仲間たちのつぶやきシリーズ                            

2006/02/20 
          
タイプ1w2の父  
                                     
                                              by aqua   

  私の父は、エニアグラムの類型から見ると、タイプ1w2に当たります。
ちなみに、私自身はタイプ9w8で、息子(9w8)が一人います。夫はタイ
プ4w4辺りだそうで、この9w8の息子にとって、4w4の父親はとても不
思議な存在のようです。私にとっても、1w2の父親は理解できにくく、違
いをいつも感じています。

 小学校6年生になる息子はサッカー少年で、クラブチームに所属して
います。県大会ともなれば遠くまで試合に出かけることもあり、送迎する
親の負担はかなりのものです。しかし、どのチームにも熱心な父親が必
ずいます。「巨人の星サッカー版」みたいに、親子でJリーガーを目指し、
幼いころから父親が息子の相手をしているという話は数知れずあります。

 熱血のコーチ顔負けのアドバイスをして、他人の子供の世話までする
父親像を間近に見て、最初はとても驚きました。たぶん、息子も同様の
ようです。
この機会に、私は父親をどのように見ていたのか思い出して
みたいと思います。

☆仕事人間の父

 
  父が現役で働いていた頃は、毎晩のように帰宅が遅く、朝は私が学
校に行く頃は寝ていて、顔を会わすことはほとんどありませんでした。
その上、休日でも、毎週のように接待ゴルフに出かけ、家庭のことは母
(妻)任せでした。

 私は進学するときも、結婚を決めるときも、父に相談することはありませ
んでしたが、父もアドバイスをするなど考えてもいないようでした。娘のこと
は母(妻)から話を聞くというぐらいで、関心がなかったのかもしれません。

 父に関して覚えているのは、子ども時代であるならば、机まわりが雑然
としていると、「こんな机では勉強ができないだろう!」と、引き出しごとひっ
くり返されたことぐらいです。母から聞いた話では、夏休みの宿題を早めに
済ませておくように言っていたそうです。そして、夏休みも最後になる頃、
突然に旅行に連れていくことが多かったそうです。

 お正月休みは、まず大晦日に父方の祖父母に挨拶をした後、スキー場
で3ケ日を過ごすのが通年行事でした。アルバムを見ると、山や海に行くと
いうよりは、遊園地やプールに連れて行ってもらったようです。

 ☆祖父になって 

  私には娘(2w3)もいますが、出産で里帰りしていた間、父が私や娘(孫)
に関心を示すことはありませんでした。娘(孫)の子育てには一切手を出し
ていません。しかし、2人目の息子(孫)については、嬉々として世話をして
くれました。父は退職していたので、暇にしている父をあてにして、息子(孫
の相手を頼みました。うれしそうに世話するとは、私自身は遊んでもらった
記憶がないので、これには驚きました。

 息子は手のかかる子ではありませんが、とにかく体がよく動く子で、60歳
代の父が相手をするには、かなり骨が折れます。父の子守りは、息子(孫
を「ママチャリ」に乗せて、近くのプールや公園に連れて行き、息子(孫)が疲
れるまで、ただ静かに後ろに付いて歩くというものです。泳ぎを教えるとか、
ボール遊びの相手をするとかではなく、思いのまま歩かせて、それを見守る
という感じです。

 父は、気が向くと遠出もしたようです。帰りが遅いので心配していると、電車
に乗って交通博物館や科学館、犬山(自宅から1時間半はかかる)のラインパ
ークまで行ったこともあります。事前に、こちらに言うことはなく、帰ってから報
告することが多いです。

 習い事の付き添いも、頼めば引き受けてくれました。同じ年頃の子を連れた
若い母親たちから話しかけられても、普通に気楽に会話をします。まわりが
い女性ばかりでも平気でした。私の子ども時代は仕事優先だったので、想像
できない子煩悩ぶり、否、孫煩悩ぶりです。

 一番驚いたのは、息子(孫)の幼児教室のクリスマス会でのサンタクロース
役を頼まれた時、迷うことなく引受けて、サンタの変装をして、子どもたちと写
真におさまったことです。率先して関わることはありませんが、頼まれればな
んでも引受けてくれました。

☆新聞の切り抜き

  父は読書をたしなみませんが、新聞はよく読みます。ニュースも、TVよりは
新聞から入手します。退職した現在は、かなりの時間を割いて新聞を読んで
います。1面から順番に読み、気になる記事があると切り抜いておき、透明フ
ァイルに入れたり厚紙に張ったりして、私に渡してくれます。また、その記事に
関する薀蓄(ウンチク)を言うことはなく、ただ渡すだけです。
 
