エニアグラム上級者理論                                

  
          タイプ7・明るくて暗い人たち


 タイプ7を明るくてエネルギッシュ、元気活発な人たちだと思
い込む人が少なくありません。そのまんまの人もたくさんいます
が、暗くて陰気な人たちもたくさんにいます。みんなの人気者に
なりたいのですが、みんなから嫌われている人もいれば、まさに
人気者の人もいます。注目されたいという思いが強い人たちです
が、注目されている人もいれば、存在感がなく無視されがちな人
もいます。いろいろなのに間違って捉えられているようなのです。
そこで、今回は特別にタイプ7を取り上げています。

 
 
1 ハイテンションのタイプ7 

 タイプ7は興奮しやすく、落ち込みやすい気質のようです。ち
ょっとしたことで気分爽快になり、ちょっとしたことで、突然激
しく怒り出したりします。一喜一憂が多くて、大袈裟だとか気分
屋に見られたり、演技していると取られることもあります。

 また、タイプ7にとって楽しんでいるとは、ハイテンションでい
ることらしく、テンションが低いと、「楽しんでいない」と思う
ようです。他のタイプのなかには、テンションが高くなると疲れ
るとか、テンションが高くなくとも十二分に楽しんでいる人がい
ます。しかし、タイプ7はそれが理解できにくい人が少なくあり
ません。

 家族が亡くなって葬儀している場合も、ハイテンションになる
ことがあり、誤解されることがあります。興奮しているだけです
が、ハシャイデいるように見られてしまうのです。つまり、非日
常的なこと、思いがけない出来事が起きると、興奮してしまい、
抑えが効きにくい傾向があります。

 また、一旦興奮すると抑制しにくい気質のようで、落ち着きが
ない行動が続きます。子どもの頃、多動児に見られるのもタイプ
7が最も多く、中学生くらいになるとしだいに落ち着くようにな
ります。しかし、40代になっても落ち着けずに、席があたたまる
ことがない人もいます。職場で一日ずっと席に就いて働くなどは、
苦手な人たちが多いようです。
  

2 イライラと苛立ちが多い!
 
 防御タイプ(714)は、小さな細かいことに意識が行きやすいの
で、「木を見て森を見ない」という共通の傾向があります。タイ
プ7にもあり、全体的な流れのなかでの自分の役割とか言動が適
切ではなく、浮き上がってしまう人がしばしばいます。それで仲
間外れになるとか、ひとりっきりで寂しそうにしているタイプ7
の子どもがいます。

 尤も、同じタイプ7とはいっても、7w8は高見から見物する
傾向があり、また、8のウイングが重いほどに、全体的な流れに
気づく傾向はあります。しかし、同時に細かくて、中間的な視野
が欠落しやすい、つまり人間関係能力が円滑にできない人がいま
す。社交的に見られますが、みかけと違い、人に打ち解けにくい
気質です。

 しかしながら、タイプ7はウイングの違いに関わらず、機敏で
よく気づくほうですが、すぐに言動を翻したり、修正できる人た
ちが多そうです。神経質で敏捷で、人の顔色をよく見ているため
か、器用にうまく対応できる人たちに思われやすいのです。実際
、器用でコミュニケーション能力の高い人もいます。しかし、本
人にしてみれば、とても疲れることであり、気苦労が多くて、イ
ライラすることが多くなってしまいます。

 また、敏捷でよく気づく気質の人からは、他の人たちがあまり
にも遅いと感じます。あまりにも気を使わない、頭を使っていな
い、ノロマな人たちに見えるのです。そして、タイプ7はせっか
ちな気質でもあるためか、ノロマな人たちは我慢できなくなるの
です。

 機械類でも同様で、自販機が早く反応しないと、イライラとし
てしまうことが多いようです。話し方がのんびりとして、要点を
うまくまとめずに話す人がいると、待ちきれなくて、さえぎって
しまうこともあります。そんなことがよくあるせいか、イライラ
感がくっきりと出ている時があります。


 3 気の抜けない人たち

 ところで、タイプ7は、タイプ2と表面的にはとてもよく似て
います。詳しい情報を聞かないと間違えてしまうでしょう。詳し
く説明されても、まだ間違えてしまうくらいです。他の会派は、
この2つのタイプがごちゃ混ぜになっているようです。それで、
タイプ7の人が自分をタイプ2と思い込んだり、その逆もしばし
ばあります。

 それほどですから、簡単に見分ける方法はないのかと、よく尋
ねられます。しかし、簡単に見分けられることはまずありません。
それでも、最近になってよく紹介しているものとして、次のよう
に言います。「タイプ7は、気の抜けない人たちで、タイプ2は
たまに気が入る人たち」と。

 タイプ7にとっては、いつも真剣勝負をしているのですから、
気が抜けないのは当然のことでしょう。たとえ座っているだけで
も、その様子から、「気の抜けた人」と「気の抜けない人」は識
別できます。また、後ろ姿にもそれは出ています。

 初対面の人と会う時は、誰もが緊張しますが、タイプ7は長年
つきあっている人に対しても、いつも初対面さながらの様子を示
すことがあります。また、頭の先から足の先まで、チラッとよく
見ています。そして、相手がどんな人物なのか把握しようとしま
す。靴のかかとが汚れていたことさえ、気づくようです。

