特集・人の気質を見抜く方法シリーズ・パート9             
             
 2006/12/20  
  人の呼び方、呼ばれ方から気質を見抜く・その2


 今回は、兄弟姉妹の呼び方呼ばれ方から、9タイプの気質への
理解を深めていきたいと思います。

 さて、50年前くらいには、4人兄弟とか、5〜7人の兄弟姉
妹のいる家庭は結構あったようです。たとえば、兄が3人いれば、
「おおにい・ちゅうにい・ちいにい」や「おおきいねえ・ちいさ
いねえ」という呼ばれ方がありました。

 しかし、はじめから子どもをたくさん産むつもりなのか、「一
郎・二郎・三郎」という名前が付けられることがありました。そ
の場合、「いちろうにいさん」「じろうにい」などと呼ぶことが
ありました。しかし、兄弟姉妹の数があまりに多く、ややこしい
ためか、「いっちゃん」「じろちゃん」「さぶちゃん」などとい
う「ちゃん」づけで呼び合う家庭もしばしばあったようです。

 しかし、最近は少子化が進み、ひとりっ子が増えています。兄
弟姉妹のいない人たちが増えるばかりです。たとえ兄姉がいても
、1、2歳違いであれば、兄らしいとか姉らしく感じないのではな
いでしょうか。名前で呼び合うことが多そうです。

 従って、「にいちゃん・ねえちゃん」という呼ばれ方は、以前
と比べても格段と減っているように感じます。近いうちに無くな
ってしまう可能性もあるのではないでしょうか。米国のように名
前だけで呼び合うようになるかもしれないと想像しています。

 
 1 兄と呼ばせたがるタイプ、 姉と呼ばせたがるタイプ

 さて、兄なのに、「兄さん・兄ちゃん」とか「姉さん・姉ちゃん
」と呼ばれたがる人もいれば、呼ばれたがらない人がいます。たと
えば、大人タイプのなかでも、タイプ8とタイプ2の兄であれば、「
兄さん・兄ちゃん」と呼ばれたほうが気持ち的には収まりやすいと
考えられます。タイプ8は「お父さん気質」で、タイプ2は「お母
さん気質」ですから、生まれながらの年上タイプです。弟や妹にな
められたり、みくびられないようにします。また、自分は「兄なん
だ・姉なんだ」という自覚が強いタイプと考えられます。

 タイプ5(おじいさん気質)と、タイプ9(おばあさん気質)は、最
も年長さんタイプですが、兄や姉ではあっても、弟や妹たちと親し
く遊ぶとか指導したがるほうでもありません。相談されれば応じま
すが、自ら干渉することはなく、弟や妹への関心も、上記のタイプ
と比べて、格段と少ない人たちです。ベタベタとした関係になりた
がらず、兄貴ぶったり、姉貴ぶることもあまりありません。どのよ
うに呼ばれても、そこにあまり意味を持たないような気質です。呼
び方など、あまり気にならず、相手に任せてしまう傾向があります。
 
 なお、タイプ9w8は、8のウイングが重くなるほど、兄として
の威厳、姉という目上の立場を鮮明にしたがります。弟妹に兄貴風、
姉貴風を吹かせて、命令したり指導したがる傾向があります。呼び
方も敬意のあるものでないと受け付けないこともあります。

 しかしながら、呼び方というものは関係の仕方で決まっていくも
のです。弟や妹が同じ大人タイプで、かつ歳の差が開いていないな
らば、たとえ、「兄さん・姉さん」と呼ばれたくとも、弟たちのほ
うでは、そうは呼びたくないものです。

 あるタイプ2の妹が、タイプ8の姉に対して、一度も名前で呼ば
ないというだけでなく、いつも「ちょっと・あの〜」だけで済ませ
ていたと聞いています。また、ボクシングの亀田三兄弟は、3人と
もにこちらからは、タイプ2w1らしい人に見えますが、互いに、
名前で呼び合っていると聞いています。世の中を舐めているような
デカイ態度はよく知られているようです。 

 なお、子どもタイプのほうが、無理なく、「にいちゃん・ねえち
ゃん」と呼ぶ可能性が高くなります。それでも、青年期くらいから
は、「アニキ」「アネキ」と呼ぶようになるでしょう。しかし、意
地悪ばかりする兄であれば、とてもそのようには呼べないでしょう。


 兄と呼ばれたくないタイプ、姉と呼ばれたくないタイプ

 子どもタイプ(17634)の中では、タイプ1が最も年長さんです。従
って、兄や姉と呼ばれることに違和感を持ちにくいタイプです。タ
イプ7w8も、ウイング8が重くなるほどに、ウイング8のお父さ
ん気質があるためか、弟妹にみくびられたがりません。兄や姉とし
て付き合うほうで、兄貴風・姉貴風を吹かせることがあります。

 しかし、残りの7w6・6・3・4が兄や姉になった場合、「兄
さん・姉さん」とあまり呼ばれたがりません。できたら名前のほう
が自分にしっくりと来るのではないでしょうか。