 息子が小さい頃は育児関連の記事、小学校にあがってからは教育関連の
記事です。シリーズ物は、その都度渡すというよりは、全て揃えてから束ねて
渡されます。同じ新聞をわが家も読んでいるので、一言「読んでおけよ」で済
むことなのに、切り抜いて赤線を引いて渡してくれます。 

☆父の日常 

 父の一日はラジオ体操から始まります。家から1kmぐらいの公園まで自転
車で行きます。平日は体操が終わったらすぐに帰宅しますが、日曜だけは喫
茶店に寄り、「モーニングセット」を食べるそうです。寒くても暑くても、雨が降っ
ても必ず行きます。夏休みに息子を万博に連れて行く約束をした時も、ラジオ
体操を済ませてから迎えに来ました。

 父の現在の趣味は、競馬です。平日は競馬新聞で研究をし、土・日は午後
から場外馬券場に行きます。それも必ず2時半からです。何か決め事をする
とキッチリと守ります。たとえば、かなりのヘビースモーカーでしたが、ある年
の正月に、「たばこやめようかな……」と一言いっただけで、次の日からパタッ
と禁煙しました。体を壊して医者から止められたわけではありません。

 私の家に来ると、犬の散歩をしてくれたのですが、一日中いても、犬を散歩
に連れ出すのは決まって4時過ぎてからです。雨が降りそうな雲行きでも、午
後から急に寒くなってきても、腰をあげるのは4時過ぎてから。散歩のコース
も決まっていて、その日の気分で変えることはありません。帰ってくる時間もほ
ぼ同じでした。
 

 ☆洗濯と掃除が得意 

  父は自宅では、自分の部屋の整理整頓しかしませんが、私の家に来ると庭
の掃除からゴミの始末、部屋に掃除機をかけ、洗濯までしてくれます。母は
2w1でキレイ好きですから、自分の家では出番がないのでしょう。

 私は家事が好きではなく、いつも雑然としているので、父は気になるみたい
です。それでも、私に掃除をしろと叱責することはありません。もくもくと掃除
を始めます。それが手際よく見事にキレイにしてくれます。

 捨てることは好きではないらしく、私が使わないからとゴミ箱にいれておい
た物まで、もとに戻しておきます。それも「捨てるな!」と注意するのではなく、
こっそりと置いていきます。私が「要らない!」と言うと、自分の家に持って帰
ります。午後から出向いて来た時でも、少しでも洗濯するものがあると、掃除
の合間に洗濯機をまわして、3時過ぎでも干しています。「乾かないから洗濯
しなくていいよ」と言っても、必ず洗濯機をまわしています。私の家に来たら
、「掃除と洗濯をしよう」と、決めているみたいです。

☆男に目が行く

 同居しているわけではないので、会うことが少なくなりましたが、息子(孫)
のことは気にかかるらしく、私にはあれこれと言います。しかし、息子(孫)の
前では、物わかりのいいおじいさんをしています。

 タイプ1は男に目がいくといいますが、私が実家をたずねるとまず聞くのは
息子(孫)のことで、娘(孫)のことは何も尋ねませんし、何も言いません。娘
もそのことは感じているみたいです。

 思えば私の子ども時代も、兄のことは気にして母にあれこれ言っていたよう
です。しかし、兄に面と向かって意見することはなかったように感じます。また、
兄が大学進学の頃、父が「東大以外はどこの大学に行っても同じだ」といって
いたのが印象に残っています。


☆
長女気質だから   
 
 つらつらとタイプ1の父のことを書き連ねてきましたが、冒頭に書いたサッカ
ーチームによくある「教え導く強い父親像」とは言いがたく、任された世話をそ
つなくこなす学級委員タイプかもしれません。

 体格のいい人ですから、パッと見は、頼りになる日本のお父さん風です。しかし、
母も私も父に頼ったり相談することはなく、母娘で決めて事後報告が多いです。
また、それに異を唱えることなく、同意してくれます。

 グルメではありませんが、街を車で走っていると、新しくできた店は目端でチェッ
クしており、「おいしいもの食べに行きたいなぁ」と言うと連れて行ってくれます。買
い物にも誘うと付いてきて、長々と服選びをしていても怒ることはありません。自分
は好きな場所を歩き回り、時間をつぶしていてくれます。

 母が3週間ほど入院した時も、病室にいて妻の話し相手をするようなことはあり
ません。しかし、父の食事の世話はいっさいしなくても心配なく、家はキレイに保た
れていました。男であっても「長女気質」だからでしょうか?

 父親と娘が二人だけでは、気まずくなるという話をよく聞きますが、父がタイプ1
のせいか、私がタイプ9のせいか、話が盛り上がることはありませんが、穏やかに
会話が続きます。可もなく不可もなく、という父親でしょうか。