 タイプ7は、当会の理論では「世界と否定的に結びついているタ
イプ」です。また、、「自分は世界の淵にいると認識しているタ
イプ」です。世界は否定的な怖いところであり、崖ッぷちに立っ
ているような危機感を抱きやすい気質です。

 従って、さながら、いつも戦場にいるようで、せっぱつまって
しまい、真剣になり過ぎてしまう傾向があります。呑気そうに見
える人もいますが、呑気になりたいという願望はありますが、世
の中甘くない、良いことが起きる訳がないと思い込みやすい。当
然に、気の抜けることはないだろうと予想できるでしょう。 

 
4 いつも他と比較している

 タイプ7は、いつも他人と自分を比較している傾向があります。
あの人より自分は頭がいい。アイツより自分のほうが金持ち、足
が長い、学歴が高い、美人等々。誰もが周囲の人たちと比較して
いるものですが、かなり細かく区分しており、その違いを意識す
る程度が高いのがタイプ7です。 

 いつも比較してみているので、ミスコンテストみたいなことを
したがります。勉強ではあの子は一番だが、美人なのはあの娘で、
足の長いのは誰々、セクシーなのは誰々というように、そんな話
題で盛り上がり楽しめるようです。「うちの母親は町内では一番
に美人だ。○さんの母親は二番目で、三番目は○さんのお母さん
……」というように、順位を続けられるのです。

 このように人をよく観察しているので、情報収集がうまくて、
また熱心ですから、クラスの相関図とか男女交際などの情報も早
くキャッチしています。ご近所も詳しく知っていて、あの家の洗
濯は月曜だけのようだとか、あの部屋の主は毎晩12時35分に消灯
するなどと、細かく正確にキャッチしています。 

 元気なタイプ7は、順位を上げるために、負けないぞとよく頑}
張る人ですが、元気のないタイプ7は、拗ねたりひがんだりばか
りで、努力はしません。順位の高い人物にしっとしているだけで
しょう。

 また、誰かが注目を浴びていると、それがたとえ仲良しであって
も、急にしっと心がムクムクと起きてきます。アラ捜しをして悪
口を吹聴することがあります。仲良しからみると、予想できない
攻撃に遭うのですから、理解不能なことになるでしょう。いつも
その場での比較や、その場での注目度などで、心が揺れ動いてし
まうのです。

 自分の友だちが絶賛されたりしたならば、それを素直に喜べない
気質を本質的に持っている人たちです。ただし、みんなから疎外さ
れている人を見ると、好きではない人物でも、かばうとか味方する
場合もよくあります。同情心は強くて、みんなから嫌われている人、
避けられている人たちと仲良しになっているのです。


5 シャイな人たち 

 タイプ7はシャイで用心深いために、人に溶け込みにくい気質で
す。それゆえか、みんなと仲良くはできにくいようで、友だちの友
だちは、友だちにならず、敵になってしまうことがあります。広く
浅くつきあう傾向がありますが、極端には、狭く浅くしかつきあえ
ない人たちが少なくありません。

 つまり、深いつきあいを恐れる傾向があり、親友を一人も持てな
いとか、どういうつきあい方をすれば「親友」と言えるのか、それ
が分からない人が少なくありません。また、心を許せる親密な人と
は、ほとんど家族だけであり、その家族にも本音を語らない場合が
多々あります。

 親しい相手でも、部分なところだけでつながっていて、全面的に
ピッタリと、またベタベタと隠し事なく、全てを曝け出してつきあ
うなどはありません。この人とは旅行仲間で、この人はテニス仲間
というように、その場だけでの関係になりがちです。
 また、自分の話は全くしない人も多く、差し障りのあることは語
りません。自分の悩みを打ち明けることはかなり少ないほうです。
少しの失敗でも、恥ずかしいという思いが強くて言えない人たちで
す。

 また、この人物と仲が悪くなって、あること無いこと噂されるか
悪口を言われるか分からないと予想してしまうのです。人間関係ほ
ど気を遣うもの、神経の疲れるものはありませんからね。挨拶を欠
かさず愛想も良くて、いつも笑顔を心がけている人が多いタイプで
す。しかし、それは人間に対しての用心深さであり、そのようにし
たほうが、身の安全が保てるからでしょう。

 それゆえ、家族だけに心を許して、家族以外の人とはつきあった
ことがないという人も少なくありません。自宅に引きこもってしま
い、何十年も旅行したことがない、カラオケには一度も行ったこと
がない、外食をしたことが無いなどという、思いがけないほどに暗
くて陰気な人たちもかなり存在します。

 恥ずかしがり屋で、「こんな服装では外に出られない」とか、
「外食するときに粗相してしまうのではないか」などと心配になっ
てしまうのです。知り合いとか近所の人とバッタリと顔を合わるか
もしれないと、遠くのスーパーで買い物すると決めている人も少な
くありません。

 


 タイプ7は、明るくて社交的に見える人が多いのですが、心の中
では、周囲の人たちと馴染めなくて、戦々恐々としている人が少な
くありません。あなたのイメージとは違うタイプ7ですが、むろん、
明るくて活発なタイプ7もたくさんにいます。ただし、明るいから
といって、天真爛漫で怖いものなしに楽しんで、それで明るくいら
れるというのではありません。
 まだまだ続けられそうですが、今回は、ここまでにしたいと思い
ます。