タイプの見分け方シリーズ                        

2008/12/20
 
  
タイプ1とタイプ8の見分け方

                
  タイプ1とタイプ8は、直接に会って会話を交わしたならば、違いはあまりにも大きく、この二つのタイプを間違えるなど考えられないほどです。話し方とか、身振りや存在感とか、かもし出す雰囲気など、印象があまりにも違うためです。

 2つのタイプの違いは、かなり大きいのに、意外かもしれませんが、とてもよく似ているところがあります。他の会派の著書には、この2つのタイプを誤認していることがよくあるようなので、本当によく似ているのです。
 また、似ているとはいっても違いは大きいのです。それは、さながら「鍵と鍵穴」みたいなイメージに近く、「相似と相違」が見事に入り組んでいます。





1 両タイプの似ているところ

 
・行動タイプ(1・8・9)
 ・大脳辺縁系優位タイプ(1・8・9)
 ・法と秩序を重視する
 ・決まりと礼儀に厳しい。
  ・競争心が強く、負けず嫌い
 ・修行をしたがる
 ・努力していることを隠す
 ・全てのことで優りたがる
 ・自分に厳しく、他人にも厳しい。
 ・現実的

 
両タイプともに行動タイプ
(1・8・9)といい行動的です。「有言実行」であろうと、「不言実行」であろうとも、まずは実践することが大切だ、という価値観を持つ傾向があります。

 あまり感情的にならず、理屈屋とも言えず、話していること考えていることは明快で、わかりにくいことはあまりありません。それは辺縁系優位タイプ
(1・8・9)の特長的なところです。

 「法と秩序」は、守るべきであるという価値観が強くあり、混乱を恐れ嫌う傾向があります。また、礼儀作法に厳しく、礼儀を重んじる人たちです。
 そして、どちらも競争心が強くて、負けず嫌いです。勝つためには心身を鍛えねばならず、修行に励む必要があり、修行を好む人たちと言えるでしょう。

 しかし、どちらのタイプも、人知れず隠れて修行したり努力するほうです。必死に訓練しているところは他人には見せません。愚かで弱くてダメな自分は、人前では曝け出しません。見栄っ張りでカッコづけているとも言えるかもしれません。

 そして、全てのことで人よりも優りたいため、自分に厳しくなり、寸暇を惜しんで勉学に励み、研磨を積むことが多いタイプです。そして、どちらも、現実に目を向けており、非現実的な考え方はしにくい人たちです。


2 似ているのに、違うところがある

 このように似ているのですが、同じ行動タイプとはいっても、タイプ8はどっしりと重量感があり、存在感があり
ます。威圧的と言えるくらいです。 しかし、タイプ1の腰は軽くて敏捷、あまり重そうには見えず、存在感が薄そうに見える人もいます。

 また、車を運転する時には、アクセルとブレーキどちらも必要ですが、それに譬えるならば、タイプ8はアクセル機能のほうが強く、タイプ1はブレーキ機能のほうが強いと考えられます。

 タイプ8は積極性があり、一人でも突き進む傾向があり、なんでも主体的に取り組むほうです。しかし、タイプ1は、命じられないと動き出しにくく、みんなと一緒に行動したがり、みんなの総意に従うほうです。受け身で「客体的」になりやすい傾向があります。

 タイプ8は、危険時にはさらに積極的に行動するほうで、より大胆になり慎重にもなります。しかし、タイプ1は怖がりな気質ゆえ、パニックに陥り行動できにくくなり、逃げ出すことがあるかもしれません。

 タイプ8は安定型で、感情の起伏はさほど大きくなりませんが、タイプ1は、感情の起伏は大きく、不安定になりがちです。

 しかも、タイプ8は「自分が法律」であるかのような振る舞い方をして、できうるならば法律を制定したり、改定する側の人間になりたがります。
そして、他人には守らせ、自分は守らずともよいかのような振舞い方をするかもしれません。

 一方、タイプ1にとって法とは守り通すもので、絶対的盲目的になりやすい傾向があります。人々の模範になるために率先して法やルールを守るべきだと必死になる傾向があります。

 どちらも競争心が強くて負けず嫌いですが、タイプ8は負ける恐れがある時は、勝つためには手段を選ばず、ルール破りもして、卑怯なことも採用するかもしれません。

 しかし、タイプ1は負けるとわかっていてもルールを守り、卑怯な手段など脳裏に浮かばないかもしれません。

 それゆえ、タイプ1を「優等生気質」と呼んでおり、タイプ8を「独裁者気質」とも呼んでいます。遠慮がちでおとなしいが、理想主義の理想的な人物に見えるのがタイプ1のほうです。タイプ8は傲慢でヤクザっぽいというか、野獣的な恐ろしさを感じさせるが、理想的な指導者に見える人がいるかもしれません。

