仲間たちのつぶやきシリーズ                                        

  2005/08/20 
                                            
             
   タイプ2とタイプ4の娘 
                                                                    
   by  anperro 

 
私には2人の娘がいます。長女が中学一年、次女が小学六年です。タイプはそれぞれ2w1と4w4です。ちなみに私は2w1で、夫は4w4です。姉妹は1
歳違いで、背格好も顔つきも良く似ています。初対面の人からは、「双子?」と訊ねられることがありますが、よくよく見ると行動や表情が全く違うので、すぐに見分けがつくようです。


1 自立的な長女 母ベッタリの次女 

 
赤ちゃんの時から二人は全く違っていました。夜泣きする時、長女は湯冷しやミルクを飲むと泣きやみます。しかし、次女には、腕枕をすると安心したかのようにスッと寝ます。長女に腕枕をすると、始めは効果がありますが、少しすると自分の好きな恰好で寝たいというのがわかったものです。外出先でも長女はずっと抱かれていることを嫌い、まだ、歩けないのに体を反り返りらせて「降ろせ!」と強く主張します。

 次女は歩けるようになっても、抱かれているのが好みらしく、少しでも降ろそうとするとしがみついて来たものです。そんな様子から、母親として求められているものが違うように感じられました。


 
長女は赤ちゃんの時期がとても短かった気がします。すぐに色々なことを自分でやりたがりました。ミルクを飲んでいた頃は、自分で哺乳瓶を持ち、むせても顔にミルクがかかっても一人で飲もうとします。オムツが必要でなくなる頃には、自分で着替えていました。おぼつかない手つきなので、私が手を貸そうとすると「自分でやる」と言っているようで、一人でやり遂げると満足そうでした。その頃、妹が生まれたので、妹のオムツも替えたがりました。姉妹同時のおむつ姿は、何ともおかしなものです。
 
 外出すると、長女はいろいろ見たり触ったりと、好奇心がとても旺盛なところがあります。一人で動き回りたいのか母親の手をすぐに払い退け、おぼつかない足でどこか行きたいところへ行ってしまうのです。そんな時、「親離れ」と言うと少し大袈裟かもしれませんが、それに近いものを感じました。 


 
それに比べ次女は、長い間、「赤ちゃん」をしていたような気がします。自宅内でも常に私から離れることはありません。外出するとさらにその傾向が強くなり、ベッタリという感じになります。私が友人と会うために連れて行くと、膝の上で少しも動こうとせず、いつの間にか寝てしまいます。長女の時には全く経験のないことでした。

2 活発な長女、おとなしい次女

 
長女が2歳の頃のこと。公園へ行くと、長女はすぐ私から離れて、そこにある遊具を全部制覇しようとするくらいに、意欲的に遊ぼうとします。しかし、当然一人では出来ないものもあるので、私は次女を抱いたまま、遊び回る長女に付き合わされました。
 長女の欲求は、午前中の公園だけでは満たすことができず、私も体力の限界を感じていたので、長女だけを幼児教室へ行かせました。始めの頃は少し尻込みをしていたもののすぐに慣れ、とても楽しそうに通い出しました。

 次女は体力を必要とする遊びを求めて来ないため、穏やかな時を過ごし、お姉ちゃんの帰りを待つという日々を送れました。次女にとっては、その間は母親を独り占めできるのですから、今考えると、長女を幼児教室に行かせたのは良い選択だったと思います。

 次女は2歳になっても、長女やその友だちとしか遊ぶことがなかったので、同年代のいる幼児教室に通わせることにしました。そこは、歌を歌ったりお遊戯をするのが中心の音楽教室でした。しかし、彼女は一年間ほとんど私の膝の上から離れることはありません。いつも、ここに何しに行ったんだろうと思い、幾度となく辞めようかと思い悩みました。でも、本人に聞くと、見ているだけなのに「楽しかった!」と言います。それで、なんとか通い続けることが出来ました。
 
