人の性格を見抜く方法シリーズ・パート7     

2006/10/20

人の呼び方、呼ばれ方から気質を見抜く

                
 
  用事があって、実父を呼ぶときに、あなたはどのように呼ぶの
でしょうか。母親や兄弟姉妹についてはどうでしょうか。「オイ」
とか「ちょっと」「あの〜」と呼びかけて、それで済ませている
方も多いのではないかと思われます。

 アメリカ国民は、ファーストネームで呼び合うことが多いようで
す。しかし、日本人にとって呼び方というものは、簡単そうでも簡
単には行かないものではないでしょうか。なんと呼ぶべきか困惑し
たり、苦労している方もいると考えられます。

 エニアグラムの9つの気質を知り、人の呼び方や呼ばれ方を考え
ると、いろいろなことを考えさせられます。たとえば、呼ばれ方か
ら、本人の気質や人柄などが顕れ出ることがあります。上下関係も
垣間見ることもできます。
 そこで、今回は、そんなところに着目すれば、9つのタイプの気
質を別の角度から見抜けるだろうと思い、まとめてみました。


1 親子関係においての呼び方

 小さい頃、私たちのほとんどは、親に教えられたような呼び方を
していました。「お父さん・お母さん」か、「パパ・ママ」にする
かは、親の好みで決められています。

 しかし、ある親たちは、子どもに「自分の名前で呼んでもいい」
と言うのです。ある男子は、親を「ひろし」とか「マチコ」などと、
呼び捨てにしていました。しかしながら、ある子どもは、それがで
きないようです。相変わらずに「お父さん・お母さん」「パパ・マ
マ」と呼び、それしか受け付けられない子どもたちがいます。

 さて、子どもに、自分の名前で呼んでもいいという親のタイプは、
日本ではあまり常識的なことではありません。調和タイプ(369)の
可能性は低くなります。攻撃タイプ(825)の中では、タイプ2にだ
けに有り得ることです。

 タイプ8は、上下意識の強い気質ですから、たとえ「名前で呼び
たい」と子どもが言っても、それは許さないと考えられます。タイ
プ5は、あまり気にしないことかもしれませんが、「子どもに自分
の名前で呼んでもいい」などという発想はしない、または、その手
のことはどうでもよい事に入りそうで、タイプ5の辞書には無いこ
とのように思われます。

 子どもタイプ(17634)は、名前で呼ばれてもいいと思っている
親もいるかもしれません。あまり親的な資質がないほうなので、有
り得ることです。実際、そのように呼ばせているタイプ7や4の父
親が存在します。しかし、タイプ6とタイプ3の親では、これまで
のところ見つかっていません。やはり調和タイプだからなのでしょ
うか。身近な情報だけで述べていますから、あまり信頼できる情報
でないことは申すまでもないので、誤解なきようにお願いします。

 次に、親からの提案を聞いて、親を呼び捨てできる子どものタイ
プは、どのタイプになるのでしょうか。親と対等意識の強い子ども、
あるいは、ちょっと面白い趣向に感じて、呼び捨てにする子どもが
いるかもしれません。そうなれば、攻撃タイプ(825)の子に多いが、
中でも前のところで述べたタイプ2が最も有力です。親が提案でき
るのですから、子どももそれを受け入れやすいと考えられます。タ
イプ7の子ならば、面白がって使うかもしれません。

 しかし、子どもタイプ(17634)は「親」が欲しいのであり、友だち
みたいな親になって欲しいとは思っても、実際には呼び捨てにしにく
いのではないでしょうか。まずは常識路線を行くタイプ3とタイプ6
の子どもは、あまり気が進まないことになると考えられます。
 タイプ1は上下意識の強い子どもであり、礼儀や礼節を重んじる
気質ですから、あまり考えられません。つまり、残るはタイプ7とタ
イプ4です。

 さて、ここまで論を進めればわかってくると思いますが、「子ども
に自分の名前で呼んでもいいという親」のタイプは、タイプ2・4・
7であり、「親からの提案を取り入れて、親を呼び捨てにする子ども」
のタイプも、同様にタイプ2・4・7になることです。

 なお、タイプ2の親子間ではよく見聞きしていますが、タイプ4や
タイプ7ではそれほど見聞きしているものではありません。圧倒的に
タイプ2に多いものです。また、同じタイプ2でも、このようなこと
は思いつかない、考えられない人たちがいるのは申すまでもありませ
ん。

 では、なぜタイプ2の親は、子どもに対して「自分を呼び捨てにし
てもよい」と言うのでしょうか。考えられるとしたら、自分自身が、
親と対等な関係になりたい気質です。それゆえ、実子ができると、そ
の子との間の関係を、自分の願っていた対等な関係を実現しようとす
るのではないでしょうか。親意識を振りかざして威張る親ではなく、
自分は寛容で許容力ある善い親なのだと、子どもに示すことが動機に
なっていると考えられるのです。


2 成人すると、親への呼び方が変わる人、変わらない人

 私たちは、子ども時代「お父さん・お母さん」または「パパ・ママ」
と呼んでいましたが、いつの間にか、気づいたら、そのように呼ばな
くなってしまうようです。それは思春期頃からなのか、大学に入った
頃なのか、20歳頃なのか、はっきりとはわからないが、「ちょっと」
「あの〜」になってしまう人がいます。

 この人たちのタイプは、どちらかというと大人タイプ(9582)に多い
ように見受けられます。しかし、子どもタイプ(17634)にもいないわけ
ではありません。なぜならば、親との関係が良好なのか否かも関係す
るからです。関係が悪ければ、呼び方は愛想のないもので礼儀正しい
ものにはなりません。

