仲間たちのつぶやきシリーズ                      

               
         
姑(1w2)について
                        
by
/puku
                  

 
私(1)は、結婚と同時に夫の母親と同居することになりました。現在は、2人の子どもがいて、5人家族です。結婚する前、私は実家の母と友だちみたいな関係で、一緒によく買物をしたり、映画を観に行きました。姑とも、そのような関係になって、仲良く付き合いたいと思っていました。同居して10年以上が経ち、仲は悪くないと思いますが、姑の考え方や行動が理解できませんでした。

 姑は、地味で化粧もせず、一昔前に流行った服を着ており、真面目で物腰も低く、ひっそりと生活しているような人です。人に対して、面と向かって意見を言うよりは、いつも聞く側にいます。私は気の強い人とうまくやっていく自信がなかったので、はじめて顔を合わせた時は、安心しました。しかし、同居して、少しずつ性格を知るようになると、私には考えられない一面が見え出しました。


旅行先の姑の行動

 家族で温泉旅行した時のことです。宿に着いたのが早く、夕食まで時間があるので、先にお風呂に入ることになりました。しかし、姑は入ろうとしません。夫が「せっかく温泉に来たのに……」と、すすめても絶対に入ろうとしないのです。私に対して遠慮しているのかと思いましたが、後で聴いてみると、「そんなに早くからお風呂に入ると、湯冷めして風邪をひくかもしれないから」とのこと。その後の宿の夕食は豪華でしたが、姑は半分も食べません。口に合わなかったのかと思い、尋ねると、「食べ過ぎて、お腹をこわすかもしれないから、このくらいで止めておきます。」と、言います。また、姑に露天風呂の話をしましたが、「入っていない」と言います。どうやら、裸で外に出ると、風邪をひく心配があるようです。

 このような姑の態度に、夫(21)はイライラするらしく、「たまの旅行なんだから、もう少し融通が効かないのかっ!」と怒ります。しかし、姑は、自分の息子の言葉に反発することはなく、黙って聞いています。それでも、息子に従うことはなく、「わが道を行く」という感じに見えます。

 姑は、めったに旅行をしないのですが、友人から誘われて、断われなかったらしく、珍しく出掛けたことがあります。しかし、旅行先で車酔いしたらしく、旅の途中なのに、一人で帰って来てしまいました。集合時間や食事の時間が気になって、ゆっくりと観光を楽しめないようです。すごく疲れた様子をしていました。

 
天気と病気に敏感な姑

 
姑は、天気にも敏感に反応します。午後から雨になるという予報を聞くと、朝早くから、傘はもちろん、レインコートや長靴まで用意します。どんなに暑い夏でも、雨天は長袖レインコートを着て出かけます。雨に濡れてはいけないからです。ですから、台風が近づいている時は、大騒ぎになります。朝から雨戸を閉め、庭の植木ばちを片付け、夫や子どもたちに「台風だから気をつけて!」と、心配そうに声をかけます。そんなに早くから準備しなくてもよいと思うのですが、姑は一人でソワソワと忙しそうです。特に、今年は7月なのに、二度も台風が上陸したので、「大変な事になった!」と、とても不安そうな顔を見せました。

 また、病気に対しても過敏です。長い連休が続く前日は、病気でもないのに病院に行きます。「病院が開いていない時に、風邪をひくかもしれないから……」と言うのです。病気に罹ってもいないのに、どのように言って薬を処方してもらうのか、不思議ですが、ともかく薬をもらって来ます。
 むろん、食生活にも気をつけていて、「しょう油は塩分が多いから摂り過ぎると腎臓病になる」、「肉は脂肪が多いから摂り過ぎると、コレステロールが増える」と、心配ばかりします。最近は、孫の偏食が気になるらしく、魚などを食べないと、「子どもはカルシウムを取らないといけません!」と注意します。