 たしかに、帰宅すると、その日みんなが歌っていた歌をうたったり、一度も踊って
いないのによく覚えていて、お遊戯を踊っていました。教室では毎日、最後に子どもたちが先生のところに「良くできました」というカードを取りに行くことになってしましたが、次女だけは最後まで取りに行けません。
 しかし、驚いたことに、今日で最後という日に、なんとスッと母親の膝から立ち上がり、カードを取りに行くことができたのです。突然の彼女の行動に、みんなも驚き、思わず拍手をしてくれました。その時の次女の満足げな顔は、迷い続けた一年間を払拭するに充分でした。



3 欲求が多い長女、一人遊びを好む次女 

 
幼い頃の長女はいつも目を輝かせて、何かしたいことを探していました。その行動は危険と隣り合わせで、高い塀があれば登りたがります。水があれば触ってみようとします。それだけでは物足りないらしく、足も入れてみたいと、最後は全身ズブ濡れです。

 また、長女に壊された物は数えきれません。ビデオデッキ、リモコン、サングラス等々。そういえば「やりたい放題」という名のオモチャもありました。それは、夫が長女にピッタリだといって買って来たものです。電話の受話器が付いていてダイヤルが回ったり、ティシュを出して遊べたりした結構頑丈なオモチャなんです。

 このオモチャを考えついた人は、きっと子どもたちが受話器を耳に当てて、「モシモシ
」をすると考えたに違いありません。しかし、長女とってその受話器はオモチャを振り回す恰好の取手になってしまいました。コードは引きちぎれ、アッという間に壊れてしまいました。大人の目から見ると、単に壊したがっているだけに見えるのかもしれませんが、長女からは「こうしたらどうなるんだろう?」という思いが、押さえ切れなかったんだと思われます。サングラスなどの高価なものも壊すので、その都度叱っていたこともありました。

 でも、好奇心が強いのも個性の一つだと思い、徐々に認めていくというか、諦めざるを得なかったような気がします。2〜3歳がピークでしたが、言葉で自
分の気持ちを伝えられるようになると、徐々に納まってきたように思います。

 それに較べて、次女は好奇心はあっても、それが直接的な行動に結びつかず、オモチャなどを壊すことはめったにありませんでした。気に入った遊びがあれば、一人で静かにずっと遊んでいました。必ず相手をさせられた長女に較べると、私にベッタリの次女が、一人遊びが好きなので助かっていたのですが。

 4 気質の違う二人

 
私がエニアグラムに出会ったのは、二人が幼稚園に通っていた頃です。姉妹の性格の違いをなんとなく感じていたので、タイプ判定にはそれほどの時間はかかりませんでした。

 ちょうどその頃のエピソードです。七夕飾りに、長女は「大きくなったらお母さんになりたい!」、次女は「大きくなったら鳥になりたい!」と書いてあったことを思い出します。動物の絵を描く時など、次女はいつも大小の二頭を描くので、尋ねてみると「大きい方がお母さん。小さい方が赤ちゃん」と言っていました。長女はたいてい大きな動物を一頭だけ描いていました。

 ある日、幼稚園に入って間もない頃、長女が「はじめて泣いた」と、先生から聞かされました。幼稚園は縦割りで、年上の子と遊ぶことが多く、その日、ままごとで「赤ちゃん役」をやらされたようなのです。どうして泣いたのかと尋ねると「赤ちゃんは寝ているだけで何もすることがない。お母さん役がよかった!」と言ったそうです。先生が「年上の子と遊んでいれば、赤ちゃん役はしょうがないね」となだめても、なかなか泣き止まなかったそうです。

 ちなみに、次女はいつも赤ちゃん役で喜んでいました。「赤ちゃんは、いつも寝ていてバブバブ言っていれば良いんだよ!」と教えてくれたほどです。エニアグラムでは、タイプ2をお母さん気質、タイプ4を末っ子気質と言います。私は子どもの行動などから、改めて自分の気質に気づかされました。


5 写生会でのこと

 
写生会に参加した時のことです。子どもが絵を描いていると、まわりを行き交う人は自然と絵をのぞき見て行きます。時々、声をかけてくる大人もいたりします。長女の場合、そのような視線や声かけを気にすることはなく、描き続けられるようです。