 このようなところから、さながらタイプ8は「鍵」で、タイプ1は「鍵穴」みたいなイメージに近いことがわかると思います。



 世界は、肯定的なところか否定的なところなのか
 
 タイプ8にとって、この世は恐怖と暗闇の差し迫る恐ろしいところですから、周囲の人間はみな「敵」か「ライバル」です。それゆえ、生まれながらに警戒心が強く、弱みを見せず、スキも見せません。いつ欺かれるかわからない、裏を掻かれるものと想定しており、用心を怠りません。

 
しかし、タイプ1にとって、この世には辛いこともあるが、みなと助け合い支え合えるならば、困難に打ち勝てるかもしれないと考えやすい人たちです。人間に対しての警戒心は少なく、理想の人物を探しており、その人の指導の下で、自分も立派な人間になるためにがんばろうとします。

 タイプ8にとって、この世は戦場みたいなところゆえ、自分しか信じられず、いつも緊張しており、自分を強く統御して、誰よりも強くならねばならないと思い込んでいます。ライバルは倒すべき対象でしかなく、勝つことに執着します。

 しかし、タイプ1は、この世を理想郷にするために努力することが、自分の生きる目標にもなります。それは一人では成しえないものゆえ、自分の考え方と同じ人たちと協力しあう必要があると考えます。

 ところが、タイプ8は、人間というものは強欲で自分のことしか考えないエゴの塊だと思いやすく、人間は愚かな動物だと思いやすい。栄枯盛衰ゆえ、いずれ全てのことは瓦解してしまう、はかない世界だと、否定的なことばかり思い浮かぶ傾向があります。
 
 しかし、タイプ1は、人間を信頼しやすく、自分と同じように社会をよくするために尽くすことができる人たちがいると想定してしまうのです。たとえ、すぐに物事がうまく行かなくとも、行く手が阻まれていても、少しずつでも努力すれば、努力した分だけ良くなっていくだろうと、建設的な考え方をしやすい傾向があります。

 なお、タイプ1も負けず嫌いで、ライバル意識は強い人たちです。しかし、ライバルがいるから努力できるのであり、良きライバルにめぐり合うことは、自分の益にもなり、それは相手にとっても同じであると思い、互いの成長を促すものという考え方になりやすい気質です。



4 世界の中心に居るのか、淵に居るのか

  タイプ8は「自分は世界の中心にいると自己認識するタイプ(825)」です。このタイプの人たちは、オオモノ意識があると考えられます。

 タイプ8は、自分は生まれながらに人の上に立つ身分だと思いこんでいるかのような振舞い方をします。自分の指図通りに人々を動かしたがり、従わない相手には手厳しくなり、また、従せようと執拗に迫ります。

 また、権力者になりたがり、大将になりたがり、有名になりたがります。ボスを補佐する二番手にはなりたがりません。

 一方、タイプ1は「自分は世界の淵にいると自己認識するタイプ(714)」です。このタイプは優等生的な振舞い方をします。
 タイプ1は、いつでも自分は良い子でなくてはならず、人々の模範になれるように全力をあげます。誰よりもよく勉強し、誰よりもよく働かねばならないという強迫的な気持ちになりやすい気質です。

  タイプ1は、人の上には立ちたいが、権力者になりたいほうではなく、ボスを補佐するほうになりたがるほうです。指導者からの指示に従いやすく、実によく仕えます。尊敬できる指導者であれば、妄信してしまうことも有りえます。

 そして、タイプ8は部下や目下をうまく使いこなす気質で、周りの人間たちをよく観察しています。うまく使えるように、その能力なども把握しており、性格やその他などもよく観察しています。

 しかし、タイプ1は、部下や目下を使いこなすことが不得意で、何でも自分でやらないと気が済まない気質です。上司や教師、目上の人達を意識していますが、それ以外の人たちへの観察が不足しがちです。

 指導者のほうばかり意識して、気に入られるように、ミスや落ち度がないようにと、必死でよく学びよく働きます。しかし、それ以外の人たち、女性とか目下などに関心を持たず、あまり気にかけない傾向があります。

 タイプ8は本番に強く、異変への対処にも果敢に対抗しやすく、大胆で勇敢な気質です。一方、タイプ1は本番になると緊張しやすく、突然の異変や変更に弱く、パニックに陥りやすく、怖がりで小心な気質です。


5 お父さん気質か、長女気質か

 タイプ8は
男性性が強く、かなり男っぽい人たちです。男性のタイプ8は、「男の中の男」というイメージの人たちです。政治や経済、社会一般の出来事ばかり意識しており、災害やその他の災いを想定して、準備したり警戒を怠らないようにしています。人々の暮らしや安全などを考えているかもしれません。