 7w6は「長男気質+次女気質」で、タイプ6は次女気質、タイ
プ3は次男気質、タイプ4は末っ子気質です。兄貴ぶり姉貴ぶるの
は自分らしいことにはなりません。たとえば、親から、「兄らしく
して、弟には譲りなさい」とか、「姉さんらしく、妹をかわいがり
なさい」などと言われると、なんとなく受け入れられない気持ちに
なります。

 一番年少のタイプ4は、末っ子に生まれたほうが居心地が良く、
長兄や長姉に生まれたならば、居心地は悪くなります。弟妹とはあ
まり付き合わない、顔を会わせないようにする人がいます。逆に、
なにかと弟や妹に命令したり、遊びや宿題などを教えたがる人もい
ます。兄らしくなくとも、自分は兄なんだから、それくらいできな
くてはと頑張ってしまうのです。弟や妹への対抗意識から、威張る
人もいます。

 しかし、成長するごとに、弟や妹の存在がうとましくなり、居場
所が無いと感じることがあるようです。とくに、弟妹が、タイプ8
やタイプ2であると、どちらが年上なのか分からず、「にいちゃん
・ねえちゃん」と呼ぶことは難しくなります。むろん、タイプ4の
ほうもそのように呼ばれたくないでしょう。

 年少のタイプ3やタイプ4にとっては、弟や妹が自分と同じタイ
プであれば、精神年齢的にも差をあまり感じないで脅威の存在にも
なりません。自分のことを兄とも思わず姉とも思わず、自分のほう
が弟だとか妹であるという意識もないために、自然に名前で呼び合
うのではないかと考えられます。


3 タイプの組み合わせによって、呼び方呼ばれ方も変わる

 前のところで、呼び方というものは関係の仕方で決まっていくも
のと述べています。ですから、兄姉のタイプと弟妹のタイプが何タ
イプであるのか、それによって、呼び方も違ってきます。

 たとえば、兄がタイプ4で、弟がタイプ1であれば、お兄ちゃんと
呼びにくいものです。なぜならば、兄は「末っ子気質」で、自分は
「長女気質」ですから、兄のほうが自分よりなんとなく年下に見え
てしまうので、「お兄ちゃん」とは呼びにくい雰囲気があり、それ
を感知してしまうのです。また、タイプ4の兄も、「にいさん」と呼
んで欲しいという気持ちは生まれにくいものです。

 姉がタイプ3で、妹がタイプ2でも、同様なことが言えます。兄
がタイプ1で妹がタイプ5でも、姉がタイプ6で弟がタイプ9とい
う組み合わせも、同じように考えることができます。つまり、名前
で呼ぶか、あるいは、「あの〜」「ちょっと」という呼びかけをす
るだけで、なんとか済ませてしまうのです。

 ある2w1の妹は、4歳年上の4w5の兄に対して、「○(名前)
ちゃん、そこ危ないわよ。ちゃんと車を見ていないと!」と注意し
ていましたが、兄に対してさえも、お母さんみたいな口のきき方を
しています。それゆえ、「おにいさん」と呼ぶことはあり得ないこ
とが理解できると思います。

 ただし、おおまかには、大人タイプ(9582)は、幼い頃は「お兄ち
ゃん・お姉ちゃん」と呼んでいたかもしれませんが、思春期頃から、
次第にそのようには呼びにくくなります。「アニキ・アネキ」と呼
ぶようになり、ついには「あの〜・ちょっと」となってしまう傾向
があります。
 また、子どもタイプ(17634)でも、いつしか「あの〜・ちょっと」
になり、かつて「兄ちゃん・姉ちゃん」と呼んで慕っていたことも
忘れてしまうのかもしれません。


4 兄弟を欲しがるタイプは、兄ちゃんと呼びたがる?  

 ところで、「男性を強く意識するタイプ(2・6・1)」は、兄弟
を欲しがります。どちらかというと、兄を欲しがるのは、タイプ1
とタイプ6に多く、弟を欲しがるのはタイプ2のほうが多いという
傾向はあります。従って、1と6の男子にとって、大人タイプの兄
がいれば、「お兄ちゃん」と呼びたいほうです。自分に優しく、よ
く遊んでくれる兄ならば慕います。兄の真似ばかりしたり、後追い
している人もいます。尤も、いじめる兄であればむろん、慕うこと
はなく、「お兄ちゃん」と呼ぶことも無くなるでしょう。
 
 一方、「女性を強く意識するタイプ(8・3・7)」は、姉妹を欲
しがります。どちらかというと、姉を欲しがるのは、タイプ3とタ
イプ7に多く、妹を欲しがるのはタイプ8のほうが多いという傾向
はあります。従って、3と7の女子にとって、大人タイプの姉がい
れば、「お姉ちゃん」と呼びたいほうです。タイプ2の姉の後追い
ばかりして、姉のすることを真似てばかりいたタイプ7w6の妹が
います。しかし、期待外れの姉であれば、慕うことはないでしょう。