 大人タイプは、成人すれば当然に、実親への対等意識が高まってき
ます。両親への依存度もさらになくなり、心の中に占める割合も小さ
くなります。子どもの頃から、親に甘えたり、ねだることはできない
のが大人タイプです。大人タイプの中でも一番年下のタイプ2の中に
は、少しばかりおねだりする人がいるようですが、それほどはいない
と考えられます。それゆえ、なんとなく「お父さん・お母さん」と呼
びにくくなってしまうと考えられます。 

 一方、就職しても、30代になっても、「お父さん・お母さん」と
呼ぶ人たちがいます。「パパ・ママ」と呼ぶ人は、さすがに見かけま
せんが。また、「親父」とか「おとん」「トーサン」となり、「おふ
くろ」とか「おかん」「カーサン」などと、少し砕けた言い方に変わ
る人たちもいます。

 この人たちはどちらかというと子どもタイプ(17634)に多いように
見受けられます。しかし、大人タイプにもいないわけではありません。
なぜならば、習慣というものがあり、習慣を頑固に守る人はどのタイ
プにもいるからです。

 子どもタイプは、成人しても中年になっても、自分の親に対しては
素直な呼び方ができるようです。永遠に、父親は「お父さん」であり、
母親は「お母さん」であり、いつまでも小遣いをねだったり、何かを
してもらいたがり、依存度はなかなか減って行きません。

 50代の男性でも、子どもタイプ(17634)は、両親に何かをねだれる
ようですが、13歳の女性でも、大人タイプ(9582)は両親に頼み事がで
きない、甘えられない、ねだれない人たちがいます。そのように「性
格(気質)」ができているのです。当然に呼び方にも、それぞれの気質
の違いがあらわれるでしょう。
 
 
3 「ちゃん」づけされる人、「さん」づけしかされない人、

 子どもの頃から「さん」づけで、「ちゃん」づけされたことが一度
もない人がいます。唯一、家族や親戚の大人たちから、「ちゃん」づ
けされたことがあるくらいです。考えられるタイプは、大人タイプ
(9582)であり、可能性が低いのは、子どもタイプ(17634)と考え
られます。

 もう少し絞るならば、威圧的で傲慢そうに見えるタイプ8とは考え
られません。その他、子どもの頃から、おとなびているタイプ5も、
可能性は低いでしょう。残りはタイプ2です。「ちゃん」づけされて
いる人が実際にもいて珍しくありません。他人から親しまれたいので
あり、善い人間に思われたい気質があるからだと考えられます。

 さて、タイプ3とタイプ6は人気者になりたがり、愛らしいところ
もあるためか、「ちゃん」づけされることは、かなりあるだろうと予
想します。防御タイプ(714)の中では「末っ子気質」のタイプ4は、
最も年少なためか、「ちゃん」づけされやすい人たちです。呼び捨て
にされることもあり、あだ名もよく付けられ、かわいい愛称がついて
いるのも、タイプ4に最も多いと考えられます。

 タイプ1や7も「ちゃん」づけされたり、愛称がついている人たち
がよくいます。ウイングを考慮するならば、1w9や7w8のほうが
比較的、「ちゃん」づけされにくいでしょう。タイプ1w9は、「長
女気質+おばあさん気質」で、少しおとなびて見えます。しかも、親
しみにくいキャラクターが多いからではないでしょうか。タイプ7w
8も「長男気質+おとうさん気質」ですから、8のウイングが重い人
は威圧的できつそうな人柄に見えますから、「ちゃん」づけされるこ
とが多いとは考えられません。ただし、このタイプも、子どもの頃に
は、あだ名も付けられ、ちゃんづけもされたでしょう。

 (なお、ウイングを考慮すると、とても複雑になり、わかりにくくな
ります。わかりやすい記述をしたい時には消去しています。整理して
お知らせするのが困難なので、ご理解願いたい)

 さて、自分は「さん」づけなのか、いつも「ちゃん」づけされてき
たのでしょうか。そこから、あなたの他人から持たれている客観的な
印象が見つかります。たとえば、自分では「かわいい女」だと思って
いたとしても、「ちゃん」づけされたことがなければ、他人からは、
かわいいとは見られていなかった、ということになります。


 4 珍しい呼び方について

 大人タイプ(9582)の中では、最も年下のタイプ2の中には「ちゃん」
づけで呼ばれていた著名人がいます。1960年代の首相・佐藤栄作元首
相(2w1と判定済み)のことです。彼自身が「栄ちゃん」と呼ばれた
がったようで、有名なことです。

 では、なぜタイプ2w1の首相が、「栄ちゃん」と呼ばれたがるので
しょうか。考えられるとしたら、庶民的な親しみのある善い人間だと思
われたいからではないでしょうか。これと対極な「冷たくてとっつき悪
い陰険な人」では、自分を慕って来る人間はいないのであり、安心して
政権を任せられる善い人間ではない、ということになります。

 さて、タイプ8の人にはなかなか「ちゃん」づけしたい気持ちにはな
れません。細木数子さん(8w7と判定済み)や小沢一郎さん(8w
7と判定済み)を、「数ちゃん」「一郎ちゃん」とは呼びにくいと考
えられます。

              

 さて、人の呼び方について考えていくと、さまざまなことに気づきま
すが、今回はこれくらいにしたいと思います。続きを来年中には再開し
たいと思いますが、面白い呼び方などを知っていたら、お知らせ願えた
らと思います。