 家庭内のことはあまり関心がないかのようで、家庭外のことに関心を向けていると言えるでしょう。通常は家事育児にはあまり関与しないほうで、他の家人に任せてしまうほうです。

 家族や一族郎党、村落を守ることが自分の責務みたいに思い込んでいる人たちです。より大きな仕事をしたがり、そこで指導的な役割を自然にしてしまうのです。小さなことや雑用をするべき人間ではない、と思いこんでいるかのようです。

 一方、タイプ1は女性性が強く、女らしい上品な所作と仕草をします。女性のタイプ1は淑やかな娘さんらしい娘さんというイメージです。男性のタイプ1も、どこか淑やかで、細やかな気遣いをして、率先して片付けものをします。周囲の人たちの手助けをしたり、縁の下的な仕事も嫌がらずにします。

 また、女性の役割みたいな仕事をいかにも自然にこなしてしまう人たちです。家庭内のことに関心があり、家事全般と母親を補佐するような仕事などに気づきやすいのです。
 従って、お掃除や料理、後片付け、裁縫など、女性らしいことは難なく習得してしまいます。不潔を嫌い、なんでも正確に丁寧にやり遂げてくれる人たちです。


6 女性を意識するのか、男性を意識するのか

  タイプ8は、「お父さん気質」ゆえ、男性性が強く、女性を強く意識しており、女性に惹かれやすい傾向があります。

 また、母親の存在は大きく、母親から愛されたがり世話をしてもらいたがります。また、自分と同年輩か年下の美しい女性に心ときめかします
とかく、女性への期待が大きく、女性への不満を持ちやすく、また手厳しくなる傾向があります。  

 一方、タイプ1は、「長女気質」ゆえ、女性性が強く、男性を強く意識しており、男性に惹かれやすい傾向があります。

 また、父親の存在は大きく、父親から指導されたがり、教え導かれたがる傾向があります。また、自分と同年配か年上の逞しくて賢い男性に心ときめかします。とかく、男性を怖がりますが、慕い敬いやすいのですが、男性への期待が大きいためか、男性への不満を持ちやすく、また、手厳しくなる傾向があります。

 タイプ8の男性にとって、男同士の友情はありえず、また、友情を求めることはありません。男に期待することはなく、うまく使いこなすべき対象でしかありません。
しかし、女性は、性愛の相手であり、惚れやすく、また支配したがる対象者です。
 
 しかし、女性のタイプ8にとっては、男は気楽につきあえる存在になります。友情らしきものもあるかもしれませんが、それよりも、その男たちを利用したり、うまく使いこなそうとします。

 タイプ1の女性は、女性に違和感を感じないで、女性に親しみやすいが、男性には恐れて警戒します。しかし、タイプ1の男性は、女性には無関心になりやすく、少し女性軽視をする傾向があり、また、気軽に声をかけられるのも女性です。

 しかし、女性のタイプ1は、男性を怖がり、緊張しやすいのですが、男性への憧れが強く、敬愛したり尊敬するのは男性ばかりになる傾向があります。


 その他の違い

 タイプ8は「お父さん気質」ゆえ、永遠の30〜40代というべきで、生まれ付き中年世代にいるかに見える振舞い方をします。

 実年齢が子どもであっても、大人が考えるようなことを考えています。たとえば、「車社会だから交通事故が起きるが、さりとて車がないと不便な社会ゆえ、それもいたし方ないだろう」などです。子どもらしいところは全く見られない人たちです。

 タイプ1は「長女気質」で、5人姉妹の第一子です。それゆえ、永遠に自立しなければならない世代にいる人たちと言えるでしょう。従って、どこか依存的なところはあるが、自立しなくてはと
努めている ことでしょう。時に子どものように、妙に興奮してハシャグことがあるかもしれません。

  タイプ8は、たいてい他人を戒めたり説教するほうにいますが、タイプ1は、自分を戒めて、他人を指導したり説教することができにくい気質です。

 タイプ8は自分の外なる世界や、広い視野で物事を見る傾向があります。しかし、大雑把で緻密ではなく、自分の思い込みで行動を起こして、大きな過ちを犯す恐れがあるかもしれません。

 一方、タイプ1は自分の身近な世界に関心を持ち、視野が狭くなる傾向があります。しかし、細かいところで気づき、小さなミスを見逃さないので大きな過ちになりにくいと言えるかもしれません。


 
 さて、二つのタイプを比較していますが、このように、どちらにも長所あり、それが短所にもなっています。従って、どちらのタイプが良いとか悪いとか、タイプに優劣があるかのように捉えるとしたら、それは大きな過ちに繋がるのではないでしょうか。

 気質には「違い」というものがあり、その「違い」を互いに知り、そして、「違い」を受け入れることが、自分自身を成長させたり、解き放つものではないでしょうか。