 ところが次女は、それが嫌らしく、画板を立てて、人に見られないようにします。当然、時間がかかってしまいます。それでも、ずっと立てて描いているわけにはいかず、時折、地面に置いて描くのですが、人の気配があるとさっと隠します。隠しきれないことも度々あり、褒めていく人も出て来ます。自分でも納得したものになってくると、やっと画板を下に置いたまま描けるようです。


 
この二人の行動の違いは、いまだにあまり変わっていません。また、興味を持つ被写体に違いがあります。長女の場合は、どんな被写体でもあまり変わりなくマイペースで描きますが、次女の場合はハッキリしていて、明らかに動物を描くときの興味は、他と比べようがありません。描き始めるとすぐに集中して、回りの視線が気にならなくなるからです。集中して描けた作品は出来映えもよく、本人も納得したものになるのですが、「写生会」という決まり事の多い中では、むずかしいようです。


6 おしゃれについて

 
小学3、4年頃から、二人の好みの違いがハッキリしてきました。長女は流行のブランドが好きになり、次女は高価なことに気を使っているせいか、ブランド
を欲しがることはありません。次女は自分に合うものを知っていて、安価のものでも似合う物を見つけます。長女は好きな色ばかりを組み合わせたりするので、次女に指摘されることも度々あります。自分でもそれとなく気づいているみたいです。

 次女は長女のように目立つ服は好みません。特に長女が好む背中にブランドのキャラクターが大きく描かれているものは、「絶対に着たくない」と言います。次女は、よく鏡の前にいて、いろんな髪飾りを出しては付けています。しかし、外にそれらを付けて行くことはありません。一度、大きめのカチューシャを付けて友達の所に遊びに行きました。帰って来て、そこのお母さんに「可愛いい」と言われたと話してくれました。

 私が見てもかなり似合っていると思うのですが、彼女はそれっきり、それを付けて外出することはありませんでした。何故かと思いましたが、おそらく、その時そのお母さんは、かなり褒めたのだと思います。褒められることは彼女にとっても嬉しいことなのですが、過剰な反応によって、「目立つ」ことだと理解したようです。


7 目立つことについて

 
長女にとって物事を選択する上では、好きか嫌いか、やりたいかやりたくないかが重要なようです。「目立つことを避ける」などという傾向は全くなく、たとえば、クラスの学級委員よりも、その上の代表委員になりたがるようです。また、登校時の分団の班長に小さい時からなりたがっていましたが、「先頭に立って小さい子の手を引いて行く姿」に憧れていたようです。
 6年生になり、まとめ役の分団長が選ばれる日に、どうしても参加出来ない用事が出来てしまいましたが、そんな時でも忘れずに、わざわざ「立候補願い」を提出していました。

 次女は、それを知り驚いていました。次女にとって分団の集まりは、高学年から低学年まで集まるところで、できるだけ避けたいところだったようです。ましてや、その会の司会まで進んでやりたいなんて理解できないようです。しかし、姉が卒業した今年、その分団長に推薦されたらしいのです。「自信がないので出来ません!」と言ったそうです。

 次女は、姉が色々なものに立候補するたび、「目立ちたいからだ」と思っています。エニアグラムを知って、タイプ4は目立つことを意識していると知りました。きっぱりと自分の思いを言い、断ったことは良いと思いましたが、実は自信を持ち引受けられる自分になりたいのではないでしょうか。得意な分野が見つかれば、目立つことに意識がいかず、自然にできるようになると思われます。

 親として彼女にしてあげられることは、得意なことをたくさん見つけられる環境を作ることなのではと思います。このように、彼女たちの特質を理解した上で接していけることは、エニアグラムを知らなければ、できなかったことだと思います。


8 エニアグラムを学んで

 
今、二人の娘の幼い頃のことを書き出すと、大変だったことをたくさん思い出してしまいました。年子なので、必死に一日一日を過ごしてきたという感じです。もし、長女が生まれた時に、エニアグラムを知っていたら、「もっと違う子育てが出来たのかも…」などと考えてしまいます。しかし、出会えたことだけでも、とても幸運だと思っています。これから大人になって行く二人に、よりよいアドバイスが出来るよう、エニアグラムを学んで行きたいと思います。