仕事一筋の姑

 姑は私と同居する前から、ずっと会社勤めをしており、仕事一筋の人です。自分の体をとても気遣いますが、体調が少しくらい悪くても、会社を休むことはありません。風邪をひいたら病院には確実に行きますが、「無理をしないで、仕事を休んだら?」と進言しても、全く聞き入れません。「私がいないと仕事が進まない!」と言います。お盆と正月休みでは、「一日、余分に休みを取って、どこかに行こう」と誘っても、断わられます。「会社は絶対に休まない!あなた達だけで行ってください」と一歩も譲りません。

 また、下の子が入院した時は、上の子の世話をして欲しいと頼んだことがあります。その時も「仕事があるから!」と断わられました。自分の同窓会があっても、その日が平日なら欠席します。知人に不幸があっても、その日が平日なら確実に欠席です。私には、何が姑をそこまで仕事一途にさせるのか理解できませんでした。

孫が生まれて

 
最初の子は女の子で、姑もそれなりに喜んでくれました。しかし、次に男の子が生まれて、喜びの表情を見せた時は、普段、感情を表に出さない姑なので、周囲の人たちがビックリしたほどです。そして、「これで我が家も一安心」と言ったのです。
 今どき、男であっても女でも、安心できるような時代ではないと思うのですが。もちろん、小学生になった孫を、今でもよくかわいがってくれますが、ことあるごとに、「長男なんだから」と、男の子のことばかり気にかけます。夫にも、「男の子はかわいい」と言ったそうです。

姑と夫(母と息子)の関係 

 
よく「嫁と姑」の関係は揉め事が多いように思われるかもしれませんが、そのようなことはほとんどありません。姑も言いたいことはたくさんあると思うのですが、自分を抑えているのでしょうか、嫁の私には穏やかに話しかけてきます。しかし、そんな姑ですが、口癖は「すみません!」なのです。

 それが、夫には気に入らないらしく、「悪いことをしたわけでもないのに、謝るな!」と、大きな声をあげます。また、夫と私が「長い間、働き続けてきたのだから、もう少しゆっくりしてほしい」と言ったことがあります。すると、「私には仕事がある!」と頑固で、自分の思いを曲げません。そんな調子ですから、この「母と息子」の関係では揉め事になりやすいのですが、息子のほうが母親に対して、一方的に怒っているだけなのです。

  姑は、争い事が嫌いなので、夫が話をはじめようとすると、サッと自分の部屋に入ってしまいます。その行動が、夫には面白くないらしく、不機嫌になります。そんな時、私はどうしていいか分からず、ただオロオロするばかりです。夫は、母親を嫌っているのではありませんが、母親が仕事に一途過ぎて、人生を楽しんでいないことが不満のようです。
 姑にとって、仕事は生きがいなのでしょう。こんな2人なので困っており、私がうまく取り持てたなら良いのですが、不器用で機転が効かないので、うまくやれず残念です。


エニアグラムを学んで

 姑は仕事のみで、これといった趣味もありません。いつも自分を抑えて感情を表に出さず、いったい何を楽しみに生きているのかと、考えさせられることばかりでした。友人も多くなく、どこか世間知らずなところがあります。騙されたことがあるそうですが、騙されたと分かっても、相手を責めずに、自分を責めるような人です。
 私は姑に対して、もっと楽に生きたら良いのにと、ずっと思っていました。 

 結婚式の折り、姑のことを「決して悪い人ではないけれど、少し変わった人」と、親戚の人が言ったことが、ずっと頭から離れませんでした。一緒に住んでみたら、本当にその通りだなあと思いました。しかし、私には考えもつかない行動でも、1w2の姑にとってはごく普通のことであり、当たり前のことなのだと、エニアグラムを学んで、はじめて知りました。
 また、2w1の夫から見ると、タイプ1の母親は理解できず、その生き方が気になることも理解できるようになりました。そして、タイプ1は「男好き」だから、男の子の孫を可愛がり、準備万端で仕事一途なのも、「なるほど!」と心から納得できるようになったと思います。