 タイプ8・3・7にとって、「世界は否定的な怖いところ」であ
り、「弱肉強食」の世界でもあります。この3つのタイプは、母親の
愛情を独占したいので、母親の愛をめぐってライバル同士になりま
す。女性には惹かれるほうで、仲良くしたいが、ライバルにもなる
脅威の相手です。姉が自分よりも母親に可愛がられていたならば、
慕うことができないだけでなく、憎む相手になってしまいます。と
ても「おねえちゃん」とは呼べないでしょう。


5 呼び方から関係性が推察できる

 呼び方というものは、関係が良くなければ、良い呼ばれ方はされ
ません。

 兄弟関取として有名な「若之花と貴之花」は、こちらからは、兄
のほうは2w1らしく見えます。弟のほうは7w8らしく見えます。
兄は弟を守るために、相撲取りになるつもりはなかったのに、弟と一
緒に相撲部屋に弟子入りしたようです。弟の花田光司(貴之花)さんは、
幼い頃には「お兄ちゃん」と呼んだようです。花田勝(若之花)さんは
「おにいちゃん」と呼ばれたがるほうです。そして、今でも、多くの
人たちから「おにいちゃん」と呼ばれています。

 さて、相撲部屋にて兄弟子にいじめられた頃は、弟は、兄の布団に
入り込んで寝たことがあると報道されたことがあります。しかし、タ
イプ7の弟にとって関取にもなれば、兄は当然に蹴落とすべき相手で
しかありません。元々、タイプ7にとって、兄弟はライバルでしかあ
りませんから、同じ職場に就けば、当然ながらライバルになりますが、
まして相撲界ならば、勝たねばならない相手です。

 そして、兄のほうが脚光が浴びていれば、ねたみ心は生まれます。
なぜならば、兄弟の確執は激しかったらしく、弟の発言は、ワイドシ
ョーでも取り上げられたことがあるようです。兄のほうでは、弟の挑
戦には乗らず応戦もしませんでした。沈黙を守っていたようですが、
タイプ2にとって、弟はライバルではないからです。タイプ2の兄に
とって、かわいかった弟の変わり方は、まるで理解できないものであ
ったろうと推察します。

 一方、タイプ7の弟は、兄ではなく姉が欲しかったのであり、また
母親が一個の女性となり再婚してしまうことは、自分は見捨てられた
ことになり、大変にショックな出来事になるであろうと推察できます。
タイプ2の兄にとっては、母親の再婚はショックなことではなく弟
の母親への憎しみは理解しにくいのではないでしょうか。 

 「兄弟は他人のはじまり」と言いますが、生涯仲良しでいられる兄
弟がいるようですが、仲の悪い人たちも多そうです。親の遺産をめぐ
って、壮烈なバトルになる兄弟姉妹もいます。
 その場合、タイプの組み合わせを聞くと、憎しみ合うのか、仲良し
になるのか、あまり関わり合いの無い関係になるのか、およその推察
ができます。また、どのような呼び方をしているのか知れば、その関
係もおよそ推察できることになります。

 
 6 あだ名を付けたがる人、あだ名をつけられやすい人

 他人にあだ名をつけるのがとてもうまい人がいます。これまで知っ
ている例からは、タイプ2とタイプ7の人たちです。2つのタイプの
共通項は、社交性があることです。あだ名をつけることは、社交上プ
ラスになることが多いからではないでしょうか。タイプ6w7も社交
性があり、人と親しくなりたがる気質ゆえ、他人にあだ名をつける人
が結構います。

 その場合、あだ名をつけられやすい人と、つけられにくい人がいま
す。たとえば、タイプ8とタイプ5は、親しみにくく、威圧的できつ
そうに見える人たちが最も多いタイプです。それゆえ、親しみのある
あだ名が付けられることはあまり考えられません。しかし、面と向か
って親しく呼びかけることはないが、影では、「異名」が付いている
場合もあるようです。

 愛らしいあだ名を付けられるのは、やはり「末っ子気質」のタイプ
4です。次は、タイプ3・タイプ6・タイプ7になります。タイプ1
は真面目さが前面に出ており、硬くて、とっつきが悪く、親しみやす
く見える人が多いタイプではありません。

 一方、タイプ2は、他人から親しまれたい、あるいは慕われたい気
質ゆえか、くだけた話をしたり、庶民的な雰囲気をかもし出している
ので、あだ名を付けられている人が多いタイプです。尤も、苗字でし
か呼ばれたことがない、とっつきにくい人もよく見かけます。

 ところで、他人を名前で呼びかけることさえ苦手になる人もいます。
人見知りの強い気質の人にはその傾向は強くなります。とくに、タイ
プ1とタイプ4です。従って、他人への呼びかけ方を知れば、気質が
少し垣間見えます。


 さて、「あいつ」「お前」「コラ」「てめえ」などという呼びかけ
方もあり、日本人にとっては、他の人たちを呼ぶ場合、どのように呼
んだらいいのか、本当に困惑してしまうことばかりではないでしょう
か。