仲間たちのつぶやき                                  

  
    
        父と子のエニアグラム  

      (父親から見た、タイプ4とタイプ2の子ども)
                                                  by 流世無我  

  私は、二児の父親です。エニアグラムを勉強し始めて1年半になります。今回は、私から見た息子と娘の性格と、その行動について、思いつくままに書き綴ってみようと思います。

 まず、息子についてですが、他人から見ると、大変不思議な子に見えるでしょう。いつもマイペースで、自分の世界を強く持っているようです。

 幼稚園児の頃は、園舎のベランダの片隅に自分の居場所を見つけたらしく、そこから遠くの空を眺めて、物思いにふけっていたようです。小学校三年生になった現在も、その傾向は変わらず、授業中に好きな本を読んだり、好きな絵を描いているそうです。

 家で遊んでいるときも、お気に入りのオモチャに語りかけながら、オモチャと同じ目線に立って、その世界に入っています。息子の独り言を、耳を澄まして聴くと、単に語りかけているのではなく、一人で全てのストーリーを作って演じていると分かります。元々は、あまりおしゃべりが上手ではなく、自分の思いを他人にうまく伝えることができない子どもです。しかし、その創造力たるや、私の想像を超えています。自分の興味のあることや好きなことに関しては、抜群の創造力を持ち合わせていると考えられます。

 また、かなり幼児性が残っているようで、とくに母親に対する甘え方は大変上手です。ある意味、粘着的でもあります。それは、「母親に対する絶対服従」という恐怖への裏返しと思われ、母親に認められなければ、自分の世界が無くなってしまう怖れの現われなのでしょう。

  ですから、母親に叱られると、すぐに謝り、あたかも自分の存在を消されないように必死になっているように見えます。逆に父親の私に対しては、そのような気持ちを持っておらず、自分の考え方と対立すると、「父さんは友だちじゃない、ライバルだ!」といって、主張を曲げようとはしません。

 このように、父親と母親に対する接し方がまるで異なっています。つまり、母親には親子の関係を、父親には兄弟・友だちの関係を求めているように感じられます。将来、息子は両親以外にも、自分を認めてくれるよき理解者に恵まれて、自分の興味のあることや、好きなことで生計を立てられるならば、充実した社会生活を過ごせるだろうと思われます。ちなみに、彼はタイプ4w5と判定されています。  
           

 次に娘ですが、小学校一年にしては、しっかりしているように思われます。しかし、本当はそうではなく、生まれながらの性格から、そのように見えたのだと、エニアグラムによって判明しました。

 彼女は自分の存在に不安がないらしく、自分のことを差し置いて、幼い子や友だちや、兄の世話をしたがります。また、私が困った顔をしていると、「どうしたの。何かあったの?話してみて!」と相談相手になろうとするのです。 彼女自身はまだ子どもなのに、「大人(母親)」の立場に立って、人々と接しようとしているかのようです。だから、大人の会話に、たまらないぐらいに割って入りたがり、意味がよく分かっていないと思うのに、相槌を打ちます。

 そして、「私はこう思うよ!」とピントはずれのことを言います。そのため、母親とよく対立します。自分の身の回りのことが充分にできないにもかかわらず、他人の世話を焼こうとしたり、大人のように振る舞おうとするからです。  私から見ても、少々鼻につくことがあり、叱ってしまうことがあります。その際、彼女は仕方なく謝っていることがよく分かります。娘にしてみれば、自分の言動はすべて善意に満ちあふれており、なぜ、叱られるのか、納得できないのでしょう。

 彼女は自分が家族の中で一番下であることが気に入らないらしく、妹か弟が欲しいと言います。自分を頼りにしてくれる存在が欲しいのでしょう。また、娘は息子に比べて甘え下手です。とくに母親に対しては顕著です。このことは彼女の本質的な性格が「母親」であるということに起因していると思われます。それは致し方のないことなのかもしれません。おそらく娘は早く大人になって、結婚して「母親」になりたいという願望を心の片隅でしっかりと暖めていることでしょう。娘のタイプは2w1です。


 最後に、父親である私は、二人の子どもにとって「理想の父親」であるとはとても思えません。息子と娘が「理想の父親像」を、漠然としてではあるが、持っているようですが、私自身、「父親」の役割を果たせる性格ではないと思っています。
 エニアグラムによって、子どもたちそれぞれの性格を知り、相互理解を深めていけば、よりよい「父子関係」が築けるものと考えています。