
ばならないとわかれば、二匹のイヌは不安感からかえって寄り添うよう
になると考えられます。日頃は仲が悪くても、深刻な間柄ではないと考
えられます。
ですから、他人に預けられた場合、いつもより仲良しになるのではない
かと予想します。たとえば、人間の兄弟も日頃はケンカくても、何か危機
的なことに遭遇すると一致協力したりします。それと同じ状況になるので
はと予想します。
仮に、不安があれば、旅行カバンを持って出掛けたフリをしてください。
そっと隠れてうかがってみてはいかがでしょう。他の人に頼んで様子を見
てもらうという方法もあります。試してみてください。あなたの心配が杞憂
になるだろうと思います。